田中直のレビュー一覧

  • 戦争記念碑は物語る:第二次世界大戦の記憶に囚われて
    毎年8月にはこんな本が読みたくなる。戦争に関するさまざまな記念碑についての取材、解説本。英雄を讃えるもの、被害者を悼むもの、事実を忘れないように刻むもの。直接的に表現されているもの、間接的なもの。普段忘れられているが、有事の際に注目されるもの、など。本書でも指摘されているが、過去に英雄として讃えられ...続きを読む
  • 適正技術と代替社会 インドネシアでの実践から
    先進国の技術転換とともに、途上国の状況に適した〈適正技術〉が必要であることを、インドネシアにおける排水処理やバイオマスエネルギー開発の実践をふまえて、今後の望ましい技術のあり方と、それを含む代替社会の方向性を探っている。著者のすごいところは、石油会社に勤務しながら、自分の時間でNGOの活動を始めてい...続きを読む
  • 適正技術と代替社会 インドネシアでの実践から
    石油会社で生成部門などの仕事をしながら、NPO法人でインドネシアでの技術提供に尽力してきた筆者がその体験から、それぞれの社会状況に応じた「あるべき技術」と、持続可能な消費社会の姿を提言する。

    「途上国」と言われているインドネシアの人々の生活ぶり、特に「自分で作れるものは自分でなるべく作る」様子に触...続きを読む
  • 適正技術と代替社会 インドネシアでの実践から
    インドネシアでの実践を例に、途上国での適正技術、あるいは先進国での代替エネルギーなどを論じている。個人的には、研究や専攻の関係から、第4章が琴線に触れる部分が多かった。

    ①「適正技術を考える」(p38)

    現在世界を悩ます社会問題の多くは、先進国の達成してきた発展の仕方がもたらしてきた。そして、そ...続きを読む
  • 適正技術と代替社会 インドネシアでの実践から
    田中氏の取り組みがベースの報告で、説得力もあるし、教条主義的でない点に好感がもてると思う。
    ただなあ、それこそ80年代に適正技術が言われ出して以降、それが社会全体に取り入れられていけるのか、となると別問題だろう。
  • 適正技術と代替社会 インドネシアでの実践から
    先進国と途上国との間に横たわる埋めがたい技術格差。今、求められているのは、先進国の技術を途上国にそのまま移転するというものではなく、近代技術の反省を十分に踏まえた途上国それぞれの条件に応じた開発。著者はインドネシアにおいて嚇々たる実績を残しており、まさに論より証拠を実践している。非西欧社会でありなが...続きを読む
  • 適正技術と代替社会 インドネシアでの実践から
    シューマッハの「スモール・イズ・ビューティフル」は学生時代にこれをメインにした講義があって、本も読んだから懐かしい。本書でもシューマッハのことが取り上げられている。
    筆者のインドネシアでの実践をもとに、適正技術とは何か、先進国と途上国とは何かといったテーマが論じられている。
    しかし幸福って何だろうな...続きを読む
  • 適正技術と代替社会 インドネシアでの実践から
    自分にとっては新しい概念「適正技術」と「代替社会」についてよくわかった。
    先進国と後進国という概念がそもそも間違った見方、見誤った将来のあり方を示唆しているともいえる。
    単純に後進国には適正技術をというのではなく、先進国といわれる国々の今後のあり方などが根本的に問われている。