アーヴィングのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アンダルシア旅行の読書として最高だった。
上巻は著者の旅行記的な要素が強かったが、下巻は彼がアルハンブラとグラナダの住人達から採録した当地伝来の物語/伝説集といった感じ。グラナダの住人たちにとっては父祖の代から語り伝えられてきた数々の伝説は、日本に例えると平家落ち武者伝説や、源義経がモンゴルに渡った伝説のようなものか。ただ、アルハンブラというの城塞に積み重なる歴史の厚さを反映し、かつての為政者であるイスラム貴族モーロ人の財宝に関係する物語や、騎士の戦いや亡霊に関する物語が多かった。
倹約家/働き者のご主人と浪費家/見栄っ張りの女房、下衆な隣人、強欲な司祭、子どもを管理下に置きたがる王様、恋に -
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ネタバレアメリカ公使館書記官であるアーヴィングは1820年代にグラナダを訪れ、荒れ果てたアルハンブラ宮殿に滞在した。その日々を幻想的な伝承を織りまぜながら語った本。上巻は歴史や建物、グラナダでの暮らしにまつわるが多い。
アルハンブラ宮殿を築城した王アルハマールは、戦争で持ちこたえられないと判断した後、カスティーリャの君主であるフェルナンド聖王に帰服し主従関係を結んだ。つまりイスラム教の領主がキリスト教の領主に仕えた。意外なのは、キリスト教とイスラム教の領主が同盟や主従関係を結び十字旗と新月旗を並べて、共通の敵である他の領主と戦争するのは別に珍しくなかったということ。最初から延々と宗教間での争いをしてい -
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19世紀アメリカの作家アーヴィング(1783-1859)が、スペインのグラナダにあるアルハンブラ宮殿に滞在した際に執筆した旅行記であり、かつ当地で見聞したいくつかの伝説を記録したもの。初版1832年、改訂版1852年。本書の影響により、当時あまり知られていなかったアルハンブラ宮殿は、"異国情緒"あふれるイメージと結びついて広く西洋世界で親しまれ、人気の観光地となった。
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スペイン(イベリア半島)という地域が、西洋世界にとって、最も身近なオリエント(東方世界、則ち"異国")として認識されていることが、以下の個所によく表れている。
「しかし、これほど -
Posted by ブクログ
ネタバレアルハンブラ宮殿に行くので読んでみた。
スペインの荒涼とした雰囲気がよく伝わってくる。
宮殿に関するたくさんの逸話が登場するのだが、彼が歴史に魅了されたオタクだっていうのがよくわかる。
フランス軍よくやった!!っていうのが一番の感想ですね。
アルハンブラ宮殿の挿絵が入っていて、実際この本を宮殿に持っていたので、「あぁ、ここがライオンの間かぁ」とか非常に旅のお供として活躍してくれました。
ただアルハンブラ宮殿を訪れても、その歴史を知っていないときっと面白さ半減どころではないだろうと思いました。
もし宮殿を見物に行くならこれを読んでみるのもいいでしょう。