中津文彦のレビュー一覧
-
“小説”としての面白さに、「意外に知らない江戸時代の北海道」が活写されている興味深さが加わっている。「瑞々しい若さを持っているでもない年代に差し掛かった白井秀雄が、“志”を模索して、文字どおりに“模索の旅”をする」という様だ。何か、「飽くまでも“人生”は“投げて”はいけない…」と静かに、同時に力強く...続きを読むPosted by ブクログ
-
平家、特に重衡贔屓の私にとっては最高の一冊。まさか彼を主役にした小説があるとは思いませんでした。
史実や著者の見解を交えた文章は、歴史物に有りがちな古風な読みにくさを感じさせず、一気に読み終えられました。Posted by ブクログ -
「歴史に消された」というタイトルはそぐわないのではないか。俎上に上がった18人のうち、半数は大河ドラマの主役になっている。
三野村利左衛門を採り上げてくれたのは、『青天を衝け』でイッセー尾形が怪演していたところだから有難い。
伊達政宗、藤田東湖、河田小龍の章は勉強になった。
ひとつ疑問がある...続きを読むPosted by ブクログ -
元がミステリ作家だからか通常の歴史小説より読みやすかった。途中時間軸が前後するので「ん?」とひっかかる部分はあったけれど。歴史小説だからといってカタカナ使ってはいけないというわけじゃないし、逆に漢字ばかりは疲れる。そう言う点でこの話はわかりやすい。伝記小説じゃなくて大衆小説だと思った。
本能寺の...続きを読むPosted by ブクログ -
平清盛の五男、重衡を主人公に据え、敵である源義経との対比をテーマにしている長編です。サブタイトルは多少大げさだとは思いますが‥。ここの重衡は真っ直ぐで、姉徳子への思慕、内裏女房・玉緒との恋、そして父清盛の横暴に心を痛め、その死後は棟梁となった兄宗盛の狭量に頭を悩ませる‥。一の谷で捕虜になったのも、平...続きを読むPosted by ブクログ
-
日本史が好きであればとても面白い本なのだろうけど、歴史全般に疎いわたしでも楽しめた。
四話の短編で一番面白かったのがこの本のタイトルになった、黄金伝説の殺人。いつかこういう背景を想像しながらの歴史散策をしてみたい。こういったエピソードを知っていれば、歴史的建造物を眺めるのが数倍楽しくなるだろう。Posted by ブクログ -
文庫に付された帯やカバーには「傑作歴史小説」と書いている。解説に歴史ミステリーとあったのだが、どこがミステリーだったのか、どうもしっくりこなかった。
読み終わったときに、少々すかされたように感じたのは、まず、ミステリーの件。
それから、田沼意次について、ステレオタイプというか、どうなんだろう?と思っ...続きを読むPosted by ブクログ -
小説としたら面白いけど…史実と離れている部分がすごく気になる。例えば、一ノ谷で捕えられたのは、和平交渉のためであり意図的なものであったとか。本当は馬を射られたところを、乳母子に逃げられ、自害しそこなったはず。しかも、正室大納言局もいなかったことになっている。なんだかなあ…。話しは面白いんだけど。Posted by ブクログ
-
思ったより良かったかも。この重衡はかなり真面目な、雅より武を好む優しい人。
でも、一門の人たちがあんまり出てこない。徳子・清盛・知盛・宗盛・惟盛くらい?ほかは名前くらいしか出てこない。なんかちょっと重衡、暗い人みたいな…。
知盛かっこよかった。宗盛、残念ながら情けない。Posted by ブクログ -
組織や人を見ていくと、興隆と滅亡の時があり、そのターニングポイントは「奇策」だという。自分が今、上昇気流にあるのか、これから下降線を下るのかは、渦中にいる本人たちにはなかなか見えにくいと思われる。だからこそ、日本史を紐解いてその法則性を導き出そうという一冊。
リーダーとは「準備や連携の度合いを判断す...続きを読むPosted by ブクログ -
織田信長は、なぜ無防備のまま明智光秀に本能寺の変を起こす機会を与えてしまったのか。平清盛のような優秀な男が、なぜ一門の行く末を見抜けなかったのか。坂本龍馬暗殺の真相とは?!・・・――時の権力者によって歪められた史実。闇に葬られた真実を読み解いた一冊。Posted by ブクログ
-
『平家物語』あたりとはまた違った重衡像、って感じでなかなか読み応えがあります。
やっぱり元凶はお前かこのハゲ狸じじぃ(=後白河院)!とか、たまに思いますが(笑)
ちょっと現代日本にも重なる部分があるかも。Posted by ブクログ