高乗正行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんとなくわかっているようでよくわからない、半導体のことを分かりやすく解説している。そもそも半導体とは「絶縁体と導体の中間」の物質のことを差し、さまざまな種類の半導体を使って作られた回路だったり部品だったりを総称して慣例的に「半導体」と一般的に呼んでいる。
技術の新陳代謝が激しい上に製造設備には巨額の投資と高度な技術と知識が必要で、簡単には増産も新規投資もできない。しかし国力を左右するほどの重要品であるのが悩ましい。
かつて日本が世界の半導体市場を席巻していた頃の「垂直統合型」の体制は廃れ、現在は「水平分業型」が潮流になっている。日本の文化の良し悪しが明暗を分けた感がある。
技術的な細か -
Posted by ブクログ
1.この本を一言で表すと?
半導体の基礎知識、歴史、今後の見通しを解説した本。
2.よかった点を 3~5 つ
・半導体とはそもそも何なのか(p28)
→本来の半導体の意味と、慣例的に呼んでいる半導体とは意味の異なる物だということがよくわかった。
・ニュースでよく聞く前工程、後工程とは?(p40)
→設計工程、前工程、後工程、の違いがよくわかった。
・半導体メーカーにおける 2 つのビジネスモデル(p54)
→このビジネスモデルをよく把握しておく必要がある。半導体企業と言うだけでは誤解する可能性がある。
・半導体の供給は急に止まる(p142)
→サプライチェーンは非常に危ういバランスで成り立って -
Posted by ブクログ
半導体の商社を起業された著者による。日本の半導体の課題について論じている。まず市場に関しては、米国、欧州、日本の市場は今後も横ばいなのに対し、その他の国が伸びる事をデータで示す。すなわち半導体産業自体は今後も伸びることを示す。パソコン市場、携帯市場(スマートフォン含む)、車市場も先進国では伸びないと分析する。(車市場は電子化率の上昇はあるが)。半導体業界の勝者と敗者の分析では、百貨店と専門店になぞらえ、専業メーカが元気だと説く。すなわち専門性を磨くことが重要だとする。微細化製品は設計力の差が勝負とする。コピー出来ない価値を持つことが重要だとする。その後は商社の話となり、半導体技術者の私にはピン