松長有慶のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初の方を読んで、明らかに「聴衆に向かって話している」という調子の文章であると思った。思ったとおりで、本書は講演の記録を集めて校正したという本である。一部は本書の以前に刊行物に掲載された経過も在るようだ。
そういう訳で、1984年に本書が初登場する以前の時点で話していることなので、1970年代を指して「十数年前」というような言い方になっているというような、少し引っ掛かる場合も在るかもしれない。が、それは然程気にならなかった。初出から10年程を経た文庫化の時点で「初出当時に見受けられた“密教ブーム”という様子は下火になったが、内容に然程違和感は無い」と著者のあとがきにも在るのだが、そこから更に時 -
Posted by ブクログ
インドから中国を経て日本へと伝えられた密教の歴史を、師から弟子への相承関係をたどりつつ解説している本です。
本書ではまず、密教の基本的な考えかたが説明されています。そのさい著者は、密教の二大経典である『大日経』と『金剛頂経』が、実在する釈尊ではなく大日如来によって説かれているということに目を向けるとともに、密教において相承が重視される理由を明らかにしています。
その後、大日経系(胎蔵部)および金剛頂経系(金剛部)の二部の相承関係をたどり、その担い手たちの人物像を解説しています。そのうえで、二部を統一した恵果と、その教えを受け継いだ空海をとりあげ、さらに天台密教における相承関係についても触れ -
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「理趣経」松長有慶
絶対的な愛とは自分をなくすこと。仏教では慈悲という。
法身とは真理そのものを具体的な仏様で表したもの。大日如来。
歴史的人物としてこの世に身体をとったのが応身。釈尊
四種法身
1.自性法身、、、真理そのもの。大日如来
2.受用法身、、、完全無欠の大日如来の性格を4つに分けたもの
3.変化法身、、、歴史的に現れた釈尊のような者
4.等流法身、、、世界の全ての生き物
理とは客体的な存在。物質
智とは主体的な存在。精神
欧州近代社会では「我」の確立を大事にし、仏教では「我」の確立と同時に、それが全体の部分である事、大宇宙の中に自分が入り、自分の中に大宇宙を入れる事、この