宇都宮浄人のレビュー一覧

  • 持続可能な交通まちづくり ――欧州の実践に学ぶ

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     自分の地元においても、公共交通の存続が話題に上ることが多い。今までは、採算がとれないのならば仕方がないという気持ちでいたが、本書を読んでからは、(車等の移動手段を持たない)交通弱者を切り捨てることになるだけでなく、地元の魅力を呼び込む吸引力さえも閉ざすことにつながり、消費が落ち込み、ついには自治体や街の総合的な力を落としてしまうことだと気付くことができた。
     交通政策は、持続可能な社会のなかで総合的にとらえられるべき一つの課題であるが、本書では著者の欧州での実生活を踏まえた知見や、「持続不可能性」といった、ありそうでなかった視点で語り広げられる課題の見方が大変面白いと感じた。
     公共交通の政

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    2025年05月31日
  • 持続可能な交通まちづくり ――欧州の実践に学ぶ

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    出羽守(でわのかみ)という言葉を聞いたことがあるだろうか?海外ではこう、よそではこうと、やたらと外部の情報や先例を引き合いに出す人を揶揄する言葉である。本書は、都市づくり、とりわけ地方都市の維持という観点でまさしく出羽守の様な書であるが、車社会が過度に進行し衰退が著しい日本の地方都市と、賑わいを見せる欧州の地方都市の違いを客観的に比較し、日本の未来のあり方を提起する良書である。高齢化や過疎化に伴い、日本の地方都市における公共交通は財務的に極めて厳しい状況に置かれている。民から官へ適度に移行しつつバランスを取っていくことに加え、LRTを活用し人々の動線を作り、交通という観点だけでなく街全体の経済

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    2024年10月20日
  • 地域公共交通の統合的政策―日欧比較からみえる新時代

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    日本の地域公共交通における課題と進むべき道を、欧州との比較から詳らかにしていこうというアプローチ。

    地域公共交通が苦境を強いられているという点については論をまたないだろう。いわゆる「両備の乱」は記憶に新しい。
    欧州の「公的資金を注入しながら、サービス品質の向上は損なわないようにする」というバランス感覚は理想的でありながらも、実現は難しいだろうなという印象をもつ。

    筆者が結びで言及しているように、ここで提言されている在り方への転換は容易ではない。少なくとも「市場原理」の名のもとにボトムアップに委ねた政策しかないのであれば、質的転換など午睡の夢だ。
    しかし、同じく終章で語られる「筆者は悲観して

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    2020年11月10日
  • 路面電車ルネッサンス

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    路面電車は古臭いというイメージがありましたが、そんな偏見が払拭され、合理的な交通機関なのだというのがよく分かりました。東京に路面電車が復活して欲しいと思います。

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    2010年09月11日
  • 持続可能な交通まちづくり ――欧州の実践に学ぶ

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    2025年 18冊目
    持続可能な交通まちづくりとは何か、そのまちづくりを実現するためにはどういうアプローチが必要か、欧州の事例も活用しながら述べられている。交通インフラ関係の仕事に携わる人(特に行政関係者)は参考になると思う。

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    2025年11月24日
  • 鉄道復権―自動車社会からの「大逆流」―

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    日本も国をあげて鉄道の復権を考えても良いのではないかと強く思わされ、私もそれを願ってます。日本でも上下分離を!

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    2018年10月09日
  • 地域再生の戦略 ――「交通まちづくり」というアプローチ

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    ネタバレ

    住民運動が現状の不満をぶつけ要求を繰り返すだけ、サイレントマジョリティは中長期の視野を持たない、と。それを召し上げてきたのが役人ではないのか。路面電車の話は面白いし役に立つが。

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    2017年07月19日
  • 地域再生の戦略 ――「交通まちづくり」というアプローチ

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    交通だけで地域が変わるということはないと思うが、地域を担う1つのツールではあると思う。
    どこまで、公的なお金を出すべきかは、今後の課題になってくると思う。

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    2015年07月30日
  • 鉄道復権―自動車社会からの「大逆流」―

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    日本の鉄道の歴史、ヨーロッパの鉄道の変遷、さらに日本のローカルな路線の復活の経緯などなど.盛り沢山な内容に圧倒された.後半に述べられている数々の提案の中で、「信用乗車方式」が良い.ドイツの列車に乗ったことがあるが、改札口はない.各自行先までの切符を買って乗車する.不正乗車が発覚すると高額の罰金を取られる由.日本人が正直に切符を買うかどうか、どこかで実践してみたら面白い.

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    2015年04月28日
  • 鉄道復権―自動車社会からの「大逆流」―

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    藻谷さんの本からの繋がりで読んでみました。鉄道は斜陽とばかり思っていながらも、富山市に住んでいて鉄道が好きな自分が居ました。今の潮流が分かり何となくスッキリとしました。

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    2014年11月04日
  • 地域再生の戦略 ――「交通まちづくり」というアプローチ

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    ・公共交通機関を統合的に評価する場合の維持すべき交通網の最低ラインはどこに引くのか
    ・地方部や過疎地の交通を維持する費用はそれらの地域だけで賄えるのか
    → 交通を含めた生活のあり方は地方に考えて頂くべきであり、その財源は、地方部や過疎地の役割を多面的に加味した上で移譲する必要あり

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    2023年03月05日
  • 地域再生の戦略 ――「交通まちづくり」というアプローチ

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    交通政策の事例として富山、宇都宮、新潟、四日市などを紹介。利用者増や効果の話はあるが、自主運営はできていないよう。
    交通を福祉と捉える動きが交通基本法の成立も含めて進むかもしれない。

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    2017年01月17日
  • 路面電車ルネッサンス

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    2012.10.01 路面電車と都市計画の関係がよくわかったな。時代が路面電車の復活を要求している。

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    2012年10月05日
  • 鉄道復権―自動車社会からの「大逆流」―

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     宇都宮さんは、日銀マンから関西大学にうつられた方。

     たぶん、鉄道が好きでいろいろ勉強されているのだろう。

     特に、ヨーロッパでのユーロスターやTGVやドイツの新幹線の動き、あるいは、LRTの動きをよく紹介している。

     しかし、日本では、このような幹線の鉄道が廃線しているというよりも、すでに収益力が悪いえだ線、JRが手放した三セク鉄道、あとは採算性の低い名鉄の路面電車などが、急激に廃線になっている。

     ちょっと、この日本の状況を踏まえると、今の廃線の動きが逆転するとは思えない。

    (1)道路といわれるイコールフッティングの議論は、道路の損傷を理由としてはらっていた道路財源がすべて一般

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    2012年03月24日
  • 路面電車ルネッサンス

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    路面電車の有用性と可能性について。
    恥ずかしながら生まれてこのかた路面電車には乗ったことがないのですが、路面電車に乗りたくなるような一冊でした。

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    2011年07月29日