木庭顕のレビュー一覧

  • 誰のために法は生まれた
    「なんかよく分からないけれどここには大切なことが書いてある」と感じる本。
    そんな本に20代のころにはよく出会ったように思う。
    そしてなんだか訳の分からないままに読み進めて、運がよければそれを仲間と語り合って、何か掴みかけたような気がする手がかりを確かな手ざわりのある論理に変えていく。
    そんな経験が昔...続きを読む
  • 誰のために法は生まれた
    法はグルになっている集団を解体し、個人を助けるためのものである。しかし、個人主義は個人の利益至上主義につながり、それは結局利益を目的として徒党を組むことにつながってしまう。その徒党に抑圧し食い物にされる個人がいる。ここにジレンマがあるし、そのジレンマに自覚的でなくてはならない。

    というのが概ねの理...続きを読む
  • 誰のために法は生まれた
    近松の古典やギリシャ・ローマの古典、そして実際の判例を取り上げて、中学・高校生と一緒に法とは何か、自由とは何かを考える。徒党(グル)と個人。この対立で徒党を解体して徹底的に個人に肩入れすることが「本来」の法であるという。「占有」という概念が出てくる。二人の人が一つの物にかかわって争っている時に、高い...続きを読む
  • 誰のために法は生まれた
    いきなりおさん茂右衛門の人情話を軸に説明が始まりびっくりした。
    この辺りは学生時代に専攻した分野だったので。
    ただ、当時は法学については全くの門外漢で、人の気持ちについては検討したけれど、デモクラシーへの意識は向かなかった。
    今の立場の私には、とても興味深くおもしろい。
  • 誰のために法は生まれた
    映画、喜劇を素材にして、タイトル通り法とは誰のために生まれたのか思考する試み。教養とは、こういうことだよと教えてくれる。自分が無知だということに改めて気づかされる。
  • 誰のために法は生まれた
    法学部時代を懐しみながら読み進めた。学部入学時に読み、学部卒業時に再読することで自身の学びを振り返ることができるだろう。
  • クリティック再建のために
    この本の読み方:人名、地名以外の横文字=専門用語が本文からの文意だけでは、明晰で無いので、辞書で押さえながら、読むとスムーズです。

    また、複数の方が指摘し、本文でも定義しているように、「クリティック」=いわゆる現代における批判でありません。カントの『純粋理性批判』でいうところの「批判」概念です。
    ...続きを読む
  • 誰のために法は生まれた
    再読する。
    人権とは、もともと何もないところから何かを生み出す「権利」ではなく今あるものを守るための「占有」だということ。
    誰のために、それは、徒党に対する個人のために。
    数々の古典を読み込み、最後に出てきた自衛官合祀事件の受け止め方は、判例集を見て、「他人の信仰に基づく行為に対して、自己の信教の自...続きを読む
  • 誰のために法は生まれた
    対話形式で書かれており読み易いけども、内容は結構難しい、、
    何かをスッキリ理解させてくれる本というより、法や政治のような世の中の仕組みに対する興味関心を大いに沸かせてくれる、文学が持つ力を見せつけてくれるような本だ。中高生の頃にこんな本に出会えていたらな〜
  • 誰のために法は生まれた
    このタイトルだけではなかなか読む気になれない(笑)

    きっかけはとても気に入った著書「絵を見る技術 名画の構造を読み解く」の著者秋田麻早子さんのブログで絶賛・紹介されていたからだ
    かなり前のことなので内容も覚えていないが、興味深くぜひ読んでみたいと思いずいぶん前に入手しており、ようやく着手できた

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  • 誰のために法は生まれた
    諸富徹氏が新聞で、中高生向けに行われた講義をまとめたものの一冊として紹介していて、気をひかれたのだけど、読むかどうかちょっと迷った。というのも、同時にヒット作としてあげられていた「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」を以前読んだとき、すごく苦労したからだ。もちろん、非常に考えさせられる内容で、知的な...続きを読む
  • 誰のために法は生まれた
    現代の法に慣れていると、この言葉から想像するものとはかなり違う法の話で驚く。法の起源となるギリシアやローマでの倫理というか、ものの考え方に遡ることで、現代の法を批判的に考え直す内容。

    この本の骨子だけ書いた本があったら、ほとんど誰も関心を持たなそうだが、高校生への講義を口語で書いてあることで、上手...続きを読む
  • 誰のために法は生まれた
    評価高いようですが、期待した程では無かったです。

                                       
    1.この本を一言で表すと?
    古典を題材にして、中高生と法を語り合いながら法を理解していく講義内容をまとめた本。

    2.よかった点を3~5つ
    ・法はどちらの側にある?(p62)
    ...続きを読む
  • 誰のために法は生まれた
    20190105 基本的人権とはという教科書的な解説ではなくて、そこにたどり着くために古典を元に考えさせる構成。出来上がった本を読むのも良いが講義に参加しているつもりで考える事。この本をきっかけに考える人が増えて来たら政治も変わって行く予感がする。