松本キックのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私は、松本ハウスのことはあまり知らない。
統合失調症のことも、あまり知らない。
今回、この本を読めてよかったと思う。
母親の気持ちも、加賀谷さんの気持ちも、どれもわかる。
うまくかみ合わない。
理解しあえない。
本音が言えない。
そんなずれが、どんどん広がり、深くなっていく。
昔の私なら、「親が悪い」と切って捨てていたが、不完全な自分を痛感し、人の親となっている今の私には、彼らの弱さを頭ごなしに批判することは出来ない。
それとともに、ここに書かれていない感情や出来事の存在も感じる。
ここに書かれていることは、かなりソフトで善良な部分が大半で、もっと黒くてどろどろした感情も存在していたのだろう -
Posted by ブクログ
幼少期、発病、売れっ子芸人時代から廃業、復活までの闘病記、半生記
まず、吾妻ひでおの「失踪日記」によく似ていると思った。
同じ、専門職(マンガ家、お笑い芸人)の精神疾患の発症、隔離病棟を含めた闘病エピソードが半生記と一緒に盛り込まれている構成だ。
本書は、共同著者である相方の松本キックの構成が落ちついた書きっぷりで、周囲の人々の愛情がより強調されているようだ。
母親の描写が、冒頭の教育ママから終盤の愛情を込めて息子を見守る母とまるで別人のように変わっているなあ。
絶頂期の転落の原因は、多忙(電波少年はやりすぎ)、自己判断の服用調整に尽きる。
復活準備期にバイト時代に妙に職場があたたかかっ -
Posted by ブクログ
芸人で統合失調症のハウス加賀谷さんの本。
芸人としての活動休止から復活までの話だけでなく、その前の子供時代に統合失調症の症状が出たところから書かれている。
芸人さんということを知らず統合失調症の理解のための一冊として読んだが、体験者が実際に感じた感覚を軽めに伝えてくれるので入口の一つとして良い一冊と思う。実際はここで語られるようなものよりもっともっとしんどかったろうことは想像に難くないけれど、つらさアピールではない形で統合失調症を知ってもらおうとする姿勢に心打たれる。さすが芸人さん!
この本を読んでからネタを拝見したけれど、統合失調症と付き合いながら芸人をやっていたこと、闘病期間を経て復 -
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Posted by ブクログ
「松本ハウス」の加賀谷さんが精神疾患にかかっていることは割と最近知ったんですが(コンビ復活のニュースで、だったかな?)、あの落ち着きのなさ、テンションの高さは芸風だと思っていたのでびっくりしました(もちろん、キャラとして演じていた部分もあると思いますが)。
芸人としての全盛期(ボキャブラ天国のあたり)も、裏では大変なことになっていたんだなぁ。そしてその後も。病気は色々なものを奪っていきますね・・・。
でも、加賀谷さんは諦めなかった。浮いたり沈んだりしながらももがき続け、ついに芸人として復帰するところまできた。これは本当にすごいことだと思います。
それから、キックさんも。壊れてしまった相方を何 -
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Posted by ブクログ
ありのままに生きることはむつかしいし、そもそも『ありのまま』を決めることも出来ないままここまでやって来ましたが、ハウス加賀谷さんを知らないので普通のホンとして読みました。生きやすく生きようとして自分を追い詰めていくというのが理解できなくって、でもそういう人がいるというのはわかりました。回りの雰囲気は自分に影響を与えるモノで、良い子でありたいというのもわかります。そこそこの優等生的こどもになってましたので・・・一言で打ちのめされたのですが、そこで回りと折り合いを付けてしまったんですよね。そんな風に自分を守るある一線は誰にでも備わっていると思っていました。だってこの世に生まれてきたんですから・・・
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