ホーソーンのレビュー一覧

  • 緋文字
    みなさんは海外の作品を読むときに翻訳家というものをどの程度意識されているでしょうか

    え?★5付けといてまた関係ない話し始めるの?と思ったみなさん
    安心してください
    この素晴らしい名作は光文社の他に多彩な出版社から刊行されていて
    それぞれに素晴らしいレビューが存在しています
    そっち読めばいーじゃん!...続きを読む
  • 緋文字
    数年前にも違う訳者さんの本を読んだのですが再読。やはり良いです。
    清教徒の多い、宗教と法律がほぼ等しい土地で不義の子を産んだヘスター。ヘスターが名を明かさなかった、相手の牧師、ディムズデール。そしてヘスターの本来の夫であるチリングワース医師。三人を中心に描く、罪と贖罪の物語。
    罪を犯し、それを悔やみ...続きを読む
  • 緋文字
    胸が締め付けられる。
    出てくる登場人物の誰もが、少しの悪と、沢山の苦しみと愛を持ち合わせていた。

    それにしても、悔恨が心身にもたらす影響力の強さよ。

    アメリカ(特に田舎)には、素朴さや真面目さが感じられるけれど、それはピューリタンの流れを汲む歴史が脈絡と受け継がれているのだろうと思った。

    ヨー...続きを読む
  • 緋文字
    最後まで読み、「辛い」と声が出た。結局、牧師と神との間で交わされる神聖な対話や関係の前では、子供を産んだヘスターは無力だ。森での美しいヘスターも歯が立たない。牧師は、「ヘスターの苦しみを痛いほど知っていた(だからこそ辛かった!)、他人に罪人であることを隠して苦しんだ!、死ぬ前に罪について告白するのだ...続きを読む
  • 緋文字
    最初の税関はなかなか読み進められなかったが本編は講談のような語りで読みやすい。ただし税関の内容は、今の仕事がしっくりこないと思う現代人にも共感できるものがあり親しみを感じる。割と早い段階で事実が暗示され、何も語らず世間と対峙するヒロインに対し、世間体や周囲の期待に押しつぶされ罪を隠している男の良心の...続きを読む
  • 緋文字
    米文学史の授業で初めてその名を知った、ホーソーンの代表作。
    授業でのあらすじの説明から、なんて暗い話を19世紀に書いたのか、疑問でならなかった。
    その疑問は解けてはいないが、ヘスター・プリンの強さと、不倫相手の弱さと苦悩を描かずにいられなかったのだろうと推察した。
    それにしても、授業であらすじを紹介...続きを読む
  • 緋文字
    税関の部分は、だらだらと長く続き、読みにくい。しかし、『私』のセイラムの地への愛着は郷愁を喚起し、寂れた街で過ごす人々もまたセイラムの地に縛られているのかと考えると哀愁を帯びて感じられ、改めて読み直すと共感を覚えた。地縁的なものに敏感な人には、通ずるものがあるのではないか。
    本編は、ストイックな牧師...続きを読む
  • 緋文字
    CL 2021.12.10-2021.12.18
    新訳でとても読みやすくなっている。
    7年も自分だけ罪を隠して、隠しておけなくなったら死んでしまうディムズデール牧師は情けない男ではないか。
    ヘスター・プリンはその間もずっと幼い子どもを抱えて世間から拒絶され、差別され、たったひとりで敢然と生きてきたと...続きを読む
  • 緋文字
    作品は1850年に発表されたものだが、舞台はさらに200年も遡ったアメリカのニューイングランド。
    そこはピューリタンの町で、当然ながら厳格な信仰が守られているコミュニティだ。
    タイトルの緋文字とは、そこで姦通の罪を犯した女性への罰として、その衣服の胸のところに常に着けるように定められた緋色のAの文字...続きを読む
  • 緋文字
    私に宗教の観点が欠けているので、
    牧師の苦しみがもどかしく感じる。
    そこまで罪の意識に苛まされるのだったら手を出すなと。
  • 緋文字
    愛と苦悩
    (実際に読んだのは角川版)
    古典の名著といえば、そのうちの一冊にホーソンの『緋文字』があげられるだろう。
    なるほど、清教徒入植間もないアメリカで、姦通の罪で晒されたへスター、その夫、姦通した相手の若い牧師のそれぞれの心のうちを巧みに描いている。
    また、罪の子、パールの無邪気な姿が、その無邪...続きを読む