村上豊のレビュー一覧

  • 青葉の笛

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    絵本とばかにすることなかれ。
    読んで良かったと思わせてくれた。

    文は、数々の賞を受賞されている、あまんきみこさん。
    よどむことのない流れるような文章は、絵とシンクロナイズし、ほんの十数分で読めるものだが、これ以上の説明はいらないどころか、余韻も残してくれる。

    村上豊さんの絵も素敵。この方もいろんな賞を取られている。特に表紙の平敦盛を描く絵は、彼の結末を知るに、余計に心が騒ぐ。

    「みやびな若武者の美しくも悲しい物語」と解説にあるように、源平の「一の谷の合戦」で敗れ敗走する平家にあって、舟に乗り遅れた僅か16歳の平敦盛(平清盛の腹違いの弟)が、同じ年頃の息子を持つ義経配下の武将熊谷直実に討た

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    2024年04月22日
  • 東海道中膝栗毛 21世紀によむ日本の古典

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    ずっと読みたいと思ってた現代語訳。原文だと面白さが伝わりませんでしたが、今回は文章が平易で読みやすかったです。特に五右衛門風呂と弥次さんが産婦に間違えられるエピソードが面白かった。

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    2023年07月03日
  • 青葉の笛

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    源平の戦の前夜に、平家側から美しい笛の音が聞こえてきたそうです。笛の名手だった若い平家の武将、平敦盛が源氏方の武将に討たれる話ですが、実話なのだそうです。敦盛を討った武将は、のちに出家することになります。どのような笛の音だったのか、出家した武将はどのような気持ちだったのか・・・子供向けの絵本ですが、平家物語の哀しい一場面が笛を通して垣間見えるようで、こういう絵本も心に響くなぁと思います。

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    2019年01月17日
  • 天狗童子

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    佐藤さとる氏の新作が出版されたというのは聞いていたのだが、文庫本になったのを発見して購入。ジャンルは児童書、らしいが、40年位前の子供ならともかく、現代っ子は最後まで付き合えるか、要らぬ心配をしてしまった。

    物語的には、与平が九郎丸を人に戻そうと大天狗に直訴するくだりをクライマックスにしてもよかったかなと思う。九郎丸の出生が明かされるまでは、佐藤さとるらしいファンタジーで、一気に読ませるが、そこからは、それまでのキーアイテムだったカラス蓑や笛、といった小道具が活躍せずに、現実世界の話が進む歴史小説風になって、盛り上がりに欠けた気もする。

    ただ、人物(と、天狗)描写はぴか一で、それぞれの人物

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    2013年06月24日
  • 青葉の笛

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    童謡、青葉の笛を絵本にしたものです。

    青葉の笛という歌が大好きなので、この本を見たとき、ためらわずに買いました。

    それにしても、こんないい歌、今も音楽の教科書に載せてもいいと思うのに・・・。

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    2012年11月14日
  • 東海道中膝栗毛 21世紀によむ日本の古典

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     始めて読んだので他の訳との比較はできないんですが、子供向けの現代語訳で、文字は大きいし脚注も見やすいので大人が読んでも読みやすいです。
     解説も小難しいこと抜きに、当時の人々が『東海道中膝栗毛』をどんな気持ちで読んでいたのかがわかって個人的には好感度高いです。

     それにしても、江戸時代のベストセラーですか!たしかに面白い!実際に行ったことのある場所だと尚更面白いんでしょうね。私は品川~小田原辺りまでしか行ったことがないので、前半の方がやっぱり面白かったです。

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    2012年10月12日
  • 青葉学園物語 さよならは半分だけ

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    遠い昔読書感想文を書いた一冊。
    終戦直後(たぶん)のストーリーで、
    親はいなくてもたくましく、したたかに生きる子供たちを面白く、時にはシリアスに書いてます。
    もし今の子供たちが彼らと同じ境遇に置かれたら……?といつも思ってしまいます。

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    2009年10月04日
  • 青葉学園物語 さよならは半分だけ

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    自分が子どもの頃読んで、心に残ってる本。戦後、親を亡くした子ども達が、物はないけれど毎日楽しく、のびのびと生活していた様子が描かれています。今の子ども達にしてみれば、かえって羨ましい話かも?!

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    2009年10月04日
  • 青葉の笛

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    歴史が好きだ、古典の文章を読んでみたい、という嬉しいことを言ってくれた中学生の男の子からおすすめされた絵本。小さいときから、家に置いてあったそうで、何度も読んで大好きな絵本だそうだ。

    内容は、源平合戦。源氏方の熊谷次郎直実が、海へ逃れようとした平敦盛の首を取る場面だ。『平家物語』の巻九「敦盛最期」のエピソードに寄ったものだそうだが、敦盛の首を取った後の直実のセリフなどを見ると、作者の解釈によって、原作以上に子を持つ親である直実像が浮き立っている。

    ー戦いとは、なにか。
    ー人をころすことが、てがらなのか。
    ー一番のりは、てがらなのか。
    ー武士とは、いったい なんなのか

    当時の武士に、こうし

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    2024年01月27日
  • 陰陽師 鼻の上人

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    人の世界と神々の世界。これってメタ・バース?
    神仏の世界も喜怒哀楽あって、なかなかたいへんそうだ。

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    2023年07月07日
  • 陰陽師 鼻の上人

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     陰陽師100本目ということで、4作目の絵物語です。
     絵を担当されていた村上豊さんが昨年ご逝去されたということで、自作は別の方が担当されるのか、もしくは絵物語はこれが最後になってしまうのか、ですね。
     晴明と博雅の相変わらずの空気感に癒されながら、一足早く桜の季節を味わいました。
     このシリーズに流れる情緒溢れる雰囲気がやっぱり好きです。

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    2023年01月08日
  • きつねとたぬきのばけくらべ ~【デジタル復刻】語りつぐ名作絵本~

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    日本を代表する、人間を騙す動物。
    きつねとたぬきがばけくらべをすることになりました。
    さて、どちらが勝つかな?
    という昔話。落語ばなし。

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    2018年01月16日
  • 天狗童子

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    山番の与作がカラス天狗から笛を教えて欲しいと子供のカラス天狗 九郎丸を預かるが、九郎丸を思う与作の行動が、九郎丸と与作に大きな時代の波を引き寄せてしまう。

    時代背景は16世紀初頭戦国時代の関東が舞台
    当時三浦半島に拠った三浦一族の行く末について、天狗をからませて描いた小説で歴史小説ともいえる。

    与作のキャラクタは、純朴な民の代表で、人として真っ直ぐに行動するところがすばらしい。

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    2012年08月04日
  • 天狗童子

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    ちょうど一緒に『陰陽師』を購入したので、二冊並べておくと妙な類似感。おなじ村上豊の挿絵だからね。天狗の里の詳しい描写とか、お家争いの内実とか、クールな筆致で話がすすんでいくのが、近ごろの過剰な描写に慣れている身には新鮮。ラスト、九郎丸が元服してからがアッサリで、ちょいと物足りなかったかな。

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    2012年08月04日
  • 天狗童子

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    ネタバレ

    『だれも知らない小さな国』シリーズで知られた、佐藤さとるさんの日本の戦国時代を舞台にしたファンタジー。
    与平じいさまのところに、大天狗がよこした子どもの天狗・九郎丸が住みつき、笛を教えることに。天狗の蓑がなければ、人間にもどれる九郎丸。与平は蓑を焼こうとして、失敗。大天狗に直訴して、自分の命と引き換えても、九郎丸を人間にして欲しいと言うが…。
    わくわくする面白さでした。
    のちに、九郎丸の生い立ちがわかり、武将の落としだねと知るが、第十一章から終章が駆け足に感じて、そこまでの、ワクワク感がスパッと切られて余韻に浸れなかったので、個人的に寂しい思いがしました。
    しかし、物語は面白いです。

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    2012年07月30日
  • 青葉学園物語 翔ぶんだったら、いま!

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    青葉学園の夏休みが終わり、秋が来ました。のぞきをした兄ちゃんにそれと知らず口止めおやつをもらったり、二千円猫ババして町に遊びに行ったり、悪ガキたちは怒り笑い色々考えて、また少し成長します。原爆により子も孫も失った老夫婦の悲しい言葉をしっかり噛み締めて、同じく原爆で亡くなったそれぞれのおとうさんおかあさんを思い出し、周りの人をいとおしく思える。翔ぶんだったら今。泣けました。

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    2012年03月30日
  • 青葉学園物語 さよならは半分だけ

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    「少年時代」や「夏休み」が追いかけていた麦わら帽子や田んぼのカエルのいた夏。児童施設「青葉学園」の夏休み、新しく姉と弟が入ってきた。二人は仲良く学園に溶け込んでいく。魚とりや桃とり、クズ鉄を拾って売りに行ったりいたずらしたり…。おもちゃも何もなくても、目いっぱい笑い、目いっぱい怒り、泣きます。そしてラストに姉と弟に哀しい別れが。「さよならは半分だけ」のタイトルにまた泣ける。子どもの頃か読まないまま終わってしまったシリーズです。

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    2012年02月05日
  • 青葉の笛

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    熊谷次郎直実が一の谷の戦いで平敦盛を討ったときの物語。無冠の太夫敦盛はその時17歳だったとか。名を”小枝”(さえだ)と言う笛を通して、二人の人生を印象深く表しています。読んでおきたい一冊。
    小学校の国語教科書(光村)に紹介されています。

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    2011年08月10日
  • 陰陽師 鼻の上人

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    絵物語に適した題材、陰陽師らしい筋立て。そして、陰陽師の時代の雰囲気を感じさせる挿し絵。 挿し絵画家追悼の百冊目。

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    2023年01月22日
  • 陰陽師 鼻の上人

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    村上さんも随分長いこと、陰陽師の挿絵を描かれてるなぁと本を手に取って思っていたら、昨年亡くなられていたとは。
    この飄々とした感じのイラストはもう見られないのか、と思うととても残念です。

    それにしても鼻にそんなに異物が混入してたら大変だったろうな、和尚さん。毎回踏むほうも大変だ。

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    2023年01月19日