シュレーディンガーのレビュー一覧

  • 生命とは何か 物理的にみた生細胞

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    量子力学の波動方程式を創出した物理学者のシュレディンガーが分子生物学について著述した本。まだDNAの二重螺旋は発見されていない時代。遺伝子は長大な分子でできている。その存在を物理学から見た見解が述べられている。なかなか難しいな。

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    2018年10月19日
  • 生命とは何か 物理的にみた生細胞

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    エルヴィーン・シュレーディンガー(1887~1961年)は、オーストリア出身の理論物理学者。波動形式の量子力学である「波動力学」、量子力学の基本方程式である「シュレーディンガー方程式」、「シュレーディンガーの猫」を提唱するなど、量子力学の発展を築き上げ、1933年に英国の理論物理学者ポール・ディラックと共に「新形式の原子理論の発見」の業績によりノーベル物理学賞を受賞。
    本書は、シュレーディンガーが、物理学的視点から生物の生命現象を解き明かそうとした、1944年の著作である。日本語訳は1951年に出版された。
    当時はまだ、世界の第一級の物理学者の間でも、生物の生命現象には、生命以外の全ての物質が従う物理学の基本法則を超越した何らかの力が関与しているかもしれないとの思いが漠然と抱かれていた。そうした思いは、1953年のワトソンとクリックによるDNAの二重らせん構造の発見を決定的な転機として生まれた分子生物学の発展によって過去の遺物となったが、その約10年前に発表された本書は、そうしたテーマのついての世界の物理学者と生物学者の関心を喚起するのに、極めて重要な役割を果たしたと言われている。
    本書で著者は、生物の遺伝の仕組みと、染色体行動における物質の構造と法則を、物理学と化学の視点から推論しているが、出版後70年を経てなお興味深いものはエントロピーに関する考察と思う。
    著者はエントロピーと生命の関係について、「エントロピー増大の法則」が示すところによれば、物体は崩壊を経て平衡状態に至るにも係らず、生物が平衡状態にはならないのは、生物が、食べたり、飲んだり、呼吸をすることにより「負エントロピー」を絶えず取り入れているためだと説明している。つまり、生物が生存することによって増加するエントロピーを、負エントロピーによって相殺することで、エントロピーの水準を一定に保持しているのである。この事態は、「エントロピー増大の法則」が、開放されたシステムにおいては成立しないことを示しており、平衡状態とは別種の安定が成り立つとも述べている。
    現在ほど研究領域の細分化が進んでいなかった当時でさえ、著者はまえがきで、「ただ一人の人間の頭脳が、学問全体の中の一つの小さな専門領域以上のものを十分に支配することは、ほとんど不可能に近くなってしまった」が、「われわれの中の誰かが、諸々の事実や理論を総合する仕事に思いきって手を着けるより他に道がない」と宣言をして著した、科学者の本懐を示す作品である。
    (2013年6月了)

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    2021年11月16日
  • 生命とは何か 物理的にみた生細胞

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    他の方のレビューを拝見すると遺伝子構造が解明される前の講演というのに驚かされる。高度な知力があれば、分野は違えど本質を推測出来るということか。最初、「シュレディンガーって物理学じゃなくて生物学だった?」と思ってしまったが、専門外の分野を異なるアプローチからここまで洞察できることに再び驚かされる。シュレディンガー氏が考察したたんぱつ質を結合体とした螺旋の遺伝子構造は、数年後にワトソン&クリックにより確立した理論として提唱される。我々素人は生物と物質を断絶して考えがちだが、量子から生物的有機体として捉えるアプローチはまさに天才の頭脳。

    ・・・と書きながら、難しくてほとんど理解できなかったので、時間をおいてまた再読したいと思う。

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    2019年06月25日
  • 生命とは何か 物理的にみた生細胞

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    高校生物をやっていれば理解できるような内容で面白かった
    今では既出の知識だが、それが解明される前に物理学者がこのような本を書いていることに驚く

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    2024年03月17日
  • 生命とは何か 物理的にみた生細胞

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    生物学に物理学的な微視的観点(量子力学) から巨視的観点(統計力学) までを持ち出して議論していて、面白かった。生物物理学という分野も確立されて久しいが、学部時代の研究室配属希望先の第二志望に生物物理系を書いていた身としては興味深い内容だった。突然変異の発生確率が多過ぎるとどうなるかの議論とか、生きるとは負のエントロピーを食べてエントロピー増大に抗い続けることというのも面白かった。ただ、書かれたのと翻訳されたのが古いからなのか、生命を物理の切り口で議論する試みの最初期だからか、二重否定のようなまわりくどい言い回しや古臭い表現も多く、系統立ってもいないので、内容がスッとは入ってこなかった。

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    2023年09月20日
  • 生命とは何か 物理的にみた生細胞

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    生物学を物理学の見地から見たものである。もともと岩波新書で発行されていたものを文庫化したものである。そのためにあとがきは新書版のあとがきとなっている。
     生命とは何か、について多くの者が書いているのでそれと比較するのも面白いであろう。

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    2021年11月27日
  • 生命とは何か 物理的にみた生細胞

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    まずはエピローグを読んでみましょう。すると、シュレーディンガーが「「私」とは何か」というある種の心身問題に興味を持っていることがわかります。その上で全体を眺めるのが良いと思います。
    さて、シュレーディンガーといえば、量子力学でおなじみの名前ですが、本書はーー一般向けの講演形式で展開されていますがーー当時は生命科学におけるバイブルとして多くの人に読まれたそうです。そして、これで勉強した人々がまた、新しい成果を次々と生み出した礎となりました。
    量子力学というバックグラウンドから生命を論じるところには難しさがあります。そもそも、こういった歴史的な科学の大著を読むときは今の私達なら高校生でも知っていることがまだ分かっていないということもあるのですから、それを織り込んだ上で読まないといけないので、難しいのです。したがって、はじめに述べたように著者の「世界に対する見方」てあるところのエピローグをしっかり読むのが面白いと思います。科学者は自然法則を明らかにするのが仕事ですが、それでは、人間とは機械仕掛けなのか?という問を必然的に生み出します。その問題は現代においてもまだまだ研究されているとしても、このエピローグではそれに対して弁証法的なアプローチを考えている様子が伺え、個人的にはその人柄や、量子力学というバックグラウンドなども垣間見え、好感が持てました。

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    2021年10月08日
  • 生命とは何か 物理的にみた生細胞

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    「秩序から秩序へ」とは言い換えれば自己複製子のことか。理論でもって実際の観測を予言している所がすごい。エピローグは筆者の真面目振りが少しおかしい。訳者あとがきはさらに珍妙。

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    2018年11月05日
  • 生命とは何か 物理的にみた生細胞

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    猫好きで有名なシュレーディンガーの著書。量子論からの分子としてのDNAによる永続性の維持、あたりまでは面白かったが、エントロピーの増大を抑制するための負のエントロピーの摂取、のあたり以降はさっぱり意味がわからなかった。で、結局生命とは何なのかはわからないまま。まあ、当たり前だが。
    古典なのだろうが、いま新しい刺激を受ける著作ではなかった。という印象。

    どこまでいっても次から次へと新しい理論が提唱され、裏付けられる。それでいて、どこまでいっても解明されない謎は残り続け、さらに新しい謎が生まれる。物理学、生命科学、脳科学、天文学。。。
    これはきっと人と神との終わりのないゲームなのだろうと思う。

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    2017年06月07日
  • 生命とは何か 物理的にみた生細胞

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    生物学と物理学の見地から生命とは何かを読み解く。

    我々の体は原子と比べて、なぜそんなに大きくなければならないのだろうか?
    それは第一に一つの物質組織が思考と密接に対応するためには、それは非常にきちんとした秩序ある組織でなければならないからだ。物理的にきちんとした秩序ある体型に対して、他の物体により外界から加えられた物理的作用は、それに応ずる思考の対象となる知覚や経験に対応することは明らかである。
    元々原子はすべて絶えず無秩序な熱運動をしている。莫大な数の原子が初めて互いに一緒に行動するようになって規則性が生まれ、集団の行動を支配するようになり、秩序の正しい法則の精度は原子の数で決まる。
    このように、物理法則は原子に関する統計に基づくものであり、近似的なものに過ぎない。

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    2019年01月16日