手塚マキと歌舞伎町ホスト75人from Smappa! Groupのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恋の駆け引き、男同士の上下関係、売れない悲しみ
感情がぎゅっと詰まってる一冊。
でも短歌だからあっという間に読めて楽しい。
★この人を支えたい!会いたいホスト短歌賞
君の来ない夜にトイレで聞いている
あいつの席のシャンパンコール
寂しいトイレと盛り上がる場内の対比が好き。
トイレの扉一枚隔てて全く違う空間が広がっているのが情景として分かる!
扉の向こうとこちらとでは、照明の明るさも、音の大きさも、空間の広さも、人の感情も何もかも違う。
扉の向こうからドンドンした低音が響いてくるのを項垂れながら聞くホストの姿を勝手に想像して悲しくなる。
寂しいのは「君が来ない」からっていう理由がキュンとくる。
結局は「会いたい」って一言を逆に34字に増やしてこんなに情景を思い起こさせる手腕に惚れる。
これを詠んだのはグループの会長手塚マキさんだった。
さすがホストで上に行く人は言葉の使い方も巧みだな。
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Posted by ブクログ
⚫︎まずは好きだった作品
乱雑に並んだ靴と消し忘れの
明かりに一つため息をつく
あの人はそんなんじゃない
と言う君も言われるアイツも素敵なんだね
気まぐれでぶっきらぼうな俺やけど
貴方のことは好きでありたい
君の来ない夜にトイレで聞いている
あいつの席のシャンパンコール
リツイートされてた貴方のその笑顔
直接君から知りたかったな
夜行バス窓を見つめて文字を書く
誰かに伝わるそんな気がして
おめでとうこの一言に詰まってた
ありがとうやごめんなさいが
⚫︎座談会を読んで
ホストはただチャラチャラした存在だと思っていたが、本当に売れている人たちは、絶妙なラインでの恋愛をお客様に提供するプロフェッショナルであることがわかり、見方が変わった。また、ヘルプしてくれるホストがいて、はじめて一番になれるから、ホスト仲間である男たちにも支持されなくてはいけないのも面白い。
ホストと短歌がなぜこれほどまでマッチするのか、説得力のある一冊でした。
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Posted by ブクログ
コロナ禍でいろいろな記事を読んでいる時に、とても興味深いインタビューを読んだ。
作家・辻 仁成さんと、歌舞伎町ホストの手塚マキさん。
「夜の街」と「歌舞伎町」はコロナのエピセンターとして、あちこちから叩かれていた場所。
でも実際のところはどうなんだろうととても気になっていて、
この記事には、現在の歌舞伎町がやっているさまざまな対策や取り組みのことが語られていた。
帯ニュースがどれだけイメージで夜の街を語り、
世間の偏見におもねるような方向で報道しているのかとげんなりする。
その中で、この本の存在を知って、がぜん興味が。
コロナの感染が始まるより前から、手塚氏はホストを集めて歌会をやっていたらしい。
(その前に、掃除ボランティアという活動もあるとか)
長い文章は書けなくても三十一文字程度なら表現できる。
もともと親和性のある和歌と色恋。
詠み手のキャラクターが垣間見える多様な歌が並んでいて面白かった。
ビッグになろう系のちょっと古臭いのがまだいるんだなあー、とか
客商売ながら本気の部分も生まれてしまうだなーとか、
今の時代の具体的な言葉と古来から続く三十一文字があわさる面白さもあり、
抒情的で普遍的な印象を与える、うまい歌を作る人もいる。
私が好きで読んでいる現代短歌の中にはあまり出てこない、
男女の駆け引きの主題がむしろ新鮮。
疑似恋愛的な場で働いて、相手の気持ちを汲み、言葉を選ぶホストならではの歌は
確かに万葉集や平安時代にも直結しているような気がする。
ホストなら歌くらい詠まないと、という世の中になったら本当に素敵だ。
巻末の写真で、この歌を詠んだのはこの人か、とわかるのも面白かった。 -
Posted by ブクログ
月一で開いた「出勤前歌会」から、コロナ禍の最中のZoom歌会まで。
歌舞伎町のホストたちが2年間で作った短歌900首から、300首を厳選。
歌舞伎町のホストさんたちが作った短歌を集めた歌集です。
300首も収録された歌集というと、さまざまな雰囲気の歌があるのを想像しますが、収録されている歌のほとんどのテーマが酒、女、金、夢や序列などで、退廃的な「繁華街の夜」のイメージが強いのが印象的です。
それでも、みなそれぞれ個性があって面白い。ホストクラブには行ったことはないですが、よまれた歌から、ああ、きっとこの人は売れてるんだろうなとか、まだ新人とかなのかなとか想像するのも面白いですし、最後にホストさんたちの顔写真も載っているので、歌と本人のギャップなんかを楽しんでみるのもいいかもしれません。