東浦亮典のレビュー一覧
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池上エリアリノベーションで、東急の主催者として
登場していた。少し面白そうな発言をしていたので
本を取り寄せ、読んでみた。
東京に住み始めて、1年半。
蒲田に住んでいるので、京急とJRについては、
やっとわかったところで、時より迷子になる。
とにかく、私鉄がたくさんあって、どうなっているのか
よくわからなかった。東急の池上線も、最近乗ったばかりだ。
東急の始まりは、渋沢栄一が、目黒蒲田電鉄を1922年に創立したことから始まる。
渋沢栄一は、田園都市株式会社を作り、洗足田園調布などの開発に力を入れ
五島慶太、五島昇によって、発展した。
その時のモデルは、小林一三で、娯楽施設を作り、都市の結び -
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東急の執行役員である東浦亮典氏による著書。
東急の戦略を中心に、大手私鉄(JRは除く)の経営に関して述べた本です。
私鉄に関する本であるのはもちろん、いろんなビジネスに通用する考えが述べられていると思います。
東急は、鉄道部門をもつ会社ではありますが、東急の沿線を中心とした都市開発にも力を入れている会社です。
しかも、鉄道部門も都市開発部門も、短期的な利益を追うのではなく、長期的な利益を大切にし、都市開発における長期的な視点、都市の利用者・居住者の利便性などを重視しており、非常に大きな視点で、より多くの人々の生活の向上を考えている印象を受けました。
また、東急だけよければいい、という考えでは -
Posted by ブクログ
私鉄のビジネスモデルと言えば、かつて阪急
の創始者である小林一三氏が真っ先に挙げら
れます。
小林氏は沿線の宅地開発と並行して、商業施設
や娯楽施設を開発し、全てを沿線で消費させる
サイクルを確立しました。
しかもこのスタイルは今でも継承されています。
しかし現代では住民の高齢化、都心回帰に
よってこのビジネスモデルは限界に近づき
つつあるとも考えられています。
東急はいち早くこの問題に対処し、地域住民
との連携を図り、どのような街づくりを目指す
べきか一緒に考える取り組みに着手しています。
この本ではそれはステージ2.0ととらえています。
では3.0とは何か。
IT技術の活用は -
Posted by ブクログ
東急電鉄叩き上げで都市開発に携わり続けてきた著者が、東急の街づくり約100年の歴史を振り返り、今後の方向性を示している書籍。著者は2024年4月現在では東急(株)の常務執行役員を務めている。
首都圏の街づくりは、都心の本拠地を中心に開発を行うデベロッパーと、都心と郊外を鉄道で結び郊外で宅地開発を行ってきた私鉄に大きく二分されてきた。
東急が他の私鉄と異なる点は、他私鉄が終点付近に観光地を有しレジャー輸送も柱となっているのに対し、東急には観光地が無いことから、沿線を「面」として宅地造成し、住宅地としての魅力を高める方向で特化したことにある。計画的な都市設計と生活サービス施設の充実による高い利便 -
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目新しいことはあまりないが、現役執行役員が書くことに価値がある。
東急という会社自体には、
・鉄道は手段で、メインは都市開発であるという立場を明確にしていること
・人口減少と多様な働き方へのシフトという時代の要請をくみ取り、しっかりと自社の沿線に将来のビジョンとして落とし込めていること
・マンションデベロッパーとは違い、これまでもこれからも沿線にコミットしていく姿勢を示していること
から、ポジティブな印象を受けた。
私は生まれてから24歳で一人暮らしをするまで田園都市線沿線に暮らしていて、独特の閉鎖感、「すべてが東急ブランド」という環境に耐えられなかった。肌に合わなかったという、それだけの -
Posted by ブクログ
タイトルは私鉄の未来を示唆するようなものだが、
ほぼ東急の歴史を追った内容。
しかし、こと日本における東急の役割というのは大きなものなので非常に読み応えがある。
グランベリーモールのくだりなどは驚きが大きかった。
致し方ないが、いかんせん東急バイアスがかかっているなという点は否めない。
しかしいわゆるMaaSの文脈で考えたときに、実は東急という会社は、それこそ田園都市を構築したときからMaaS的ビジョンを持っていたのかもと思わされた。
武蔵小杉の現状に対する自省も感じられ、今後の東急に期待が持てる一冊だった。
なので、結局本のタイトルと内容はけっこう乖離。そこは残念。