木村衣有子のレビュー一覧
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文学は『不健康』、落語は『スカタン(粗忽)』と相性が良い。
中でも純文学は、出自・不遇・無学・犯罪・薬物…を赤裸々に綴る私小説というジャンルが確立されており、明治の田山花袋から令和の西村賢太までその松明は絶やすことなく受け継がれている。
書き手自身の経験だけに、そら克明に、時に酸鼻極まりないシーンもありありと書け、少々文章に粗さがあろうが、荒々しい文体と好意的に解釈され、『個性』という融通無碍の言葉に併呑され、ダンマリを決め込むしかない。
無頼派作家 町田康は『面白い文章を書く秘伝は、本当のことを書くこと』と喝破。自著『しらふで生きる』では、30年間名うての酒飲みとして鳴らすも、2015 -
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著者は、猫が好きな自分が好きという人がひどく嫌いらしい。
猫がかわいくてたまらなくて、メロメロになっている人もあまり好きではないようだ。
だから、選ばれている本も、猫に対する眼差しがクールなものが多い。
そして古い本が多いからか猫の飼い方が現在と違い、放し飼いや私からするといい加減で適当に思えることが多くて、猫に対する考え方も昔と今とで随分変わったものだと思った。
著者はそういう、現代の室内に閉じ込めて甘々に甘やかして猫っ可愛がりすることが嫌なのだろう。
正直私は猫が好きで、猫を好きな自分も好きだ。
猫が好きという部分も含めて自分だからだ。自分を好きだから本当は猫のことは見ていないと、どう -
Posted by ブクログ
ネタバレ表紙がかわいい☆
しかし本の表紙が中身より大きいのは
読んでいる時に手が疲れる。親指の負担が大きい。
たくさんの猫の本が紹介されていて嬉しい♪
批判的な文章は苦手。
・読みたくなった本リスト
富士日記 武田百合子
ひげよ、さらば 上野瞭
ねこに未来はない 長田弘
猫の結婚式/遠い野ばらの村 安房直子
白猫/猫のいる日々 大仏次郎
ふたつボン/あじの目だま 幸田文
のらねこ 三木卓
なんといったって猫 ドリス
小さな貴婦人 吉行理恵
のら猫トラトラ 鴨居羊子
愛別外猫雑記 生野頼子
「猫に自分の魂の分魂が宿るからその宿った分魂と一緒に猫が消える。つまり自分の魂の生きる力の半分がなく -
Posted by ブクログ
書評、或いはブックガイドとしてはいささか難あり。
なぜなら、引用が多めであることと、あまりにも、猫や、これら猫の本に愛情があり過ぎて、微に入り細に入り紹介してしまっていることで、元の本を読んだような気になってしまうから。
読み込んでいることはわかるのだけれど、もう少し距離があったほうが、読者は、この本だけでなく、これに導かれて元の本を読みたいと思うのではないだろうか。
猫本への愛がたっぷり過ぎる。
文体の古風さも、ちょっと、必要以上かな、という感じはある。
長田弘「ねこに未来はない」、大島弓子「綿の星国」、町田康「猫にかまけて」、庄司薫「ぼくが猫語を話せるわけ」、内田百閒「ノラや」などの