桜井智恵子のレビュー一覧

  • 子どもの声を社会へ 子どもオンブズの挑戦

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    教員を始め教育や子どもに関わる仕事をしている全員にとっての必読書。

    能力をわかちもつ
    社会の問題構築を知る
    エンパワメントとはゆるめること

    子どもに真の意味で向き合うために大切なことが、この1冊に散りばめられている。

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    2019年09月21日
  • 子どもの声を社会へ 子どもオンブズの挑戦

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    前半は「子どもの人権オンブズパーソン」の役割と事例紹介。後半は背景にある能力主義・競争主義社会に対する批判と、社会への提案。

    誰かを責めるのではなく、人間関係へのはたらきかけを通して、子どもの悩みを解いていくきっかけをつくる「調整」と、枠組みにはたらきかける「調査」の2要素を強調して説明している。
    子どもの最善の利益を考えていく姿勢には感銘を受けたし、マクロ経済からの論理分析も交えており読み応えがあった。

    教職寄りの執筆かと思いきや、そうでもない。教養本としてもオススメ。

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    2012年05月31日
  • 子どもの声を社会へ 子どもオンブズの挑戦

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    ネタバレ

     兵庫の川西市のオンブズパーソンで教育担当となった著者の話である。社会の「減速」と能力の共同性という意見には同感されるものがある。教育現場としてオンブズパーソンが必要であるということが強く感じられる本である。

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    2012年05月31日
  • 子どもの声を社会へ 子どもオンブズの挑戦

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    自分とは相いれない思想の本をこれほどしっかり読めたことはない。私は教育はもっと個の能力の開発に焦点を絞るべきだと思っているし、成長を希求することが社会全体の活力につながると信じている。

    でもこの数十年日本にはびこるおかしな「自己責任論」と「個人主義」には強い違和感を覚えている。

    この本はまったく違うアプローチではあるが、同じ問題点をとらえ、個々の事例で具体的に説得してくる。

    この本の主張に簡単には同意できないが、対立項として読むべき価値のある本だ。

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    現在の社会的な価値観でもって「排除」され、力を奪われたまま、社会保障で「包摂」される。その包摂に「自立支援」という発想が

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    2019年04月22日
  • 子どもの声を社会へ 子どもオンブズの挑戦

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    川西市の子どもオンブズパーソンにいる著者による、受けた相談とその解決に至る道筋を元にした、社会に対する変革のススメ。
    子どもの気持ちが大人に受け止められていないことが、相談に来る子どもたちの実感にある。子どもと大人の間にコミュニケーションを成立させることをオンブズパーソンが陰から日向から支える。
    なぜ、子どもの気持ちに向き合う時間や心の余裕が持てないのか。相談から直接示された実態や社会理論から示す。
    関係性の中で自らの力を発揮できるようになることで、「能力」を示すことができる。その関係性がなければ、その人の力を測ることはできないそうだ。

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    2016年04月21日
  • 子どもの声を社会へ 子どもオンブズの挑戦

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    問題を抱える子どもたちは、誰もが大人に話を聞いてもらいたがっている。保護者にもそれぞれの悩みがある。
    そんな人たちの話を聞いて、必ずしも解決に導くことを目的とするのではなく、少しでも事態を「ましにする」のがオンブズパーソンの仕事である。少しきっかけを与えれば、自分で解決まで持っていく力が子どもたちには備わっているという考えがあるからだ。
    川西市オンブズパーソンの代表を務める筆者が実際に相談を受けた内容とその対処法を中心に、決して力の強くない子どもたちの声を読者に伝えようという試みが見られる一冊だった。

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    2015年02月21日
  • 子どもの声を社会へ 子どもオンブズの挑戦

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    昨年「子どもアドボカシー」というものを知り、それにちなんだ本として読んでみた。兵庫県川西市の「子ども人権オンブズパーソン」制度にかかわる著者が活動の内容から社会のあり方までを綴る。
    川西市の子どもオンブズは子どもの権利を守り寄り添う先進的な仕組みとして、その世界では知られているけど、一方でどうして「子どもオンブズ」がありながら「子どもアドボカシー」というよく似ているけど別の名前の仕組みがいま広がりかけているのかと、ちょっと不思議に思った。そのくらい(この本を読む限りでは)川西市の「子どもオンブズ」の仕組みってよくできているし、実際にも機能している感じがする。なのになぜ?
    一方、子どものついてだ

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    2023年05月13日
  • 教育は社会をどう変えたのか――個人化をもたらすリベラリズムの暴力

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    (学部段階の)学生さんが読むにはハードル高い?で星3つにしましたが、私的には5つ。しっかり読み込みたい内容でした。
    子どもの貧困……て、大人の貧困なのになぁというモヤモヤ。学力保障……て、それで大学いって正社員になって…という将来になれば/目の前のその子が「成功」すればゴールなのか?というモヤモヤ。……と、私が常々モヤってることをどう考えていけばいいか、それに必要な先行知を整理して提示してくださって、桜井さん、ありがとう!って感じです。

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    2022年01月09日
  • 子どもの声を社会へ 子どもオンブズの挑戦

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    「子どもの声を聞き、対話を重ね、関係性に働きかけ、子どもの傍らに立つ」子どもオンブズパーソンについて紹介されている一冊です。

    ソーシャルワーカーとしては、同意できる部分が多くあり、また、すぐにでも仕事に取り入れたい部分も多くありました。

    唯一、学力保障に関する部分だけが同意しきれなかったです。
    私の読み込み不足かもしれないのですが。。
    私は学力保障の重要性をとても強く感じています。
    学力がほとんど身についていない、、、日常の読み書きでさえ厳しく、おそらくそのことによって生きづらさが増している子どもと出会うことがあるので、、生きていくために最低限の学力保障は必要だと、私自身は考えています。

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    2013年02月10日
  • 子どもの声を社会へ 子どもオンブズの挑戦

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    最初の方はたどたどしく、あまりおもしろくなかったが、後半から終章にかけては、独自の意見もあり、気づかされる点も多かった。
    「学力保障」を再考しなければならないことがよくわかった。

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    2012年03月20日