信長所有の茶入「つくもがみ」(九十九髪)は「付喪神」だった!本能寺の変で失われたはずの名物茶入が後世に残った歴史の謎を端緒に自在に広がる時代ファンタジー。
幻の茶入を求め、冥界からよみがえった織田信長と明智光秀の物語、狩野派の絵師・元秀と信長に国を滅ぼされた天涯孤独の姫君・なべの物語、武野紹鴎の嫡子・新五郎の目を通して描かれる天王寺屋と今井の二人の納屋衆の物語…きっとこんなことがあったにちがいないと納得させるストーリー展開が素晴らしい。
個人的には、最後に信長と光秀が連れて行かれる付喪神たちのお茶会の茶会記をつけてほしかった。