羽田節子のレビュー一覧

  • 生物から見た世界
    現代で読んでも非常に興味深い一冊。いろいろな生物はどう世界を認識しているか?という問から出発している本書だが、主体だけでなく、客体も含んだ上での環世界、という概念は面白い。自己だけで世界は完結しないのだ。
  • 生物から見た世界


    言葉の定義がイマイチなされていないため、
    (もしくは、訳の問題なのかはわからないが)
    わかりにくい概念もあるが、視点が面白い。

    ある生物、つまり主体、のまわりには、
    世界が広がっている。
    世界には、いろいろなものがあるが、
    生物は、自分にとって意味のあるものしか認知しない。
    つまり、関係ないも...続きを読む
  • 生物から見た世界
    これは、相当に面白い本だった。
    コウモリやイルカは、超音波のソナーによって、人間には感知出来ない形で、周りの状況を三次元的に把握する。これは、人間にわからない感覚を、他の動物が感知出来る場合だけれど、その逆に、人間に感知出来るほとんどのものを、まったく感知出来ない生物もたくさん存在する。
    だから、生...続きを読む
  • 生物から見た世界
    ユクスキュル。生物を取り巻く主観的な環境を環世界と名付け、さまざまな生物達の環世界を例をあげながら解説する科学の古典。生き物それぞれ違った捉えかたというある意味当然のことを科学的に解説した名著です
  • 生物から見た世界
    動物・自然を主体として捉えるポストモダン的生物学の名著。(とはいえ古い)
    時間も空間も脳の産物という非常にファジーな世界の中で、客観偏重の人間中心主義から脱却させてくれる
  • 生物から見た世界
    about umweld.知覚能力による環環境の捉え方の違い。意味の付与は無理してするのものではないのかも。そのままでよいのかも。
  • 生物から見た世界
    そのときぼくは中学二年生。説明はとてもむずかしかったが、とにかく動物には世界がどう見えているのかということではなくて、彼らが世界をどう見ているかを述べていることはわかった。
    訳者あとがきより

    当時、戦時中の工場で本書(神波比良夫氏訳)を手に取った訳者がこうやって新たに(といっても2005年刊)訳す...続きを読む
  • 生物から見た世界
    ハイデガーにも影響を与えたというから、読んでみたら本当にハイデガーの認識構図である気遣い相関図式のネタ素なだという印象。環世界の考え方は「動物の目線の立場に立ってその世界観を見たら、どんな世界観になっているか」を人間から昆虫まで幾つかの事例を出しながらその特徴を解説した本で「視点を変える」という意味...続きを読む
  • 生物から見た世界
    多彩な生物のそれぞれが特有の知覚世界を持って、その主体として行動している客観的な環境とは異なった環世界を描きます。我々人間が客観的な環境と捉えている世界も個々の人間の環世界のなのかも。
  • 生物から見た世界
    時々こう、思うんだけど、例えば、高いところにあってカミさんが届かないものに、身長差でオレは届いたりするでしょう。身体感覚が違えば空間認識も違う。認識が違えば精神形成ももちろん異なる。自分と他者との違いって、そういう抜本的なレベルから始まっているんだろうな、と。

    まして異種族ならなおさらではないか。...続きを読む