幕末の志士8人+補足8人にフォーカスし、漫画と現代口調でわかりやすくストーリー化。
迫力というところでは、黒金ヒロシにかなわないけれど、わかりやすいのはまめこさんのほうかなぁ。
この漫画家(まめこ)、異色の経歴の持ち主で、大学では国際関係学部でインドネシア語を専攻し、インドネシアに2年間留学。
...続きを読む帰国後に漫画家としての人生を歩みはじめるのだけど、グローバルな彼女がなぜ漫画?というのが興味深い。
海外生活をしたからこそ、日本史に興味をもつのは、なんとなくわかるんだけども。
しかし、逸話もおおく、面白く読めました!
個人的には勝海舟いいね。
土方歳三はめんどくさそうやね。
■坂本龍馬
肩書きを好まず、ニュートラル。素直で、人の懐に入るのが上手。
日本初の海運貿易商社=亀山社中(海援隊)を設立、大政奉還の原案となる船中八策も考案。勝海舟に弟子入り。
■土方歳三
自他共に認める好男子。正直、土方の詩とか気持ち悪い。かなりのナルシスト。新選組副長として組織統率力に長ける一方で、冷酷非情な面も多く、組内の暗殺・追放を率先。
■勝海舟
もともと武家のボンボン。9歳のときに犬に急所を噛まれて70日間生死をさまよう。以後、犬嫌いに。
慶喜とは犬猿の仲だったが、幕府の人材不足のなか、明治新政府への政権移譲に貢献。軍艦奉行として海軍設立にも貢献。
旧幕臣の保護や慶喜の謹慎解除にも助力し、旧幕臣を引き連れて静岡のお茶畑の開墾に勤しむ。
彼もまたニュートラルで思ったことをはっきり言うタイプで、数々の人間を虜にさせたが、福沢諭吉からは執拗にけなされていた。金を貸さなかったからだとか…
■西郷隆盛
貧しい武士の家に生まれたが、18歳で薩摩藩に出仕、28歳のとき藩主島津斉彬に認められ側近として出世。
斉彬が急死した際は、自らも入水自殺をはかったという。
斉彬の異母弟で次の藩主の久光とはそりが合わず、しばし奄美大島で潜伏生活をし、島妻も娶る。
倒幕を企て戊辰戦争を率いるが、武力による倒幕はここで幕を閉じ、西郷の余生もここから先は下り坂。
大久保利通はじめとする岩倉具視の使節団が不在時に、一時は国政をリードするが、征韓論に敗れ、最後は西南戦争で自害。
西郷さんの犬は、薩摩犬で、ツンという(耳がツンツン尖っていたから)。
■大久保利通
西郷と同郷の薩摩藩で、下級武士の家に生まれる。斉彬に認められるも、その死後は、久光のもとで懸命に取り入り、幕政を動かす。
明治新政府に参画し、仕事一徹のリアリスト。遣欧団でプロイセンのビスマルクに大きな影響を受け、富国強兵を推進。
帰国後、西郷と離反、西南戦争で自らの故郷を攻める。最後は新政府に反対する士族に暗殺。場所は、東京・紀尾井坂。
■岩倉具視
京都・山城の下級公家の家に生まれる。公家のなかでは改革派で知られ、行動力もある。
孝明天皇につかえ、公武合体を推進したため、尊攘派から弾劾を受け、岩倉村で潜伏生活。
西郷や大久保らと関係を強化し、討幕運動をリード。
明治新政府でも、第一人者として華族制度を創設したり、遣欧使節団を率いたりと貢献。
最後は喉頭癌で死去。
■木戸孝允
桂小五郎として、長州藩の藩医に生まれたボンボン。小さい頃から病弱だったので、桂家に養子に出される。
吉田松陰に師事を受け、21回猛士たる松陰の激行を間近で見つつ、その反動か慎重で神経質な性格に。
討幕の一味として命を狙われることを恐れ、長州に戻ってからは木戸孝允に改名。
龍馬の仲介のもと薩長同盟にこぎ着け、明治新政府では岩倉具視に見出され、廃藩置県などの改革を次々に実行。
晩年は、神経性の持病に悩まされ、病床に入ることが多く、45歳で病没。
■高杉晋作
長州藩の裕福な家庭に育ち、大切に育てられる。身長が低く、疱瘡による外見的なコンプレックスもあり、プライドの高いワガママな性格になる。松陰のもと、勉学に励み、24歳のとき、上海に行って、列強に支配された清の実情を目の当たりにする。
攘夷派として奇兵隊をつくり、討幕に大きく傾く。幕府による長州討伐の際には海軍総督として長州を勝利に導くが、戦いのさなか、肺結核を患いわずか29歳で死去。