椎名美智のレビュー一覧

  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    身の回りに溢れた「させていただく」を敬語の変化、意識の変化から探る本。統計もしっかりしています。言葉は常に移ろいゆくものですがこの言葉もまたその過程にあるのだなと感じました。面白くためになる本です。おすすめ。

    「させていただく」も敬意漸減が生じているとしたら次にくる敬語はどのようになるのか?その点...続きを読む
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    ■「敬語の欠陥」とは謙譲語がなかったり、へりくだった表現が作れなかったりすること。具体的には「帰る、使う、参加する、変更する」などのように「お…する」を使って謙譲語が作れない場合があること。そのようなとき動詞に「させていただく」をつけるとへりくだる言葉が作れる。
    ■「させていただく」を平和に使うため...続きを読む
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    違和感を覚える人も多い「○○させていただく」について(自分も場面によっては強く違和感を覚える)、語用論の観点から分析している本。

    著者が以前に出版した学術書の内容を非専門家向けに噛み砕いて解説しているため、内容の妥当性を保ちつつ、非常に読みやすい。

    敬語に遠隔性と近接性があって、これらの調節の自...続きを読む
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    「させていただく」使用の理由や歴史的経緯について。著者はこの言葉について中立的あるいはやや肯定的な立場で説明している。文法とか元々の意味から言葉遣いを考えるというよりは、今よく使われているのは理由があるからだ、という立場。させていただくというのを、文法的に謙譲語だと言うのでなく、使われ方からもはや丁...続きを読む
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    言葉は生き物。変わっていく。今空前の(?)「させていただく」ブームかな。
    全て間違いではないが、聞いていて違和感があるものがある。しかしそれも時間がたてば普通になるのかもしれない。
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    「させていただく」の使い方
    ~日本語と敬語のゆくえ~

    著者:椎名美智(法政大学文学部英文学科教授)
    発行:2022年1月10日
    角川新書

    「今日限り、仕事を辞めさせていただきます」と文字で書かれると、今はニュアンスが分からない。例えば、日本語には本来ない「!」をつけて、「仕事を辞めさせていただき...続きを読む
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    1990年代から拡大した「させていただく」という敬語。
    それがどのような背景で広がったのか、言語的に何を意味するのかを追った本。
    「『させていただく』の語用論」という本を新書むけにリライトしたものであるようだ。

    私にとって勉強になったのは、敬語の体系の整理。
    いわゆる伝統的な敬語の体系(尊敬・謙譲...続きを読む
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    よく耳にし、意識せずに使用している「させていただく」という表現と背後にある敬意漸減という語の宿命と、それに対応する話者の対応としての敬意のインフレ。
    「させていただく」の本来的な意味の要素であった使役性、恩恵性、必須性が、使用とともに任意的なものになり、その最先端がおのののかの「しっかり整わせていた...続きを読む
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    中身は語用学という言語学分野の観点からの真面目な敬語論で、なぜ「させていただく」が便利に多用されるようになったかを解き明かしていく(決して「させていただく」の「使い方」の本ではない)。著者の考察には結構「なるほど」でした。
    また、日本語の敬語分類がかつての3種(尊敬語、謙譲語、丁寧語)から最近は5種...続きを読む
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    読みやすいが中盤の調査セクションは読み飛ばした。させて頂くが他者の視線を意識した言葉であるのなら、インターネットへの言及は欲しかった。誰もが自由に発信し、同時に批判される時代のリスク回避がさせて頂くの本質だと思う。
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    ●=引用

    ●1990年代に「させていただく」の使用が拡大してきた背景には、もちろん「させていただく」が使いやすいという積極的な理由もありますが、それまで使われていた「いたします」「お~する」「させてくださる」「さしあげる」に敬意漸減が起こり、使いにくくなったという消極的な理由もあります。図8が示す...続きを読む
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    読まさせていただきました。
    確かに『させていただきます』はよく使わさせていただいております。いつもありがとうございます。

    どうも1990年代に『させていただきます』ブームが到来したとの事で、私が社会人成り立ての頃にはその一大ブームメントの真っ只中であった訳でして、そりゃあ全く違和感なく使わせていた...続きを読む
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    今の学生は、仮定、否定、疑問を使って婉曲に問う習慣が身についている。
    フワちゃん、ローラさん、のため口キャラは作られたキャラだということを知っている。毒舌キャラも同じ。
    突っ込んだ後は関係修復を図る。

    宮澤りえが1992年に「貴花田関と結婚させていただきます」させていただくが増加し始めたころ。
    ...続きを読む
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    『させていただく』について敬語の歴史的変遷、多用されることによる違和感など分析した書籍。私自身、『させていただく』の多用が気になる方で、なるべく使用したくないと思っていた。ただ多用される理由が、それまでの敬語が敬意漸減という避けられない変化にあること、謙虚な自分を示すためであることと記されており納得...続きを読む
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    「させていただく」が汎用化している背景、さらには、敬語の主体のあり方が変わってきている分析、読んでいてなるほどと感じました。
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    「させていただく」new wordかと思いきや、1871年の落語のその使用が確認されていると言う。
    しかし1990年代に使用が増加したのは確か。
    聞くたびに違和感を持っていたのだが、大学教授がコーパスを使用した「させていただく」等の使用例と多くの人から取ったアンケート結果から、その言葉の使用について...続きを読む
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    コミュニケーションの変化が生んだということに納得できた。また、聞き手によって受け止め方は様々なので、余り気にしても仕方ないとも感じた。
  • 「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
    使われている理由はなんとなく分かっていた事だったけど、言葉というのは徐々に進化したり劣化したりするんだというデータがあり面白い。文法的な説明が沢山あり、苦手なのでこんがらがる