岩堀修明のレビュー一覧
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進化や生物について詳しく知りたいという漠然とした思いから本を探し続ける人は、どうやって読むべき本にたどり着けるだろう。
知識や嗜好が違う万人に勧められる学術本というのは難しく、自分が読めそうな本を片っ端から読んでみるしかなかったが、それを続けることでようやく本当に読みたかった本に出会うことが出来た。
本書は、生きていれば誰もが抱く単純な疑問『人間と他の動物ってどうしてこんなに違うの?』に対し、原始的な脊椎動物から順に魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類とどのように内蔵器官が進化してきたのかをわかりやすく図解で解説する。
例えば両生類が主に皮膚で呼吸していること、魚の浮袋は陸で生活したときに得 -
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心理学に興味を持ち、色々本を読みあさっていてたどり着いた1冊。この本は生物の持つ感覚器について、(1)その仕組み、構造、(2)進化の過程という2つの観点で説明している。
(仕組み・構造は、細かな部位の名称が多く出てきてややこしく、さらっと読み飛ばした。タイトルに"図解"とあるが、感覚器の構造を図解している。自分は文字を読む方が面白かった。)
この本は、無脊椎動物、水棲脊椎動物、陸棲脊椎動物、そしてヒトに至る進化の過程で、生物がどのように環境に適応し、進化してきたかという形で感覚器について説明している。最後に、陸に上がったにも関わらず、再び水に戻っていったクジラをあげて総括 -
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視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚といった感覚がどのように進化していったのかを、さまざまな生物を比較しながら辿ってゆく内容。
それぞれの代表的な感覚器官(主に五感)ごとに章だてされ、解説も専門用語がかなり出てくるが、丁寧に説明されているのでわかりやすい。
全部読み終えると、ヒトとは各刺激に反応するセンサーと、それを脳まで結ぶケーブルで構成され、体はそれらを守る被覆菅のようなものに過ぎないのではないかと思えてしまった。そこには風景を見て美しいとか、音楽を聴いて感動するといった感覚は一切無い。いかに敵から身を守り、環境に合わせる/耐えるかといったような、生き残るための感覚の進化史が豊富な図版で描写されて -
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筆者の後著『内蔵の進化』が名著すぎたせいか、同じ感動は得られず。
そもそも外から見える感覚器は、それぞれの種族の役割に応じて大きく形を変えているが、中身としては感覚細胞で得られた微細反応が神経線維を通して脳に伝えられるという構造は変わらない。
内蔵のときに感じた、段階的に機能とともに形状が進化していく過程感はなく、結果としてのそれぞれの種族の違いを語られているように感じてしまい"進化"の醍醐味は薄い。
とはいえもちろん、その他の雑学本とは一線を画して面白いのは間違いない。
視覚器一つとっても、
・脳からつくられる眼と、皮膚からつくられる眼
・かつて祖先にあった頭頂眼が退化 -
Posted by ブクログ
内臓・器官別に章立てされていて、哺乳類から爬虫類・両生類・魚類、果ては昆虫や寄生虫に至るまで、その差異を多数の図と共に解説した書籍。
これほど広範な情報を1冊に凝縮した書籍ってのは、他にも有るのだろうか?、と思ってしまうほどの迫力に圧倒される。
文体は硬いが、内容で魅せる。
人体からは想像もできないような構造が、どのような発生の過程で生み出されるモノなのか?などの解説もあり、興味深い。
普通に周囲にいる、或いは体内にいるかも知れない生物との、まるでこの世の物とは思えないほどの相違。
とても良く出来たSF設定のようにも映るが、紛れもない事実を編纂した物であるところが、また面白い。 -
Posted by ブクログ
動物の感覚器はどのように作られてきたのか。視覚,味覚,嗅覚,平衡・聴覚,体性感覚の五感について,無脊椎動物から哺乳類まで,くわしく見ていく。
動物にとって感覚器は,外界の様子をキャッチして,適切な行動をとるために不可欠の器官だ。視覚器は周囲の状況を光で感知し,味覚器は摂取する物体が安全か危険かを判断するなど。ただ人間の味覚など,毒見というよりは美味を堪能する文化的な機能のウェイトが大きくなっていることも興味深い。
感覚器からの情報が脳に伝わると「感覚」が起き,それに強さや時間的経過が加味されて「知覚」になり,さらにそれが経験に基づいて解釈されて「認知」となる。
刺戟と感覚器のどちらが欠 -
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この本を読み終わるのに二週間以上掛かった。
なぜなら、
本書を読んだら10分ほどで、
空恐ろしいほどの眠気に襲われ、
夢の中へ行ってみたくなってしまうためである。
眠れない夜のお供にどうぞ。
冗談はさておき、
眠くなってしまう理由は、
専門用語が乱立しているからだと思われる。
もちろん、
その意味は懇切丁寧に説明されているのではあるが、
いかんせん、理解の及ばない言葉の羅列というものの睡眠有引力は侮りがたい。
かといって、
面白くないかと問われれば、
やにわに「否」と答えるだろう。
それぞれの感覚器をつまびらかにしていくと、
生物がいかに生活環境(他の生物がいる状況も含め)に左右