吉野美恵子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジェイムズ・エルロイによる暗黒のLA4部作の第1弾
1948年ロサンゼルス市街の空き地に捨てられた22歳の女性”エリザベス・ショート”通称ブラックダリアの惨殺死体が発見される
この小説はダリア事件に関わる、ロスという街に巣食う警察、ハリウッド、司法、行政、ギャングを巻き込む謀略と狂気の物語となってます
文体も以前に読んだホワイトジャズのように電文体と呼ばれる必要最小限に説明を省く表現形態では無く、まだ読みやすいかと
導入の部分から物語後半まで通して続く違和感が終盤に差し込むあたりで物凄い勢いで補完された複線としてスパスパ解かれていき、エンディングまで一気に読み手を引きずり回します
この序盤の違 -
Posted by ブクログ
1947年のLAで22歳女性の惨殺死体が発見された。胴体が真っ二つだったり、口が耳まで引き裂かれてたりとむちゃくちゃされていたそうな。そのブラックダリア事件の設定をほぼそのまま持ってきて、チクリ屋&元ボクサー刑事を語り手にして、エルロイが独自の小説にしてしまったやつ。ってか、僕が知らないだけで昔話題になってたんですよねきっと。僕は映画あんまり見ないのでよく知りませんが、LAコンフィデンシャルのシリーズです。まずこういう警察小説をあまり読んだことなかったので、直後の感想は・・・うーんどうしよう、という感じだったんですが、しばらく経っても結構残ってます。主人公に嫌な役を負わせているところなのかしら
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Posted by ブクログ
1947年、一人の女性の凄惨な遺体が見つかる。漆黒の髪に黒いドレスを着ていた彼女にちなみ事件は「ブラック・ダリア事件」と呼ばれるようになった。実在の事件を基に事件に関わる人間たちの暗い情念を描いたミステリー。
書き込みが凄いなあ、という印象を受けました。その分どうしてもテンポがいまひとつだったり、話の本筋や事件の経過が分かりにくかったり、ということはあるのですが、それでもこの書き込みから浮かび上がってくる登場人物たちや組織の闇の部分、それを描き切ろうとする作者の情念というものが伝わってきました。個人的には高村薫さんの『マークスの山』と似たような雰囲気かなあ、と思います。
普通なら事件