岩佐美代子のレビュー一覧

  • 永福門院 飛翔する南北朝女性歌人

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    第1部で、京極派の中心歌人で伏見院を夫とする永福門院の生涯を詳しく追う。政治的に波乱に満ちた鎌倉末期から室町初期を生き抜いた永福門院は、持明院統と京極派和歌と西園寺家を毅然として守り抜いたのだ。
    第2部は、勅撰和歌集の玉葉集から永福門院の49首、風雅集から69首の和歌を選んで、詳細な解説を加えている。
    第3部は、永福門院の全作品を掲載。
    著者は、玉葉集の永福門院の和歌を「清純な張りのある美しさ」とし、風雅集のものを「自然と人生すべてを包み込む、深い強靭な愛」としている。この評からも分かるように、京極派和歌は、伝統和歌の縛りに捕らわれず、自身の観照、思いを直截に歌い上げたのだ。口語的な表現も厭わ

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    2022年05月07日
  • 宮廷に生きる 天皇と女房と

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    何て面白い本だろう!と専門書のくせにぐいぐいと引き込まれた。

    そして岩佐先生の言葉づかいや話し方のなんと美しいことだろう。

    略歴を見ると大正時代の生まれの方で、(その時点でだいぶびっくりしましたが)調べてみたらいわゆる上流階級の生まれの方だったんですね。宮仕えも経験してますし。読んでてなんとも恐れ多い気分になりました。やはり美しい言葉っていいものですな。

    内容は過去の講義をそのまま話し言葉にして書いたもので、私も直接聞いてみたいものです。

    数ある講義の中で特に光厳天皇のところですごく感動した。南北朝となると天皇はもはやお飾り状態で花園院もそうだけどその時の憂いや悲しみを思うと心が苦しい

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    2013年04月18日
  • 讃岐典侍日記全注釈

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    堀河帝のおそばにいた讃岐典侍の日記。帝と過ごした日々、帝のいない毎日、今の時代とはかけ離れた価値感の存在する宮中内ではありますが、同じ女性として、そっと心寄せたくなる作品であることを教えられました。
    岩佐さんの「補説」を読むと、更に愛おしくなるような作品であることを実感しました。

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    2013年01月27日