青木淳悟のレビュー一覧

  • 私のいない高校

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    前から、単行本の装丁からくる素朴な印象とか阿部和重との対談を読んだりしたこともあって初めて読んだんだけど、精緻な文章で退屈さも感じつつ。
    修学旅行の週の記録もエピソードを広げることなく、淡々とは進められていて、あえてまだ芽の出ていないエピソードに手をつけず膨らませない姿勢をとっているみたいだった。
    また、その場所その場所の歴史や古典の説明を細かく織り交ぜるところはいかにも頭いい、って感じで逆に新鮮。

    文体の中で明確な焦点となる人物はいなくて、あえて言うなら「学校」と「担任」なのだけど、その担任の方はと言うとカナダからの外国人留学生を常に気にかけている。その留学生と担任を含んだ学校全体を、担任

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    2012年01月12日
  • 私のいない高校

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    留学生が日本の高校に留学すること以外はごく普通の高校という場所で起こる日々を淡々と書き綴った…これは小説?まぁでもその前に量子物理学の本をかじってた私には、目の前にあるものをただ受け入れるという視点が備わっているから大丈夫なのですが感想難しい。

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    2011年11月23日
  • 私のいない高校

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    初めての青木作品。

    評判の良さを目にして読んだが、戸惑った。

    物語性の高い設定ながら何という事件は起こらない。

    題名から期待される何ものかも無い。

    読む側が勝手に想像することを試されているようであった。

    リアリズムというならシュールレアリズム。

    緻密で具体的な詳細に「小説」という名付けがあると突然意味合いが変わる気がした。

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    2011年10月16日
  • 私のいない高校

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     留学生を受け入れた高校の数ヶ月を描いた作品。しかし、なんとそこには物語が一切無いのだ。
     タイトルは主人公がいないという意味のようで、一応は担任の目線で、ただ学校の日常が淡々と記録されていく。何か事件が起こる予兆があっても、結局はすべて尻切れで終わり、物語に発展することはない。
     それが延々と続いてもページをめくってしまうのは、僕の場合、覗き見な感覚を刺激されるからであります。
     小説のあり方を覆す実験性と、物語無しでも読ませる筆力は凄いと思いましたが、でもやっぱ正直言うと「退屈」だったよ。

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    2011年10月13日
  • 私のいない高校

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    創作物についてひとつの意見を持っている。それは「創作物は発表された時点で作者の手を離れ受けてのものになる」というものだ。それに従うならばこの「私のいない高校」という小説は、発表されてもなお作者が作品を手放していないと感じる。
    局アナがナレーションを付けたドキュメンタリーを見ているような感じだった。

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    2011年09月14日
  • 私のいない高校

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    「私のいない」=「主人公がいない」あるいは「物語の焦点がない」という感じか。とにかく普通の小説を読むのとはまったく違う手触りの作品。ともすれば無機的な記録文となりかねないものを小説として成り立たしめているものは何かというのは追々考えたい。

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    2011年08月13日