アーサー・ビナードのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
詩人・アーサー・ビナード氏による、
「もしも(if)」という視点から、
古今東西の様々な詩をたのしむアンソロジー・エッセイ。
アメリカ人ですが、90年に来日していて、
日本語の文章が巧みです。
これだけ操れると、日本語を使うのがかなり楽しいでしょう。
その高みがまばゆくうらやましく見える読者もたくさんいると思う。
努力と言語的素養のたまものだなあ、
と尊敬の念とライバル心を持ってしまいました。
さてさて、
「もしも(if)」があってこそ創造物が生まれるといって過言ではない。
著者は、「もしも(if)」を、想像力を呼び覚ます装置、と分析している。
「もしも(if)」を用いることによって、
思考停止状態の泉に石を投げ入れ、波紋を生じさせることができる。
そして詩とは、役に立つものとは言えないけれど、
そういう作用を持っていたりもするよね、
というように、あとがきでは締めくくられていました。
もっとも、そういう一石によって発生する波紋は、
琴線を揺さぶる波紋になります。
楽しい、哀しい、面白い、切ない。
そしてもっと複雑な音色を心中に響かせもする。
ものによっては言語レベルが高すぎて、
その詩を理解できるまでいかない場合もありますが、
そういった悔しかったり残念だったりする経験が、
「わかりたい」という意欲に転化して、
一歩も二歩も、いや、五十歩も百歩も、
言語的山道をのぼっていくようなことになり、
見たことのない景色を知ったりもするでしょう。
本書は、紹介される詩句がまずおもしろいのですが、
なにより著者のエッセイそのものに気持ちよさをとても感じました。
読むことの幸せをつよくつくれる文章って、すごいよねえ、と思います。
アーサー・ビナード氏は、本書を購入した段階で存じ上げませんでしたが、
このあいだ、何かのテレビ番組で、何かについてコメントしているところを見ました。
では読もうか、と本書を手にとって著者名を眺めて、あれ?と思った次第です。
なんていうかですね、
この間、谷川俊太郎氏の詩集を読んだばかりですけど、
こういう本をよむと、生活に、清冽だったり激しかったりする小川が流れるような、
自分の中のどこかの渇きが癒えるような体験になりますね。
そういうのって、とっても好いよなあと感じます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレおばあちゃんったら
なんなんなんでも
しっている。
「ね、なんのために
いきてるのかな?」
「なんなんなん…
そのこたえを さがすんだよ、
なんなんなん なんのためかなあ」
ぼくは、てくてくと旅にでて。
いろんな人にたずねてみる。
なんなんなんのために いきているんだろう?
とても、抽象的ではっきりと答えの出ないもどかしさ。
なんなんなん?
って、頭の中でノブの声に変換されてしまうのを振り払いつつ。
なんなんなん?
それは自分が感じて考えないと、人には教えてもらえないもの。
哲学って、文化祭を皆んなで意見だしあって、良い感じにやってこー!って言ってる傍で「文化祭ってそもそもなんなん?」って言ってるヤツみたいじゃね?S18 -
Posted by ブクログ
外国人作者の目から見た日本語の興味深い点を語るタイプのエッセイかなぁ、と思って読んだら、割と普通にエッセイしててちょっとビックリした一冊
第一章なんかは日本語に焦点を当てたエッセイに近いんだけど、それでも作品の本質は「日本語について」ではなく「作者の思考・体験」にあるってな感じ
思っていたのとは違ったけど、それでも軽妙な語り口で楽しく読めた
作者の、気になったことは調べる!というスタンスに好感が持てるし、そこからくる博覧強記っぷりがすごい!!
お話の最後に毎度上手い事オチをつけてくるのもすごいなぁと素直に感心してしまった
『日本語ぽこりぽこり』というタイトルに惹かれて購入したのだけど、これの元になった漱石の句「吹井戸やぽこりぽこりと真桑瓜」という句が、実は「ぽこりぽこり」なのか「ぼこりぼこり」なのか判明していないというのが結構な衝撃だった
これはもう「ぽこりぽこり」しかないでしょう!