ブライアン・オールディスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
世代宇宙船の中で繰り広げられる物語。原書は1958年の作品だ。著者の初期の作品である。ハードSFというわけではないので、設定に疑問を持つところもあるが、物語としては楽しめた。読むのが辛かったのは最初の部分。物語がふわふわとしていて、世界観を理解できなかった。我慢して読み進めると、冒険が始まり、いくつもの困難を乗り越えて話が進む。そこまで来るとどんどん面白くなる。最後の方は意外な展開があり、ハラハラドキドキさせられる。面白かった。訳者後書きでは翻訳に苦労した話が紹介されていた。最初に読みにくかったのは原書で使われている言葉が独特だったためなのかもしれない。
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Posted by ブクログ
光速は越えられない。
その厳然たる物理学的事実に従うか従わないかでストーリーは大きく変わる。ワープのような超光速航法を導入すると、宇宙は地球上と大差なく移動可能な場所となる。ところが光速が越えられないならば、亜光速で飛んで目的地に到達するものの、戻ってきたときにはウラシマ効果で数世紀がたっているといった話になるか、そこまで加速できない宇宙船ならば船内で幾世代を経ながら子孫が目的地に到達するという話になる。後者が世代宇宙船である。
ブライアン・W・オールディス。イギリスSF界のビッグ・ネームだ。『地球の長い午後』『グレイベアド』、そしてSF評論というかSF史の『十億年の宴』。現在、齢90