高杉一郎のレビュー一覧
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ネタバレ時を超えて出会う少年少女。
ハティ少女の時代にトム少年が遊びに行く形だが、トムにとってハティの空間では何時間も遊んでいたつもりなのに、現代に戻れば数分しかたっていない。
深夜に大時計が13時の鐘を鳴らす時、裏庭に通じる扉から秘密の庭園へ行けるのだ。
思ったより意外性はなかったが、幽霊のように扉を通り抜けたり、行く度に庭園の時間が変わっていたりというファンタジー要素が面白かった。ハティが女性になっていることにトムが気付かないのも良かった。一緒に遊んだ仲であれば、成長なぞ関係ないというのが素敵。どの大人にも少年少女時代があり、トムのようにアクセスできたら面白いのに。
↓ネタバレ
弟が -
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きょうだいのピーターのはしかがうつらないよう、おじおばの住むアパートで休暇を過ごすことになってしまったトム、そこは一軒の邸宅を区切ってアパートにしたものだったが、一階には、時間は正確だが鳴らす音の数がでたらめという大時計があった。
特にすることもなく退屈しきりだったトムが、夜眠れずに時計の鳴る音を1時、2時……11時、12時と数えていたら、時計は13時を打った。おかしいと思ったトムは、一階のホールに降りて時計を確認しようとするが暗くて見えない、そこで月明かりを入れようと裏口のドアを開けると、そこには広い芝生、花壇、温室、1本のモミの木や何本かのイチイの木があった。そこを見たいと昼間にそのド -
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フィリパ・ピアス(1920~2006年)は、英国ケンブリッジ州の村に生まれ、ケンブリッジ大学ガートン・カレッジ卒、BBCでラジオの教育番組の制作に携わった後、児童文学の執筆を始め、1958年に発表した本作品でカーネギー賞を受賞した。
本作品は、英国の児童文学の代表作に数えられると同時に、「時」をテーマにした小説の古典とも言われ、英国ではTVドラマ化や映画化もされている。
私は50を過ぎたシニア世代だが、若い頃に読んだ『モモ』が大変好きで、同じように「時」を扱った(児童)文学の古典といわれる本作品はいつか読みたいと思っており、今般新古書店で偶々目にして手に取った。
あらすじは、おじ・おば夫婦の住