エツァート・エルンストのレビュー一覧

  • 代替医療解剖

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    鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブの代替療法を次々に取り上げながら、その効果の低いこと、ないこと、身体に害をなすことを論証している。プラセボ、二重盲検法など、科学が確立した手法、概念についても詳しく説明を加えている。

    医療リテラシーが高まる本。今も色褪せていない。
    代替医療が掲げる、総合性、自然由来、伝統という背骨に当たる傾向性を叩き切る。

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    2024年05月16日
  • 代替医療解剖

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    代替医療そのものを信じるかどうかよりも、
    そのために受けられる治療を遠ざけてしまうことが怖い。

    ジェット浪越が懐かしい。

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    2023年12月17日
  • 代替医療解剖

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    ネタバレ

    鍼やお灸、整体など普段の生活に溶け込んでいるものから、ホメオパシーなどのそれっぽいものにちぃて、科学的見地から見て、医療としての効果があるものなのかどうかという検証をまとめた本。

    とても面白かった。

    どれも薬効という面での効果はなく、プラシーボ効果がほとんどというのはある意味痛快でもある。

    まさに「病は気から」ということが証明されたとも言えるのではないかと思う。

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    2023年06月24日
  • 代替医療解剖

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    「代替医療解剖」という、なかなかおもしろい本を読みました。

    ここで言う「代替医療」とは、通常治療以外の民間治療のこと。その中でも特に、「鍼」「ホメオパシー」「カイロプラクティック」「ハーブ療法」に多くのページが割かれていました。

    原書はイギリスで2008年に出版されたもので、原題は「Trick or Treatment?」。なかなか洒落た題名ですよね。ハロウィンのときの子どもたちの言葉「Trick or Treat」をもじって、「トリックなの?治療なの?(ホントのところはどっち?)」ってことですよね。

    最初のページに書かれている言葉は、「チャールズ皇太子に捧ぐ」。
    最初は意味がわからなか

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    2021年05月19日
  • 代替医療解剖

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    ネタバレ

    原書名「Trick or Treatment?」とは、なんとも秀逸なタイトルだ。サイモン・シン氏の過去の著書と今回の内容を比較すると、方向性が異なるため落胆する人も少なくないだろうが、本書では彼のジャーナリストらしい一面を見ることが出来て、大変興味深く楽しめる1冊である。青木薫氏の翻訳も相変わらず読みやすく、特に文庫版訳者あとがきは必読だ。本書刊行後、シン氏は英国カイロプラクティック協会から名誉毀損で訴えられている。本来罰すべきはシン氏ではないだろうと疑問に思うところだが、これにより本書も注目され、代替医療の有効性と危険性について、より多くの人々に知ってもらえる機会になったのではないだろうか。

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    2020年09月01日
  • 代替医療解剖

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    それぞれの代替医療の成り立ち、理論が説明され、更に臨床試験の結果が示され、結論づけられる。非常に論理的で説得力のある内容だった。厳格な臨床試験(二重盲検法)等に関する解説も興味深い。プラセボ効果について詳述した第6章は必読。代替医療をめぐる現代社会への警鐘と提言に、著者の熱い思いを感じた。

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    2020年03月25日
  • 代替医療解剖

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    代替医療が本当に医療効果があり、費用と見合ったものなのかを、正しい臨床評価を基に検証したものです。正しい評価とは、「科学的根拠にもとづく医療」の事で、通常ランダム化臨床試験で得られた根拠の事です。

    医療の歴史を紐解きながら、医療の素人でもわかりやすく理解できるよう努められており、そこからも筆者達の誠実な姿勢を感じます。また歴史の部分は読み物としても優れており、楽しませてくれました。

    巷に溢れる代替医療のうち、その規模や浸透度の大きさから、下記の4つについて、多くのページが割かれています。
    ①鍼
    ②ホメオパシー
    ③カイロプラクティック
    ④ハーブ療法
    結論から言うと、プラセボ効果以上のものは殆

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    2020年02月22日
  • 代替医療解剖

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    ネタバレ

     本書は、「いいと思う」「効くと思う」「効くはずだ」といった主観的な判断だけで価値があるとされてきた代替医療にメスを当てて、通常医療と同じ土俵に載せた評価を整理した資料である。
     現在認められている通常医療は、もはや二重盲検という医者も患者も目隠しした上で行う臨床試験で効果を示した者のみが認められている。この臨床試験は、きびすぎるがゆえに高コストであることが問題になっているぐらいである。
     一方、それ以外のいわゆるヘルスケア(日本では医療という訳語は不適と思うのでヘルスケアとした)は、自主的な試験は行なっているが、科学的な評価を経ることなく、効能がうたわれている実態がある。
     そのため、およそ

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    2019年08月04日
  • 代替医療解剖

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    サイモン・シンさん。
    とにかく自分には絶対知りえることも触れることも考えることもなかったであろうテーマについて、本にしてくれて読ませてくれる。
    それだけで、読めるだけで、機会を得るだけで、何か嬉しくなってます。笑

    文中の、
    「二千四百年間にわたり、患者たちは、医者は自分のためになることをしてくれているものと信じていた。そのうち二千三百年間は患者たちは間違っていた」。言い換えると、人間の歴史のほとんどにおいて、大半の医療はほぼすべての病気について、効果のある治療ができなかったということだ。実際、かつての医者の大半は、私たちの先祖の病気を治すのではなく、むしろ害をなしていたのである。

    胸に残り

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    2019年03月07日
  • 代替医療解剖

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    代替医療というこれも逃れ難い誘惑を持つジャンルに切り込んだ本。
    思惑が絡み合う業界なので、自分が病に伏せる前にこういう本を読んでおかないと冷静な判断ができないでしょうね。
    鍼やカイロプラクティック、ホメオパシーなどを分析しているが、鍼についてプラセボ効果しかないことは、日本でここまで広まっているために受け入れ難いのでは(海外におけるホメオパシーと同じなのだろうか)。
    巻末にはサプリメントやデトックスといった、誰でもやってそうなことにも少し触れられている。
    代替医療に引っかかる心理まで解説されており、傑作です。しかし、著者のサイモンシンさんはこの本のせいでカイロプラクティック協会から訴えられてし

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    2018年08月21日
  • 代替医療解剖

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    ホメオパシーやカイロプラクティックなどの代替医療について、施術者が謳う効果があるかどうかを科学的に分析する。
    第1章でレモン果汁をとることで壊血病の発生率が劇的に改善された例等をあげて、「機能のメカニズムは不明でも対照実験を行い、統計的に有意な結果が出ればその治療方法は効果がある」を明確にした上で、メジャーどころの代替医療を分析。
    結論としてはほとんどの代替医療はプラセボ効果以上のものはない。だが、それが今や大きなマーケットになってしまっている現状とそれを手助けした「犯人」についての言及はきびしい。

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    2017年07月18日
  • 代替医療解剖

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    前作に比べて、代替医療に対する批判色が強い作品ではあったが、いつもながら読者を引き込む作りである。主流医学が幾つもの臨床試験を重ね、科学的根拠に基づいて発展してきたのに比べて、巷の多くの代替医療は、謳っている効能のほとんどが科学的根拠も乏しく、プラシーボ効果以上の効力を持たないことが臨床試験から既に明らかにされている。また、主流医学では、ある一つの治療法が特定の疾病・疾患にターゲットを絞っているのに対し、代替医療では、あれもこれもみんな効きますという万能性を謳っているものが多く、これらも冷静に考えれば、そんな都合のいい話はないと思えるだろう。こういった科学的リテラシーを養うには最適な1冊であっ

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    2015年01月02日
  • 代替医療解剖

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    学生実験や計測工学で学んだアプローチが、このような問題にも使われていたとは…。とはいえ、まっとうな研究者よりもマスコミや詐欺師の声の方が、一般人に数多く届くように世の中はできている。まずは疑問を持つことが唯一の防衛策なのかなぁ。

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    2014年11月03日
  • 代替医療解剖

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    代替医療って、何? タイトルはずばり「民間療法のトリック」とすべきだったと思うが。
    鍼(はり)、ホメオパシー(毒を超希釈して服用)、カイロプラクティック、ハーブ(漢方薬以外)の効果の検証の話。一部の限定的な効果を除けば、プラセボ効果、自然治癒でしかないとの結論。プラセボで良くなるならそれでもいいのでは、という考えに対しては、適切な医療を受ける機会を逸することの危険性を指摘。医療行為が長期間の検証を経るのに対し、代替医療は自身の成功体験のみでOKなわけで、しかもそれを盲信するだけに始末が悪い。
    翻訳者のあとがきにあるように、医療崩壊で医師は患者と十分に向き合えない。それに対して患者と十分に向き合

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    2014年10月16日
  • 代替医療解剖

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     様々な医療がある現代で、医療効果の厳密な評価の重要さを説いた一冊。コクランレビューの存在を知れただけで価値があったと思う。
     どの医療に対しても適切な認識プロセスを経るべきという著者の意見はとても納得できる。効果が有効と科学的に立証されたものが評価され、投資費用に見合った対価を受け取ることのできる社会であってほしい。
     医療だけでなく、健康効果を謳う商品についても、エビデンスの強固さがどの程度か判断できる基準を学びたいと思った。

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    2024年07月09日
  • 代替医療解剖

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    医療分野に格段興味があるわけではない私でも新しい知識、知らないことを知るのはいいものだと思わせてくれる本でした。
    結構ボリュームはありますが、読みやすいと思います。

    ライミーの話に始まり
    臨床試験がどれだけ画期的か
    「瀉血」とは何かすら知らない私からしたら
    全ての知識が新しく感じました。

    究極の問い、プラシーボ(プラセボ)効果を
    発揮する(そして実際症状が良くなる)のであればその効果のみでも薦めていいのではないかというところまで突き詰めてある所がよかったです。

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    2022年05月31日
  • 代替医療解剖

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    科学的思考の素朴な重要性を改めて突きつけてくる。自然科学の高等教育を受けて、分かっているつもりでも、ふとした瞬間に非科学的な思考に陥ってしまう。ことが健康に及ぶと尚更である。漠然と「そうかもしれない」と思っていた具体的言説についてもバッサリ目を覚まさせてくれる。
    カール・ポパーの「客観的知識」にくどくどと分かりにくく書いてあった科学の在り方について、具体例を交えて非常に分かりやすく理解することができる書とも言えないだろうか

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    2021年09月26日
  • 代替医療解剖

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    鍼、カイロプラクティック、吸い玉療法、磁気療法…様々な代替医療に科学的な根拠がほぼ無いのには驚いた。聞いたこともない療法もあり動画で確認した。健康なときに読んでおいて良かった。

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    2021年05月30日
  • 代替医療解剖

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    ホメオパシーを信頼する気になる人が少なくない事が不思議
    googleって手遅れにならない程度に医者に行くべきか

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    2020年07月29日
  • 代替医療解剖

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    サイエンスノンフィクションの大御所サイモン・シン氏が今回取り上げるテーマは「代替医療」。通常医療と比べて代替医療は効果があるのか、皆が抱く疑問を科学的アプローチで検証・解明する。鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法をメインとし付録として51の代替医療が取り上げられている。

    代替医療に治癒効果があるか否かは本文を読んでいただくとして、通常医療(すなわち西洋医学)への不信感が代替医療(東洋医学もある)の活況を許している側面がある。近代まで行われていた瀉血は何故効果が有ると言えるのか何故効果が無いと言えるのかの代表例であろう。そうした点から一定勢力かつ既成権力にありつつある代替医療を

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    2020年06月28日