今野元のレビュー一覧

  • ドイツ・ナショナリズム 「普遍」対「固有」の二千年史
    西欧の一体化と普遍の追求。

    「68年世代」・・・ドイツ人が自らの過去を積極的に否定する「破壊からの再出発」が活発になり、1968年に学生叛乱が最高潮となる。このような「破壊による再出発」の唱道者を本書では「68年世代」と定義している。
  • マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇
    ウェーバーの全集を丁寧に読み解いたうえで彼の生涯をたどっている。これまでのウェーバー像は読み解く立場によって大いに左右されてきたことがよくわかる。
  • ドイツ・ナショナリズム 「普遍」対「固有」の二千年史
    読みごたえがあった。「ドイツ的なもの」を考察するために2000年史になるとは思わなかったが、ドイツ史って、英仏と違い、国としての形が時代によってずいぶん変わるから、いまひとつピンと来ていなかった。メルケル後のドイツはどうなるのだろう、注目したい。
    サブタイトルの「「普遍(=西欧的)」対「固有」の二千...続きを読む
  • マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇
    本書は、「知的巨人」マックス・ヴェーバーの「人格形成物語」を描く試みであり、ヴェーバーの個別作品の解説ではなく、「伝記論的転回」として、それらの作品が生み出された人格的・歴史的文脈を描いている。
    本書により、主体性を追求しつつ、攻撃的で、熱心なドイツナショナリストであり、自分及び自分側中心(プロテス...続きを読む
  • マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇
    ヒットラーとの類似が秀逸。ポーランド人入植への反対だけでなく、6項目に渡り記載あり。日本第三世代のウェーバーと記載している。
  • マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇
    副題の「主体的人間」には、確立された自己というだけではなく、自分勝手という意味も含まれる。ヴェーバーにおける2つの側面をともに把握しよう、という意図から著された評伝。社会ダーウィニズムへの関心や、周囲とのイザコザ、自己矛盾など、これまで十分には目を向けられてはこなかった側面に光を当てている。
  • マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇
    著者が云うところの、ヴェーバー研究の"伝記論的転回"を踏まえて著された評伝である。評伝、特に思想家や学者についてのそれは、代表作を中心に、その内容や受容のされ方、後代への影響を論じるというものが多いが、本書は、ドイツ「マックス・ヴェーバー全集」に依拠して書簡や講義その他の資料を駆使し、ヴェーバーの人...続きを読む
  • ドイツ・ナショナリズム 「普遍」対「固有」の二千年史
    ドイツの政治と思想の歴史が凝縮して整理されており、現在に至るまでの流れがよくわかった。ナチ政権の反省から、過去を忘れようという動きだけでないとか、西欧の普遍とドイツの固有との狭間で、今もドイツは(実は)悩んでいるということも知ることができた。
     ただ、史的事実に忠実に描かれ、著者の意見はほとんど書か...続きを読む
  • マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇
    副題に「主体的人間の悲喜劇」とある本書は、著者が提唱するヴェーバーの「伝記的論的転回」によって、新たなヴェーバー像を描き、「人間の「主体性」(ドイツ語ではSouveräntiät)の追求こそ、ヴェーバーの人生を貫くテーマだった」(p.230)ことを示している。もともとこの「主体性」なる用語・概念は戦...続きを読む