ザミャーチンのレビュー一覧
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ザミャーチンの、まあ唯一と言ってもよいだろう代表作でありディストピア小説。
当時の社会情勢や、これを執筆するにあたり影響を受けたであろう他のロシア文学作品などと比較し解読するとまた違った面白さがわかる。 -
Posted by ブクログ
まず、難解な小説である。全体主義で管理された社会に生きる(存在する?)uによる記録集。遠い過去に一度滅びかけた世界では、緑の壁により秩序が保たれかつ管理された社会が広がっている。
過去の遺物であるマンション部屋よく訪れ煙草を吸うlに会い、惚れ込み、緑の壁の外に暮らす野蛮人(とは言え、それほど野蛮でもなさそうだ)に会い、自分が正しいと信じ込んでいた世界が恩人によって過剰に管理・抑圧された社会だと気付いていき、、という話。
至る所に数式が出てくるのだが、微分積分(波を平らにしていく)で没個性を表しているよう。
やたら女性に好かれるところからも、理系のこじらせ男子の妄想が入ってるんじゃないか。ザミ -
Posted by ブクログ
ネタバレ今まで様々なディストピア小説を読んできたが…これは、何だか"真っ白"と言う印象を受けた。表現としては、青やピンクなどの色が出てきて、カラフルなんだけど…それはきっと、主人公の側に"個"が認められないからだろう。ぜーーーんぶ同じ。明言されているわけではないけど"個"が認められているのは、トップのみ。上の考えが全てなので、だからそういうイメージなのかも知れない。
私がディストピア小説で好きなところは、徹底的に管理された世界で、そこからはみ出した人が矯正されたりなんだりする、みたいなところなのだが…今回も存分に徹底的に管理されていて、そし -
Posted by ブクログ
全体主義の中で、思春期をこじらせた32歳の男の内面を追う物語。性欲と理性の対立、その葛藤の中で狂気を扱っている点は、フロイト的だなと思われた。
左脳的なものの行き着く先は、常に右脳的なものの爆発による終演だ。
作中、世界と個の関係について2種類の異なる表記が見られた。
「無から偉大へと至る自然な道は、自分が一グラムだということを忘れ、一トンの百万分の一だと感じることである」p177
「私は消えていく、彼女の膝に、彼女に溶けていく、私はどんどん小さくなる。そして同時にどんどん広がり、大きくなり、果てがなくなる。なぜなら彼女は彼女ではなく、宇宙だからだ。」p198
「種」の中で責任を