ジャック・カーリイのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
カーソンと殺人者の視点でストーリーは展開する。五里霧中の捜査を強いられるカーソンと、奇妙な行動を続ける殺人者グレゴリー。このふたつの線はどういう関係にあるのか、どう交差するか、そこが読みどころのひとつ。
「ミッシング・リンク」が本作品のテーマ。意外な真相へと繋がる手掛かりや伏線は、いくつものエピソードの中に巧妙かつ大胆に仕込まれているから、真相を推理することは十分可能。さらに、その先にもうひとつの驚きが仕掛けられている。そこで読者は全体の構図が反転するショックを味わうだろうし、作者の企みを確認するため再読したくなるかもしれない。
いつも以上に攻めてきたなーという印象は強いが、ラストが若干弱 -
Posted by ブクログ
ネタバレカーソンシリーズの第6作。後書きを読んだら本当は7作目というのが分かってびっくりした。
今作は休暇中のカーソンがその先で事件に巻き込まれるというストーリー。後書きにもあったが、名探偵は休暇中によく事件に巻き込まれる(笑)
内容的には相変わらずの狂気な内容で、そこに兄の存在も多いに関わってきて、シリーズファンなら楽しめる。最後までいまいち分からないまま進んで最後にどーっと判明していくパターンもおなじみ。ただ少し少食気味でもある。
1作目を意識した驚きも見せたが、謎なとこともあった。例えばジオタグをサイトに投稿したのは誰で何目的でとかがなんとなく分かりにくい。ただ=(8)=の真相には驚かされる(笑 -
Posted by ブクログ
休暇中の田舎町で事件に巻き込まれるカーソン。シリーズ七作目は、良くも悪くも「休暇中の出来事」といった感じ。
全体的にスローテンポ。いつものキレキレ本格サイコからはちょっとずれてる。カーソンの事件じゃないというぎこちなさが、作中との微妙な距離感に繋がったのかも。エグイ事件が進行中なのに、どことなくのんびり間延びして見えたのは、ケンタッキーの山間という舞台設定にあるのか? てなことを訝しみながら後半に入ると一気に加速する。事件が一本の線に繋がる展開は相変わらず巧い。壮絶な過去、支配する者とされる者、狂気に駆り立てられるモンスターたち──これだけのサイコな素材が揃ってるのに、なんかもやっとして終わ