坂井克之のレビュー一覧

  • 心の脳科学 「わたし」は脳から生まれる

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    本書は、脳や脳研究の解説書。まずは、視覚がどのように脳で処理されるか、またその処理をどのようにして観察するのかという、分かり易いところから入り、次に記憶のメカニズムへと進む。その後、「わたし=自我」とはなにか? 脳は「わたし」の所有物か? それとも脳が「わたしを所有するのか? というようなある種の哲学的テーゼに踏み込む。このあたりのことは、実証が難しくほとんどのことは仮説に過ぎないそうであるが、それでも面白い。いったい、いつになったら脳は脳を理解できるのだろうか?

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    2018年10月23日
  • 心の脳科学 「わたし」は脳から生まれる

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    脳科学の研究が非常に分かりやすく書かれてある。
    とても勉強になる。

    読み手の頭の中を予測しており、
    生じるであろう疑問には、すぐ後で答えている。

    最新の(当時は)研究がしっかり引用されている。

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    2010年12月13日
  • 脳科学の真実 脳研究者は何を考えているか

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    前々から脳画像はその読み取り方や解釈に問題(特に脳と心の因果関係の解釈)があるのではないかと思っていましたが、この著者は非常に誠実にその辺りの現実を述べています。「何ができたら解明できたと言えるか」についてしっかり自覚しなければなりません。論理的な説明や理論を二の次にする刹那主義的な態度のアホらしさに気づくことでしょう。

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    2010年04月07日
  • 脳科学の真実 脳研究者は何を考えているか

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    これを読んだ後、テレビで出てくる「脳科学」という言葉に対する見方が変わった。と同時に、私たち一般視聴者のあり方についても考えさせられた。また、脳科学だけではなく、科学全般について、私たちがどのようにかかわっていかなければならないのかこいうことについても考えさせられる一冊だったと思う。

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    2010年02月07日
  • 前頭葉は脳の社長さん? 意思決定とホムンクルス問題

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    とあるセミナーで紹介されて読んだ本。脳機能についての知識がなくても、さくさくと読み進められた。ざっくりと脳について学びたい初学者さんにおすすめの一冊。

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    2025年07月17日
  • 心の脳科学 「わたし」は脳から生まれる

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    こころはどこから生まれるか。こころは脳から生まれる。ではどのように生まれるか。心の成立についてはまだまだわからないことだらけであるが、脳の働きについてはだんだんとわかることが増えてきた。脳内に世界を投影するような部位があったり、目から入った情報と頭に記憶している情報でものを見たりするとか、興味深い話題が多い。

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    2018年10月20日
  • 脳科学の真実 脳研究者は何を考えているか

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    数年前まで話題だった脳トレや脳科学について研究社の立場からお茶の間の脳科学を検証した本。

    実際鵜呑みにする人がいる一方で、胡散臭さにがっかりした人も多かったはずだ。私もまたその一人。
    本書ではそのような人に向けて第一線で活躍する脳科学者、脳研究者として検証している。
    脳トレは無意味で、筋トレのように鍛えられるものではない。たとえテストの点数が上がっても、それが脳を鍛えたという証拠にはなっていないと。
    言われれば確かにそのとおりですね。

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    2016年02月09日
  • 脳科学の真実 脳研究者は何を考えているか

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    脳科学と脳研究。最近メディアに取り上げられるのは前者。脳トレやゲーム脳、はたまたニューロマーケティングなど、脳活動の測定結果が社会活動に役立っている。ように見えるが、実は脳科学者達は、科学的な裏付けはとらずに、自分たちの都合のいいように結果を解釈していることが多い。一方で、学術的に研究を進めている脳研究者も、それらの風潮を黙認しているところがある。脳研究の進展は間違いないが、都合の良い結果解釈に騙されてはいけない。

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    2015年09月02日
  • 心の脳科学 「わたし」は脳から生まれる

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    脳科学の最新知見を、実際の研究結果に基づいてわかりやすく解説されている。
    内容と分厚さのわりには、読んでいて重さを感じさせないのですごいと思った。

    ・意図的な注意(あれが気になる)が生じるときというのは、その場所に対応した神経細胞活動が増加している
    ・「もの」をみるときは、それをどのように認識するかという過程が大事
    (一度顔に見えてしまったらそれにしか見えない、とかそういうの)
    ・他人の気持ちを思いやる行為には、ミラー・ニューロンが関わっている

    著者は、現時点でわかっていることとその限界、すべてが明らかになればいいというわけでもないこと、を最後の章で書いている。
    研究者として、得られた知見

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    2012年11月14日
  • 心の脳科学 「わたし」は脳から生まれる

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    脳科学の今を平易な言葉で解説。脳の形が人によって違って遺伝子の永久が大きいとか、脳が物を見るときどうなっててそれぞれ領域があるとか、記憶の仕組みとか、知能とかミラーニューロンの話とか、植物状態の人に意識があるケースがあるとか。どうもわたしって意識は主体なんじゃなくて脳の付随物のようね。

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    2012年04月15日
  • 心の脳科学 「わたし」は脳から生まれる

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    ふと何かを思いつき、考えた末に決断する。
    結果、喜んだり後悔したり…。
    これらはすべて、脳の働きのおかげである。
    そうだとすると、脳活動を読み解くことができれば、その脳の持ち主の思考や感情を読み取れるのでは?
    そして、思考や感情の主体である「わたし」とは何かについても明らかにできるかもしれない。
    本書は、脳画像研究の方法から最新の成果までを紹介。
    脳科学によって、未来はどう変わりうるのだろうか。

    [ 目次 ]
    第1章 外の世界、内の世界(未来の脳社会 脳の中の世界地図 脳のアナリスト 見ることと、見えること)
    第2章 「わたし」と「あなた」(時間を越えて存在する「わたし」 知性

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    2011年04月01日
  • 脳科学の真実 脳研究者は何を考えているか

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    いまの脳科学ブームとはいったいなんなのか、という疑問に脳研究者の立場から答えた本。脳活動をあらわした画像が必ずしも一般に思われているような意味を持っていないこと、脳トレなるものが本当に脳を「活性化」したといえるのか、タレント脳科学者と脳研究者の間、研究が社会に認められることへの誘惑と落とし穴、などが語られる。
    巷にあふれる脳科学なるものに何かしらの疑わしさを感じたら、そのもやもやをかなり晴らしてくれると思う。

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    2011年01月10日
  • 心の脳科学 「わたし」は脳から生まれる

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    『心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる』(坂井克之、2008年、中公新書)

    脳の画像をとって、何かを見たとき、聴いたとき、考えたときに脳のどの部分が反応するのかという研究から、「わたし」とは何か、心とは何かに関する研究を幅広く紹介した本。遺伝子によって脳の構造の「かなりの部分」は先天的に形成されるが、その働きは脳や脳細胞をいかに使うかによって後天的に形成されるという話が個人的におもしろかった。

    脳科学って進んでるんだなあ。
    まだまだ未知の分野は多いみたいですが。

    (2010年12月17日 大学院生)

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    2010年12月17日
  • 脳科学の真実 脳研究者は何を考えているか

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    [ 内容 ]
    「脳科学者」の活躍や脳画像技術の進歩もあって、急速に一般社会に浸透した「脳科学」。
    医療、教育、司法、マーケティングなどさまざまな分野で研究成果の応用を期待されてもいるが、その過熱ぶりに危うさはないのか―。
    第一線の研究者が脳科学ブームを批判的に検証。
    研究現場の現状もフェアに見つめながら、いま求められる科学と社会の関係を問う。

    [ 目次 ]
    はじめに メジャー化した脳科学
    第1章 脳科学ブームの立役者
    第2章 未来技術としての読脳術
    第3章 リアリティーのある研究成果
    第4章 脳科学のレトリック
    第5章 研究者のダークサイド
    第6章 ちいさなマニフェスト

    [ POP ]

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    2010年06月05日
  • 前頭葉は脳の社長さん? 意思決定とホムンクルス問題

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    [ 内容 ]
    知性を司り、人を人たらしめているといわれる前頭葉は本当に脳の中でいちばん大事な領域なのか。
    脳の中に住んでいて意思決定を行うと考えられている小人=ホムンクルスの正体は前頭葉なのか?
    最新の研究成果から前頭葉神話を検証し、私たちの「意思」の脳内メカニズムに迫る。

    [ 目次 ]
    第1章 前頭葉は脳の最高経営責任者
    第2章 前頭葉損傷による症状
    第3章 前頭前野は脳の重役室
    第4章 企画担当重役-クールな外側前頭前野
    第5章 営業担当重役-儲かって何ぼの底部前頭前野
    第6章 総務担当重役ー調整役の内側前頭前野
    第7章 特別仕様の前頭前野
    第8章 前頭葉から意思は生まれるのか

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    2010年05月22日
  • 脳科学の真実 脳研究者は何を考えているか

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    はやりの脳科学を検証するとともに、それが一般大衆に受け入れられる原因にも言及。直接的な批判はないが、ちくりちくりとテレビ脳科学者のことを出してくる所、苦笑。

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    2009年12月13日
  • 心の脳科学 「わたし」は脳から生まれる

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    ここ数年、脳の機能画像を用いた研究はスピードも量もベラボウになっているが、この本ぐらい新しく、読みやすく、まとまっているのはすごい。脳の神話ともいうべき過度の脳科学信奉をいましめつつ、道徳、ブレイン・デコーディング、無意識、ミラーニューロン、可塑性の問題、知能などのトピックについて、オリジナルの文献にあたりながらカバーされている。・網膜の細胞が一億個、というのはどこかで読んだことがあったが、視神経の線維は八十万本なので、八十万画素と考えるべきなんだろう。最近のデジカメよりも劣っている。・顔領域の活動は、車好きの人であれば車種の違いにも反応するなど、顔に特化しているというよりも個別化を司るにすぎ

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    2011年08月07日
  • 前頭葉は脳の社長さん? 意思決定とホムンクルス問題

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     新書の形態とは思えない内容。
     しっかりとした「脳」に対する内容で、知見を増やすことができる本。

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    2009年10月04日
  • 心の脳科学 「わたし」は脳から生まれる

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    得てして脳科学の本には、眉唾的な記述が見られることが多いが、この本は誠実な脳神経科学者による脳科学の現時点の状況を正しく伝えてくれている。

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    2025年01月31日
  • 心の脳科学 「わたし」は脳から生まれる

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    網膜地図
    ものの認識とは別に、顔の認識だけに関係した当別の顔領域がある

    序盤、脳が見たものをどう認識しているかという話。脳は、顔、建物なのど何を見ているかによって活発に活動する部分が変わる。

    私たちは目からの視覚情報、体性感覚、位置感覚、平衡感覚情報を統合することによって、自我の存在する位置を決めている。

    「見える」ということは外界の中から一部の情報を選択してこれを意識という表舞台に上げることである。

    海馬は、情報を結びつけて記憶し、結びつけた状態で再生させる役割。海馬が働かないとストーリー性を持たせられない。

    指を動かそうとする8秒も前から前頭葉は活動する!右手を動かそうと思うより

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    2019年04月29日