てらさわホークのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とても信頼のおける人達が話しているんだな、ということが伝わってくる帯に目がいって購入。一つ一つの映画を突き詰めてマニア的に語る、というよりは昨今の映画をとりまく環境やその危機的状態について取り上げては片っ端からぶった切っていく対話形式の本なので、そこまで映画に対する造詣が深くない人でも楽しめると思う(少なくとも私は楽しめた)。とっくに結論が出たような話がいつまでも掘り返されてウンザリなポリティカル・コレクトネス論争、いいかげん食傷気味なディズニーの実写化に対して感じていたモヤモヤが見事に言語化された良書。最後の方で「映画批評に未来はあるか」との議題が登場するが、彼らのように倫理観がしっかりした
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Posted by ブクログ
予算わずか140万ドル。倒産の危機に瀕したスタジオとドラッグで人生を棒に振りかけた役者が、無名のヒーロー映画『アイアンマン』で起死回生のヒットを飛ばす。
ここから、厳格な管理体制を敷くディズニーの下で、
無謀なプランだったはずの「マーベル・シネマティック・ユニバース」は拡大していく。
ときにスタジオと役者・監督との間で軋轢が生じながらも、 わずか10年でいかにして歴代No.1の映画シリーズとなったのか。
MCUは、映画産業を、映像表現を、どう変えたのか。
そして、映画のなかでヒーローたちはアメリカの"何"と戦ってきたのか。
アメコミ映画の第一人者・てらさわホーク -
Posted by ブクログ
あくまで映画批評が中心で、図版やスチールの使用は一切ないため、いわゆるアメコミユーザーに向けたファン書籍ではありません。
原作コミック、公開当時の記事やキャストのメディア上での発言、スタッフ・製作陣のキャリア解説、オーディオコメンタリー、背景となる(主に)アメリカの社会情勢など、多彩なメディアから広く情報を拾いつつ、それらをオタク的に網羅するのではなく、あくまで映画批評としての切り口を明瞭化するために取捨選択して提示する手腕がスムーズ。
『キャプテン・マーベル』まで21作のMCU映画を1本1本個別に評論しつつも、読み進めるうちにその総体として10年間におよぶマーベル・スタジオの -
Posted by ブクログ
マーベル映画の作品ごとの良質な解説や制作裏話が楽しめます。会社としての一貫したビジネスのストーリーはあまり書かれていないので、あくまで作品の批評がメインです。あらすじが絶妙にまとまっているので、最新作を観る際の予習にも最適でしょう。
MCU(マーベルシネマティックユニバース)の一連の作品は相互の関連性を保つ必要から、個々の作品をゼロから監督や脚本家の好きなように作ることは許されません。毎度その制約に苦しんだスタッフが辞めたり、苦労が絶えない様子がよくわかります。
作品が積み上がるごとに難しさが増していきそうなMCUのシステムですが、後続作品をこれからどのようにまとめていくのか。本書の情報を