中津文彦のレビュー一覧

  • 天明の密偵 小説・菅江真澄
    “小説”としての面白さに、「意外に知らない江戸時代の北海道」が活写されている興味深さが加わっている。「瑞々しい若さを持っているでもない年代に差し掛かった白井秀雄が、“志”を模索して、文字どおりに“模索の旅”をする」という様だ。何か、「飽くまでも“人生”は“投げて”はいけない…」と静かに、同時に力強く...続きを読む
  • 義経不死伝説
    NHK大河ドラマ「平清盛」でも登場してきた源義経。

    一ノ谷・屋島・壇ノ浦と連勝し、平家を滅亡に追い込んだ立役者ながら、兄・頼朝との確執から奥州藤原氏の平泉に落ち、そこで自害に追い込まれた「悲劇の英雄」として語り継がれています。

    でも、『吾妻鏡』をはじめとする史料には、本当にそこで死んだのか、疑わ...続きを読む
  • 最後の御大将 平重衡 義経が最も恐れた男
    平家、特に重衡贔屓の私にとっては最高の一冊。まさか彼を主役にした小説があるとは思いませんでした。
    史実や著者の見解を交えた文章は、歴史物に有りがちな古風な読みにくさを感じさせず、一気に読み終えられました。
  • 歴史に消された「18人のミステリー」
     「歴史に消された」というタイトルはそぐわないのではないか。俎上に上がった18人のうち、半数は大河ドラマの主役になっている。
     三野村利左衛門を採り上げてくれたのは、『青天を衝け』でイッセー尾形が怪演していたところだから有難い。
     伊達政宗、藤田東湖、河田小龍の章は勉強になった。
     ひとつ疑問がある...続きを読む
  • 秘刀
    直刀から湾刀へ。この一戦が源氏を武家の棟梁へと押し上げた。面白い切り口だ。大和の直刀が奥州の安部氏の湾刀に勝つことが出来ずに朝廷の威信は無いものとなっている状態の奥州へ源氏の若殿源義家が若き刀工に秘密を探らせる。

    この時代の作品をほとんど読んだことがなく…いや記憶にないということはこの時代の作品に...続きを読む
  • 義経の征旗(上)
     地元では、今を盛んと田植えが行われている。 
     仕事で車を走らせながら、黙々と農作業をする姿を見ながら考えた。
     彼らの強さを。人に使われる会社員との違いを。


     ビジネスマンとして、日ごろからそのスキルを上げること、社内での立ち位置を確保すること、そんなことに腐心している自分。上司が変わればそ...続きを読む
  • 闇の龍馬
    幕末史を追いかけるのに精いっぱいだった(笑)。あの人が竜馬暗殺ってよくあるネタだと思ったけれど、違うんかな。

    土佐は確かに主導権握り損ねているよね。明治政府は薩長体制だから。やっぱり龍馬がいなかったのが痛手だったのかなぁ。
  • 闇の本能寺~信長殺し、光秀にあらず~
    元がミステリ作家だからか通常の歴史小説より読みやすかった。途中時間軸が前後するので「ん?」とひっかかる部分はあったけれど。歴史小説だからといってカタカナ使ってはいけないというわけじゃないし、逆に漢字ばかりは疲れる。そう言う点でこの話はわかりやすい。伝記小説じゃなくて大衆小説だと思った。

    本能寺の...続きを読む
  • 最後の御大将 平重衡 義経が最も恐れた男
    平清盛の五男、重衡を主人公に据え、敵である源義経との対比をテーマにしている長編です。サブタイトルは多少大げさだとは思いますが‥。ここの重衡は真っ直ぐで、姉徳子への思慕、内裏女房・玉緒との恋、そして父清盛の横暴に心を痛め、その死後は棟梁となった兄宗盛の狭量に頭を悩ませる‥。一の谷で捕虜になったのも、平...続きを読む
  • 黄金流砂
    今から30年くらい前の乱歩賞受賞作品。いわゆる、謎解き及び暗号解読物ミステリーであるが、けっこう、面白く読めた。さらに、奥州藤原氏と義経伝説を絡めた作品だから、歴史に興味のある方々にはたまらないかもしれない。
    私は歴史より、暗号解読派ではあるが、ただ、「阿比留草文字」だとか、「魔方陣」だとかが出てき...続きを読む
  • 奥州平泉 黄金伝説の殺人
    日本史が好きであればとても面白い本なのだろうけど、歴史全般に疎いわたしでも楽しめた。

    四話の短編で一番面白かったのがこの本のタイトルになった、黄金伝説の殺人。いつかこういう背景を想像しながらの歴史散策をしてみたい。こういったエピソードを知っていれば、歴史的建造物を眺めるのが数倍楽しくなるだろう。
  • 天明の密偵 小説・菅江真澄
    文庫に付された帯やカバーには「傑作歴史小説」と書いている。解説に歴史ミステリーとあったのだが、どこがミステリーだったのか、どうもしっくりこなかった。
    読み終わったときに、少々すかされたように感じたのは、まず、ミステリーの件。
    それから、田沼意次について、ステレオタイプというか、どうなんだろう?と思っ...続きを読む
  • 義経の征旗(下)
     「もしも…だったら」と想像するのは楽しい。 歴史上の出来事を、別な可能性を紡いで。
     あるいは期待や希望を込めて。


     信長が本能寺でその生涯を閉じなかったら。
     義経が平泉で命を落とさなかったら。


     そんなことを想像するのも、雑談程度ならともかく、
     作品を作り上げるとなると、
     その根拠...続きを読む
  • 謙信暗殺
    謙信って暗殺説と脳卒中説とを聞いたことがあります。
    実際のところはどうやったんやろう??
    まぁ~後者なんやろうけど。
  • 最後の御大将 平重衡 義経が最も恐れた男
    小説としたら面白いけど…史実と離れている部分がすごく気になる。例えば、一ノ谷で捕えられたのは、和平交渉のためであり意図的なものであったとか。本当は馬を射られたところを、乳母子に逃げられ、自害しそこなったはず。しかも、正室大納言局もいなかったことになっている。なんだかなあ…。話しは面白いんだけど。
  • 最後の御大将 平重衡 義経が最も恐れた男
    思ったより良かったかも。この重衡はかなり真面目な、雅より武を好む優しい人。
    でも、一門の人たちがあんまり出てこない。徳子・清盛・知盛・宗盛・惟盛くらい?ほかは名前くらいしか出てこない。なんかちょっと重衡、暗い人みたいな…。
    知盛かっこよかった。宗盛、残念ながら情けない。
  • 日本史を操る 興亡の方程式 人と組織の運命を分けるもの
    組織や人を見ていくと、興隆と滅亡の時があり、そのターニングポイントは「奇策」だという。自分が今、上昇気流にあるのか、これから下降線を下るのかは、渦中にいる本人たちにはなかなか見えにくいと思われる。だからこそ、日本史を紐解いてその法則性を導き出そうという一冊。
    リーダーとは「準備や連携の度合いを判断す...続きを読む
  • 歴史に消された「18人のミステリー」
    織田信長は、なぜ無防備のまま明智光秀に本能寺の変を起こす機会を与えてしまったのか。平清盛のような優秀な男が、なぜ一門の行く末を見抜けなかったのか。坂本龍馬暗殺の真相とは?!・・・――時の権力者によって歪められた史実。闇に葬られた真実を読み解いた一冊。
  • 消えた義経
    表紙のリアルな義経が私の義経像とは違う〜というツッコミが最初でした(笑)
    ミステリー小説です!鎌倉の密偵が義経の行方を必死で探します。登場人物の「〜坊」が誰だったかと少し混乱したりしました。主人公の二人が義経達を探すのに苦労します。あと弁慶が病気だったり・・。義経は死んだのか生きているのか・・?最後...続きを読む
  • 最後の御大将 平重衡 義経が最も恐れた男
    『平家物語』あたりとはまた違った重衡像、って感じでなかなか読み応えがあります。
    やっぱり元凶はお前かこのハゲ狸じじぃ(=後白河院)!とか、たまに思いますが(笑)
    ちょっと現代日本にも重なる部分があるかも。