山口桂のレビュー一覧

  • 若冲のひみつ 奇想の絵師はなぜ海外で人気があるのか

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    若冲作品について、海外コレクターとのエピソードがおもしろい。現場に立ち会った著者ならではの細やかな観察が、アートマーケット門外漢にも十分に楽しめるものになっている。
    この本は、ロバート・キャンベル氏との対談が目当てで手に取ったところもある。期待通り、アートの見方を真贋判定の仕方から、デジタルによる分析的な見方と鑑賞の違い、若冲が性や身体性の直接的な表現なしに描いた人間性など、鑑賞の観点をさらに広げ深める内容でした。
    「奇想の系譜」は未読なので、いつか読みたい。

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    2021年08月28日
  • 美意識を磨く

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    アートとビジネスを結びつける本をよく見かけるが、この本はアートを教養以上の我がことにすべしという勧め。
    著者はクリスティーズというオークション会社で日本美術を扱っていて、まさにビジネスと結びついたアートの見方も教えてくれつつ、アートそれ自体をどう楽しむかということも教えてくれる。
    面白かったのが、各部屋のお気に入り作品を決め、最後まで観たら順番を決め、展覧会図録を買って解説を読み、というのを繰り返し、年間ベストテンを決め、自分の一押しを決める。これで自分の嗜好が見えてくる。
    過酷な研修期間の話もどこの世界も一緒なんだなと実感。
    鑑賞力を高める50のリストは今後の美術館巡りなどの参考にしたい。

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    2021年06月13日
  • 美意識の値段

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    茶道とは直接関係ないのですが、「目利き」が気になる人には良いヒントになるのではないかと思います。芸術としての茶の湯に興味がある人におすすめです。

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    2021年01月19日
  • 美意識の値段

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    クリスティーズの仕事や美術品への審美眼など、興味深く読むことができた。ビジネスに使えるかというのは美術を理解していないという意見は、山口周氏の本とも違う。

    実体験の話が多く、日本の美術品が海外にあることの意義、審美眼の養い方など、非常に参考になる内容だった。価値がわかる人が、お金を出して購入するのが一番と思うし、身銭を切らない一役、予算を出せない団体は文句は言えないと感じた。

    ただ、矢張り、仕舞う、嘗て、など、あえて読みにくくすることはないのではと、個人的には残念だった。著者のこだわりと思うが、単純な漢字の問題がとっつきにくくしていると、印象的だった。もったいないと思う。

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    2020年10月25日
  • 死ぬまでに知っておきたい日本美術

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    「日本人はアートを見る目が無い」という言葉をよく聞く、
    この本を読んで感じたのは、そのような意見は「西洋的アートを深く知らない」であったり「お金に換算したがる人が世の中に多い」 といった見かたであって、決して本質ではない。  日本人は自分たちの歴史や価値観に自信を持ち、もっと日本の美を堂々と語ればいい、と深く感じた。
    日本人にしか分からない感覚、視覚バランスであったり、聴覚であったり、触覚であったり、、
    決して西洋的、または大陸的ではない独自の美意識を大切にしようと思う。
    それをアートと呼ぶのか? クラフトと呼ぶのか? それは議論の中核ではない。
    金額には換算できない、比べる対象の無い孤高の美

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    2025年06月04日
  • 死ぬまでに知っておきたい日本美術

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    日本美術の定義について、つくった人の国籍にかかわらず、つくられた場所で判断される視点がある
    外国人がつくったものでも、日本的な技法や感性を受け継いだ作品は日本美術
    和の美の中には味という要素がある
    柳宗悦は、用と美をつなげた人
    物理的には目の前に見えていないものを見る
    いかなる古美術も、制作されたときは現代美術

    直前に読んだ松岡正剛の『日本文化の核心』とつながるところが多数。
    解説も真摯で審美眼を感じる。
    でもやはり、自分の目で見て肌で感じないといけないと強く感じた。

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    2024年08月07日
  • 死ぬまでに知っておきたい日本美術

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    日本礼賛の匂いはするが、西洋美術偏重(特に若い頃は)の現状からはしかたがない。
    わかりやすいし軽く読める。ただ1点、作品の写真が25パーセント位しか載ってない。しかも白黒。
    資料集かネットで調べならでないと、が、➖⭐️。
    同筆者の美意識の値段も読んでみたい。

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    2024年06月21日
  • 死ぬまでに知っておきたい日本美術

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    通勤でちょこちょこ読むのに丁度良い新書。行きたい美術館がたくさん増えた。旅先の美術館に行くの、その土地の歴史や文化に触れられて楽しいよなあ。

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    2023年11月18日
  • 死ぬまでに知っておきたい日本美術

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    <目次>
    第1章  日本美術とは何か
    第2章  日本美術の妙なる仕掛け
    第3章  私が選ぶ10人のアーティスト
    第4章  日本美術の死角、過小評価の作品たち
    第5章  死ぬまでに見ておきたい日本美術100選

    <内容>
    世界的なオークションの会社、クリスティーズジャパンの代表取締役による、日本美術の指南書。美術史家や学者とは違う視点から、日本美術が紹介される。それは、外国人の見る日本美術への視点、外国文化を和様化すること、写実を超えるリアリティやアシンメトリーの美、道具などとして使用した経年変化など。さらに明治期の「超絶技巧」なども評価されているところがうれしかった。

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    2022年11月28日
  • 美意識を磨く

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    同著者の「美意識の値段」はよりアートオークションの内情が多く、著者が専門の日本美術のエピソードかったが、こちらはより日本美術に限らず他ジャンルのアートの話題も多く、かつ2019年前後のニュースも言及しており、アート界の概要を知れてよかった。
    著者推薦の美術展の回り方や、あいちトリエンナーレ騒動のアート業界人からの見方など勉強になった。

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    2021年07月07日
  • 美意識の値段

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    感性は自分そのものであるが、これを鍛えるにはホンモノを鑑賞するしかない。そうすることで自分が磨かれる。

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    2020年05月31日
  • 美意識の値段

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    トップコレクターたちの意識や心理、オークションの裏側、お父様による日本文化スパルタ教育エピソードなど、どんどん思わず読み進めてしまう面白さ。大好きな杉本博司さんの話も。ジャンル問わず一流のものをたくさん観て審美眼を鍛える話もあり、私の場合はただの趣味ではあるものの、子供とともにこれからもたくさんの素晴らしい作品に出会っていけたらと思えた一冊。アート好きは必読。

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    2020年01月27日
  • 美意識の値段

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    たまにテレビのニュースで出てくるが、なじみのなかったオークションについてとても読みやすく教えてくれる。
    人を見る眼はモノを見る眼、モノを見る眼は人を見る眼という言葉が、本を通して印象に残る。
    美術館に行きたくなった!

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    2025年02月11日
  • 美意識の値段

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    オークションにおける値段のつけ方
    相場、希少性、状態、来歴
    や、美術館の来歴のストーリー
    (行くべきところに落ち着く)
    筆者の半生、オススメの日本美術の名品
    など色々なエピソードと共に紹介してある。

    別でも書いたが、値段を抑えるためだろうが、作品の写真が少ない上モノクロ。
    かなり知ってる方だと思うが、三分の一はネットで検索しながら。
    時間のある人向け。

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    2024年07月08日
  • 美意識の値段

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    オークションを取り巻くできごと、美術品との数奇な巡り合わせ、日本美術にまつわる思い、アートとの向き合い方について書かれていますが、エピソード満載でおもしろいです❗
    (帯の文はなんか違うなと思いました)

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    2021年10月11日
  • 美意識の値段

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    オークション・ハウス「クリスティーズ」に勤める著者がみずからの体験を踏まえて、芸術のたのしみかたから美術品を取り巻く状況にまで説きおよんでいる本です。

    アートとビジネスにまつわる問題についての著者の考えが語られている本を期待したのですが、ひとつのテーマについて深く掘り下げて論じたものではなく、オークションを中心にさまざまな話題がとりあげられており、エッセイに近いスタイルで書かれています。かならずしも最初に期待していたような内容ではなかったのですが、やはり著者自身の見聞にもとづく、美術品の数奇な来歴についての話や、アート・オークションにかかわる人びとの生態についての話はおもしろく読むことができ

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    2021年05月04日
  • 若冲のひみつ 奇想の絵師はなぜ海外で人気があるのか

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    ラストのキャンベルさんとの対談が面白い。また、日本美術を愛するアメリカのコレクターの話も興味深い。

    難点は画像の少なさ。
    若冲の作品はあるが、彼に影響したりされたりした
    同時代の作家の作品が文章しかないのはつらい。

    後世に、再利用される芸術作品という視点は考えさせられた。

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    2021年04月18日
  • 美意識を磨く

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    アートを日常のヒトコマとして考える。本物を見極める眼力はオークションに限らず、ビジネスでも十分に通用する考え方だと思う。日本人と西洋人のアートの考え方は和を良しとする日本人と比べて、西洋人は議論を徹底的に戦わせるようである。
    筆者流の美術の鑑賞の仕方は、各部屋を見てこの中で一番のものを見付けて、後で重点的に見ると言うもの。自分は全てを丁寧に見てしまうので、参考にしたい。

    巻末の美術館の一覧リストを見て、日本全国を旅するのも面白いかもしれません。

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    2020年10月02日
  • 美意識の値段

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    クリスティーズの社長の著書ということで、アート業界のお金の話なのかと思ったら、著者の回顧録的な内容で比較的軽い内容なので、肩透かしを喰らったというか、よく言えば気軽に読めた。

    アートはやはり欧米の価値観で動いている。
    だから特に欧米の美術史の文脈にのるかどうかが、作家そして作品の評価が決まってくる。
    日本においては巨匠として今尚圧倒的な存在感を示している岡本太郎氏をはじめとする日本の作家が、世界では殆ど無名であるということが、それを如実に表している。
    その中で現代アートの世界では、アニメやマンガなどのサブカルチャーをアートに取り込んだ作品で海外で高い評価を集める村上隆氏などは、その辺をしっか

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    2020年03月04日
  • 美意識の値段

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    サザビーズやクリスティーズなどの「オークションハウス」って気になるけど、どんなところ?を知りたい人に!

    でも、想像以上にいろんな役割を果たしているんだなぁ。

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    2020年02月08日