田中直のレビュー一覧

  • 戦争記念碑は物語る:第二次世界大戦の記憶に囚われて

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    毎年8月にはこんな本が読みたくなる。戦争に関するさまざまな記念碑についての取材、解説本。英雄を讃えるもの、被害者を悼むもの、事実を忘れないように刻むもの。直接的に表現されているもの、間接的なもの。普段忘れられているが、有事の際に注目されるもの、など。本書でも指摘されているが、過去に英雄として讃えられたものが、社会価値の変化で引き倒されたり海に捨てられたりする。また、時の指導者の都合で解釈を変えられたりもする。記念碑をめぐる議論について、知識をつけ、ちゃんと自分の頭で考えたい。

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    2022年08月30日
  • 適正技術と代替社会 インドネシアでの実践から

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    先進国の技術転換とともに、途上国の状況に適した〈適正技術〉が必要であることを、インドネシアにおける排水処理やバイオマスエネルギー開発の実践をふまえて、今後の望ましい技術のあり方と、それを含む代替社会の方向性を探っている。著者のすごいところは、石油会社に勤務しながら、自分の時間でNGOの活動を始めているところ。相当苦労されている。また、すごいのは、見田宗介をはじめとした社会学者が集まるCCCT研究会で本書のテーマを検討され、本書についてコメントももらっているとのこと。本書の中でも「現代社会の理論」のココアパフの話が引き合いに出されていた。(懐かしい。。。)それはいいとして、どんだけ格好いいサラリ

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    2021年08月08日
  • 適正技術と代替社会 インドネシアでの実践から

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    石油会社で生成部門などの仕事をしながら、NPO法人でインドネシアでの技術提供に尽力してきた筆者がその体験から、それぞれの社会状況に応じた「あるべき技術」と、持続可能な消費社会の姿を提言する。

    「途上国」と言われているインドネシアの人々の生活ぶり、特に「自分で作れるものは自分でなるべく作る」様子に触れることで、先進国の人々が失ったものを再認識させられる。ひとたびインフラが止まれば生活全般がストップしてしまう世の中と、不便(本人達はそう思ってない)な中でもある程度自分達でなんとかできてしまう国を比較し、豊かさの尺度の違いを思う。

    SDGs流行りだが、単なるブームや「意識高い」だけの取り組みとは

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    2023年01月13日
  • 適正技術と代替社会 インドネシアでの実践から

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    インドネシアでの実践を例に、途上国での適正技術、あるいは先進国での代替エネルギーなどを論じている。個人的には、研究や専攻の関係から、第4章が琴線に触れる部分が多かった。

    ①「適正技術を考える」(p38)

    現在世界を悩ます社会問題の多くは、先進国の達成してきた発展の仕方がもたらしてきた。そして、その発展を支えてきたのが先進国の近代科学技術である。そのため、先進国を後追いする形で途上国を引き上げようとする従来の発想でいると、途上国も同じような問題を抱えることになる。
    新たな発展の在り方として、技術やエネルギーを考えていくべきである。

    ②適正技術≒中間技術(第1章 インドネシアと日本の落差から

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    2013年01月04日
  • 適正技術と代替社会 インドネシアでの実践から

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    田中氏の取り組みがベースの報告で、説得力もあるし、教条主義的でない点に好感がもてると思う。
    ただなあ、それこそ80年代に適正技術が言われ出して以降、それが社会全体に取り入れられていけるのか、となると別問題だろう。

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    2012年11月13日
  • 適正技術と代替社会 インドネシアでの実践から

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    先進国と途上国との間に横たわる埋めがたい技術格差。今、求められているのは、先進国の技術を途上国にそのまま移転するというものではなく、近代技術の反省を十分に踏まえた途上国それぞれの条件に応じた開発。著者はインドネシアにおいて嚇々たる実績を残しており、まさに論より証拠を実践している。非西欧社会でありながら高度な科学技術を有する日本の貢献のあり方を問いかける貴重な一冊。

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    2013年01月21日
  • 適正技術と代替社会 インドネシアでの実践から

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    自分にとっては新しい概念「適正技術」と「代替社会」についてよくわかった。
    先進国と後進国という概念がそもそも間違った見方、見誤った将来のあり方を示唆しているともいえる。
    単純に後進国には適正技術をというのではなく、先進国といわれる国々の今後のあり方などが根本的に問われている。

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    2012年09月22日