今野元のレビュー一覧

  • ドイツ・ナショナリズム 「普遍」対「固有」の二千年史

    Posted by ブクログ

    西欧の一体化と普遍の追求。

    「68年世代」・・・ドイツ人が自らの過去を積極的に否定する「破壊からの再出発」が活発になり、1968年に学生叛乱が最高潮となる。このような「破壊による再出発」の唱道者を本書では「68年世代」と定義している。

    0
    2021年10月29日
  • マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇

    Posted by ブクログ

    ウェーバーの全集を丁寧に読み解いたうえで彼の生涯をたどっている。これまでのウェーバー像は読み解く立場によって大いに左右されてきたことがよくわかる。

    0
    2020年10月28日
  • ドイツ・ナショナリズム 「普遍」対「固有」の二千年史

    Posted by ブクログ

    読みごたえがあった。「ドイツ的なもの」を考察するために2000年史になるとは思わなかったが、ドイツ史って、英仏と違い、国としての形が時代によってずいぶん変わるから、いまひとつピンと来ていなかった。メルケル後のドイツはどうなるのだろう、注目したい。
    サブタイトルの「「普遍(=西欧的)」対「固有」の二千年史」の通り、歴史を紐解きながら丁寧にナショナリズムはどのようなものなのかを検討している。考えたらドイツ=ドイツ語を話す人、ではないのだよなー

    0
    2021年12月15日
  • マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇

    Posted by ブクログ

    本書は、「知的巨人」マックス・ヴェーバーの「人格形成物語」を描く試みであり、ヴェーバーの個別作品の解説ではなく、「伝記論的転回」として、それらの作品が生み出された人格的・歴史的文脈を描いている。
    本書により、主体性を追求しつつ、攻撃的で、熱心なドイツナショナリストであり、自分及び自分側中心(プロテスタンティズム・ドイツ・西洋など)の状況認識をしがちであったといったヴェーバーの様々な側面が理解できた。
    正直、これまでウェーバーは「学問の価値中立」を提唱した知的に謙抑的な人物だと思い込んでいたが、ヴェーバーは決して「世事を超越して知的に精進した求道者」ではなく、ポーランドへの蔑視をはじめ、バイアス

    0
    2020年10月11日
  • マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇

    Posted by ブクログ

    ヒットラーとの類似が秀逸。ポーランド人入植への反対だけでなく、6項目に渡り記載あり。日本第三世代のウェーバーと記載している。

    0
    2020年09月28日
  • マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇

    Posted by ブクログ

    副題の「主体的人間」には、確立された自己というだけではなく、自分勝手という意味も含まれる。ヴェーバーにおける2つの側面をともに把握しよう、という意図から著された評伝。社会ダーウィニズムへの関心や、周囲とのイザコザ、自己矛盾など、これまで十分には目を向けられてはこなかった側面に光を当てている。

    0
    2020年06月17日
  • マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇

    Posted by ブクログ

    著者が云うところの、ヴェーバー研究の"伝記論的転回"を踏まえて著された評伝である。評伝、特に思想家や学者についてのそれは、代表作を中心に、その内容や受容のされ方、後代への影響を論じるというものが多いが、本書は、ドイツ「マックス・ヴェーバー全集」に依拠して書簡や講義その他の資料を駆使し、ヴェーバーの人物像を浮き彫りにしている。

    学生時代に「プロ倫」や「支配の社会学」、「職業としての政治」などは必読書とされていたので読んだが、どちらかと言うと、近代主義的評価からヴェーバーのイメージを持っていたし、書斎で沈思黙考する学者という印象を持っていた。本書では論争、論難、決闘をも厭わな

    0
    2020年05月23日
  • ドイツ・ナショナリズム 「普遍」対「固有」の二千年史

    Posted by ブクログ

    ドイツの政治と思想の歴史が凝縮して整理されており、現在に至るまでの流れがよくわかった。ナチ政権の反省から、過去を忘れようという動きだけでないとか、西欧の普遍とドイツの固有との狭間で、今もドイツは(実は)悩んでいるということも知ることができた。
     ただ、史的事実に忠実に描かれ、著者の意見はほとんど書かれていないので、読むのに少し退屈した面がある。著者撮影のものも含めて写真も多いのだが、各年代ごとの地図(一部しかない)や年表などの資料もあるとよかったかなと思う。

    0
    2023年01月24日
  • マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇

    Posted by ブクログ

    副題に「主体的人間の悲喜劇」とある本書は、著者が提唱するヴェーバーの「伝記的論的転回」によって、新たなヴェーバー像を描き、「人間の「主体性」(ドイツ語ではSouveräntiät)の追求こそ、ヴェーバーの人生を貫くテーマだった」(p.230)ことを示している。もともとこの「主体性」なる用語・概念は戦前期日本の西欧からの自立、戦後は国家や集団からの自立という意味で安藤英治(1921-88)が使用した用語であり、その意味で本書もヴェーバーの伝記的研究の先駆者としての安藤へのオマージュであると述べられている。

    では、主体性を追求していったヴェーバーは、立派な人間であったのか。答えは否であろう。良く

    0
    2020年06月14日