吉田俊太郎のレビュー一覧
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気になる箇所を書き出していったら、膨大な量になったので、そんなメモたちの要約にあたるんじゃないかと思われる部分を記す。
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それがどんなに小さなものであれ、ある一つの技術を徹底的に磨き上げさえすれば、その感覚をクオリティの指標にすえて、磨く対象をさまざまな別のものに広げていけるところにある。よい感覚がどんなものが一度わかってしまえば、別の何かを追求する際にも、その感覚を得られるようになることを目標にすればいい。
単純な日常のなかに価値を見いだすこと、平凡なものの中に深く潜って行き、そこに隠れている人生の豊かさを発見することが、幸運だけでなく成功も生み出すはずだと僕は強く信じている。
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Posted by ブクログ
ネタバレチェスのチャンピオンと太極拳のチャンピオンになった著者の学習理論、パフォーマンス理論の一端に触れることのできる本。
技術的に巧みなだけの存在から、独自の創意を発揮できる存在へと飛躍するためには、どうすればいいのか。その営みそのものが自分自身のエッセンスを表現するものとなったとき、ようやく真の意味でその学習の中に芸術の要素が生まれる。
以下、ポイントと思しき点
・複雑性を排除した局面を研究すること(オープニングを学ぶ前にエンドゲームを学ぶこと)で確固たる基礎的土台を作る
・一つの技術やアイデアだけを用いて、そのエッセンスが感じられるようになるまで練習を繰り返し、その上で、そのパワーを失わない -
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ネタバレ本書を読んで重要だと思ったポイントをまとめています。
・難しい課題に直面したときに自らの能力を向上させる可能性は、習得理論者(結果よりも過程を重視したフィードバックを受けてきた傾向が強い)の方がはるかに高い、実体理論者(親や教師の影響でそういう考えをするようになった子ども。結果に対するフィードバックを受けてきた)は脆い。
・重大なミスをしたあとでも澄んだ精神状態をすぐに取り戻して、しっかりと今という瞬間に気持ちを据え続けることの大切さ
→悪く働くと、ミスがミスを呼ぶ連鎖となる。
・中庸の探求
→たとえば、自分を容赦なく追い詰める必要はあるけれど、激しく追い詰めすぎたらメルトダウンを起こしてし -
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友人の紹介で読む。
例えるなら「羽生善治がムエタイのチャンピオンになるまで」的な自伝。つまりノンフィクション。
僕はワークライフバランスという言葉が好きではなくて、やっぱりどれだけのめりこめるか、だし、面白いことに集中できればそれはもう充実のライフだし成果があがらないわけが思うんですよね。集中力を切らさない環境づくりをもっと意識しないと。
この人はそれが極端で(だからチェスと太極拳推手の両方で世界チャンピオンになるんだけど)、「1万時間」どころの騒ぎじゃない。やりすぎです。
集中と弛緩(全くのリラックス)のコントラストも鮮やか。日本のサラリーマンも、海外のように1ヶ月や1年っていう長期休 -
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知人に勧められて読んだ、ジョッシュ・ウェイツキン『習得への情熱』。 チェスと太極拳というまったく異なる競技で、どちらも世界の頂点に立った、とんでもない人の自伝的な一冊です。
この本を「自己実現に向けて読むか」、それとも「教育者のあり方として読むか」。 そこに、この本の受け取り方の大きな分岐点があるように感じました。
私は最初、自分に向けて読んでいました。 すると、あまりにも著者のメンタルとの違いが浮き彫りになってきます。
自分を追い込み、挫折を経ながらも、ひたむきに頂点を目指す姿。
それは、自分に合った生き方を模索してきた私とは、まるで異なる世界のようにも思えました。
でも、もし私の価 -
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映画関係の仕事を目指しているわけではなく、映画をより深く鑑賞したいために読みました。
言語に頼らず感情に訴えかける手段を、これでもかと詰め込んだ良書。なるほど映画はもともとサイレントムービーから始まっており、ひいては言語ら後付けされたものだ。非言語的な方法論を学び使うことで、観客の潜在意識を操作/誘導し、より味わい深い映画になる。
そのハウツーとして照明、小道具、天候、カメラ、構図、などなど様々な切り口からのアプローチを紹介してます。
名作といわれる映画を例としての指南がメイン。脚本説明に膨大なページを割いてあり、これは必要なのかな?とは思った。個人的には教科書として本棚に加え、事あるご -
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結果よりも過程が大事とよくいわれるけど、
その根拠が分かった。
自分には能力がある、ないで判断しない。
今はなにもできないかもしれないけど、なんかいも練習することでできるようになる。
その出来るようになったことは、回りと比べたらできてないかも知れなくても
過去の自分と比べたら出来るようになってる!
その積み重ねが大事。
小さな円を描く
これは派手な技は目立つが、地味で基本的なことの方が大事ということだ。
何事も基礎が大事で基本を何回も繰り返すことで応用が出来るようになるし、逆に基本を疎かにすると
応用もなかなか上達はしない。
武術の試合のシーンは、心情など細かく描写されており
観戦してるか -
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ネタバレチェスと太極拳推手の世界チャンピオンの話。
興味を持ち、楽しみ、集中し、反復演習をして体や頭が反射的になるまでにし、いつでも落ち着いて対応できるように心理的な部分を強化することが大切。
練習をしっかりやるとかフィジカルの部分は最低限であり、世界クラスになると心理的な部分で勝ち負けが決する。
自分は、そもそも最低限の部分が十分にできていなかったと思う。
心理的な強化とは、ルーティーンを作るとか、いつでも最高の状態にする為の工夫であるが、部屋の中をあえて散らかしておくとか、ノイズが多い中で集中する訓練をするとか、ほんと、すごいなあと感心する。
あとは、以下に回復するかも大事。 -
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脚本が素晴らしいと言われている映画、例えばゴッドファーザー、トッツィーとかLAコンフィデンシャルなどを題材にストーリーの作り方を学ぶ、という本です。内容はものすごく濃くて、おそらく、映画学校みたいなところで、半年とか1年くらいかけて学ぶくらいのレベルなのではないかと、思います。ストーリー作りにおいてよく言われるヒーローズジャーニーとか三幕構成に対しては少し批判的で、著者が考案したという22のストーリー構造という考え方をもとに、ストーリーを作り上げよう、という本になります。
その22の構造とは以下のものです。
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* 1 自己発見、欠陥、欲求
* 2 亡霊とストーリーワールド
* 3 弱点と欠陥 -
Posted by ブクログ
ネタバレチェス、太極拳、その両方で得られた経験の統一、という3つのパートからなる。
この本が面白いのは、太極拳にて、相手の状況(まばたき、両足のどちらに体重がかかっているか等)、自分の精神状況、等試合中とは思えない程細かい所の情報までもが試合運びに利用されているということ。その細かい情報を思考するのでなく、無意識下で認識して、反射的に正しい打ち手を出す状態にまでしている。
チェスでも太極拳でも、刻刻変化する状況の中で、短時間で状況を認識し、正しい打ち手を用いて、相手より有利になるかが、細かく描写されている。
それは、チェスや太極拳だけでなく、コミュニケーションや事務処理、リーダーシップや勉強にまで応