永田ガラのレビュー一覧
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ネタバレ五感に関する、人々の絡み合った短篇集。
聴、嗅、味、触、視の五感の短篇集ですが
出てくる人が、別の話に出てきたり。
世間って狭いのですか? と聞きたくなる環境でした。
そもそも最初の話に出てきた男は、そのまま付き合うと
プライド高くて自意識過剰で面倒そうです。
愛があるから、と言っても付き合える限度があります。
そう考えると、きれいな思い出のままで終わって
良かったのでは? と言いたくなるほど。
人によって受け付けたり受け付けなかったり、な体臭。
普通に紹介するにしても、お断り、という環境だと
国外というのは…さらにきついような。
真の保護者は金を出して遊んでこい、という人なので
選んだ -
Posted by ブクログ
小西行長による文禄の役の講和がメインに描かれています。心優しい、優しすぎる小西が如何にしてこの戦を終わらせるか。苦悩が大変心に染みました。加藤清正との確執も双方の側から描かれており、育ちの差それによる出世方法の差、そこから生まれる嫉妬心やプライド、曲げられない生き方が印象的です。清正は全ては義父秀吉のために、行長は神の為になど相容れない彼らの姿がまた確執を更に広げていきます。
軍議の場面、加藤清正や鍋島直茂に責められ宗義智には裏切られて。それでも小さな希望を手繰り寄せ、微笑みながらジョアンに全てを託す。そこに彼の全てを見た気がしました。
幕内での隆佐とオルガンティーノ、暗躍する日向と越後も印象 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人間の五感をテーマにした小説。
プロローグとエピローグを除いて、計5章で構成されている。
聴・嗅・味・触・視の順で話は展開されていくが、
それぞれ主人公が違うオムニバス形式。
しかし、どこかで主人公同士が物語の中で絡み合っている。
主人公を述べると、
第1章『聴』は、大学院に通うチェロを弾く大学院生。
第2章『嗅』は、フランスの美大に留学した大学生。
第3章『味』は、コピーを得意とする外国人。
第4章『触』は、一見平凡だが妖姿媚態な部分を持つOL。
第5章『視』は、誰もが認めるエリート会社員。
読み進めていくと、表紙絵に反して内容が生々しいものであった。
人間関係の中でどうしても出てく -
Posted by ブクログ
秀吉の近臣であった小西行長が文禄の役の先鋒として出兵し、明と和議を結ぶため内藤如安を使者として差し向けるまでの物語。
小西行長は商人の子であり、生え抜きの武士ではない。そのため武士の文化になじめない所がある。さらに伴天連追放令後もキリシタンであり続けるなど他の秀吉旗下の大名たちから少なからず浮いた所がある。
そんな居心地の悪い中で少なからず悩みながらも、自分の与えられた仕事にひたすらに打ち込み、任務を全うしようとする小西行長像は、従来の豪放磊落な戦国大名たちのイメージからは離れているが、現代社会に生きる我々には身につまされることしきりである。
ただ一冊に納めるには切りのいい所ではあったのだろ -
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人に喜んでもらう事が、何より楽しい主猫公。
バイトが休みの日、いろいろな存在と出会う。
猫が主役で、出てくるのは、ネコだったり
人だったり、死神だったり。
しかも主役なのに、なんだかこう…世の中の
理不尽さを見た気がします。
バイト先の支配人、あれでいいのか、と思っていたら
最後には~という状態。
これもこれで、現実的。
なのに、猫やら死神やらが出てくるという内容。
ちぐはぐな存在ではありますが、話としては
普通に紡がれていて、特に違和感もなく。
良かった良かった、な最後ではありますが
一人だけ不幸(?)な存在が。
まぁ、願いは叶っていますし、大丈夫かと。 -
Posted by ブクログ
舞台の上で起きる出来事は、どんなに陰惨で、なまなましい出来ごとでも、どこかしら人に見せるために作られているように。
この話もまた、言っている事、やっている事は、粗野で、なまなましく、残酷な出来事であるにも関わらず、なにかしら人を惹きつけるものがある。
主人公の観阿弥は、美しく、才能溢れる優れた芸人であるにも関わらず、いや、そうであるが故に、みずからのすべき事の理解を得ることができない。
孤独に足掻き、もがく様は、無様でありながらも、やはりどこか美しい。
実際の能舞台がどう言うものか、私は見に行ったことがまだ、どういうものかは分からないが…。作中に出てくるように、なまなましい題材をテーマにして人 -
Posted by ブクログ
いわば現代版美女と野獣。
内気な女性の成長物語でもある。
動物園のトラと女性議員と言う取り合わせは、ちょっと意外と言うか、普通あんまり考えつかない気がするな。
そう言う意味ではうまく興味を惹かれた。
でも、ヒロインの前ではオスカーはあくまで男性なので、この話にファンタジーを持ってくる必要は実はなかった気もするなあ。
新人女性議員と有能な男性秘書のお話でも十分魅力的。
だた、ヒロインの考え方感じ方が如何にも女性的で、なんだか全面的には共感出来なかったかな。
それにしてもオスカー有能過ぎるだろう。
これはあれだな、ヒロインの国会議員進出から初の女性総理もあるな(笑)
いや、そんな話になって行っ