坂井克之のレビュー一覧
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脳科学の最新知見を、実際の研究結果に基づいてわかりやすく解説されている。
内容と分厚さのわりには、読んでいて重さを感じさせないのですごいと思った。
・意図的な注意(あれが気になる)が生じるときというのは、その場所に対応した神経細胞活動が増加している
・「もの」をみるときは、それをどのように認識するかという過程が大事
(一度顔に見えてしまったらそれにしか見えない、とかそういうの)
・他人の気持ちを思いやる行為には、ミラー・ニューロンが関わっている
著者は、現時点でわかっていることとその限界、すべてが明らかになればいいというわけでもないこと、を最後の章で書いている。
研究者として、得られた知見 -
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ネタバレ[ 内容 ]
ふと何かを思いつき、考えた末に決断する。
結果、喜んだり後悔したり…。
これらはすべて、脳の働きのおかげである。
そうだとすると、脳活動を読み解くことができれば、その脳の持ち主の思考や感情を読み取れるのでは?
そして、思考や感情の主体である「わたし」とは何かについても明らかにできるかもしれない。
本書は、脳画像研究の方法から最新の成果までを紹介。
脳科学によって、未来はどう変わりうるのだろうか。
[ 目次 ]
第1章 外の世界、内の世界(未来の脳社会 脳の中の世界地図 脳のアナリスト 見ることと、見えること)
第2章 「わたし」と「あなた」(時間を越えて存在する「わたし」 知性 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「脳科学者」の活躍や脳画像技術の進歩もあって、急速に一般社会に浸透した「脳科学」。
医療、教育、司法、マーケティングなどさまざまな分野で研究成果の応用を期待されてもいるが、その過熱ぶりに危うさはないのか―。
第一線の研究者が脳科学ブームを批判的に検証。
研究現場の現状もフェアに見つめながら、いま求められる科学と社会の関係を問う。
[ 目次 ]
はじめに メジャー化した脳科学
第1章 脳科学ブームの立役者
第2章 未来技術としての読脳術
第3章 リアリティーのある研究成果
第4章 脳科学のレトリック
第5章 研究者のダークサイド
第6章 ちいさなマニフェスト
[ POP ]
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
知性を司り、人を人たらしめているといわれる前頭葉は本当に脳の中でいちばん大事な領域なのか。
脳の中に住んでいて意思決定を行うと考えられている小人=ホムンクルスの正体は前頭葉なのか?
最新の研究成果から前頭葉神話を検証し、私たちの「意思」の脳内メカニズムに迫る。
[ 目次 ]
第1章 前頭葉は脳の最高経営責任者
第2章 前頭葉損傷による症状
第3章 前頭前野は脳の重役室
第4章 企画担当重役-クールな外側前頭前野
第5章 営業担当重役-儲かって何ぼの底部前頭前野
第6章 総務担当重役ー調整役の内側前頭前野
第7章 特別仕様の前頭前野
第8章 前頭葉から意思は生まれるのか
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Posted by ブクログ
ここ数年、脳の機能画像を用いた研究はスピードも量もベラボウになっているが、この本ぐらい新しく、読みやすく、まとまっているのはすごい。脳の神話ともいうべき過度の脳科学信奉をいましめつつ、道徳、ブレイン・デコーディング、無意識、ミラーニューロン、可塑性の問題、知能などのトピックについて、オリジナルの文献にあたりながらカバーされている。・網膜の細胞が一億個、というのはどこかで読んだことがあったが、視神経の線維は八十万本なので、八十万画素と考えるべきなんだろう。最近のデジカメよりも劣っている。・顔領域の活動は、車好きの人であれば車種の違いにも反応するなど、顔に特化しているというよりも個別化を司るにすぎ
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Posted by ブクログ
網膜地図
ものの認識とは別に、顔の認識だけに関係した当別の顔領域がある
序盤、脳が見たものをどう認識しているかという話。脳は、顔、建物なのど何を見ているかによって活発に活動する部分が変わる。
私たちは目からの視覚情報、体性感覚、位置感覚、平衡感覚情報を統合することによって、自我の存在する位置を決めている。
「見える」ということは外界の中から一部の情報を選択してこれを意識という表舞台に上げることである。
海馬は、情報を結びつけて記憶し、結びつけた状態で再生させる役割。海馬が働かないとストーリー性を持たせられない。
指を動かそうとする8秒も前から前頭葉は活動する!右手を動かそうと思うより