ストーリーを追うだけなら、とあっという間に読めてしまう。けれど中身はなかなか奥が深い。
イギリスのグラスゴー、都会で働いて9年になるるエレノアは、30才の“女の子。容姿が多少大変なことになっているけれど、空気が読めなくて、ついつい相手につっかかってしまうけれど、極力目の前にいる人を大切にしようとす
...続きを読むる行儀の良さを備えている、ホントは優しい女の子。
思ったことははっきり「心の声として言葉で表現するのだから、読む方はああこんなふうに考えているのねと読んでいると納得させられる。
単調で、殻にこもった日常が、会社のコンピュータに不具合が生じたことがきっかけで、少しずつ外に出るようになっていく。
新しい知り合いとの付き合い、その家族、近所の人たちとの交流。イギリスの日常がやんわりと伝わってくる。
そして少しずつ、エレノアのトラウマ、過去の傷がじわじわと闇を呼び寄せる。
読んで、息をのんだり笑ったり、泣いたり、
エレノアと一緒に元気でいようと思ってしまった。
知り合いがいっぱい増えたような、登場人物の息遣いが伝わってくる本だった。