酒井仙吉のレビュー一覧
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難しくてついていけない部分もあったが勉強になった。とくに第二部は大進化の要点がまとまっていて興味深かった。
・脊椎動物の祖は先カンブリア時代に二回(8億年前と6億~5億年前)もゲノムを倍化させている。染色体数の増加は遺伝的変異の広がりと直接関係することから、進化に大きな影響を及ぼした。
・海で生命が誕生したとすると、細胞内でカリウムとリン酸が多く、ナトリウム・マグネシウム・カルシウムが少ない理由を説明できない。
・カンブリア紀、「目」が出現したことで弱肉強食の世界となった。歴史上、目の出現は一回きりである。
・進化が起こるためには隔離、つまり物理的に両者の交流を遮断する何か―地殻変動や異常気 -
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ネタバレすごーくおもしろかった。高校生物程度の知識があるとなお面白いのかも。タマゴや牛乳の、時代的背景から、栄養面、誕生までのメカニズム、家畜開発からその問題点まで、あらゆる側面からの話があって、しかもわかりやすい。気になったことを、気になったタイミングで解説してくれる。雑学だけでなく、タマゴの見分け方とか使い分けとか、実用的な話もあって、実践したくなる。色付きのタマゴはわけもなく高級で栄養価が高いとわたしも思い込んでいたけど、そうじゃないんだなとか。タマゴや牛乳のありがたみも実感できました。
ただ独特な文のつなぎかたをするので、読み始めは少しびっくりする。あとしばしば唐突にテンションが上がるのでおも -
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面白い本だったな。ブルーバックスということで、「科学」ないし「生物学」系の話ばかりと思っていたんだけど、社会的、歴史的な話も盛りだくさん。それでいて科学・生物学的話が軽くなってしまうこともない。歴史的側面にしか興味のない人も、あるいは生物学的側面にしか興味のない人も、きっと思わぬ面白さに出会えるんじゃないかと思う。
社会学的部分については少々裏付けの少なさがきになったけれど、それはまあ自分で調べる楽しみを与えてもらったと解釈しておこう。
たまに個性的な構造の文があってとまどうところもあるんだけど、全体的には読みやすい好著。楽しい読書体験だった。 -
Posted by ブクログ
筋トレするようになってから、冷蔵庫には牛乳とタマゴが常時ある。牛乳やタマゴはスーパーで安価に買うことができ、日常的に消費している。そんな身近なものになったのは、人間の知恵と努力と、欲望によるものだ。さらっと書かれていた「欲望」というのがポイントであり、著者の思想が込められているように感じる。
本書では、人間と牛・ニワトリとの関わりを狩猟採集の時代にまで遡って説明している。食肉を得るためには狩猟をすればいい。でも、牛乳やタマゴを安定的に得ようとしたら簡単ではない。本来、牛乳は母牛が子牛を育てるためのものだし、タマゴはヒナが育つための栄養だ。野生の牛や鳥は、都合良く毎日牛乳やタマゴを生産してはく