霞流一のレビュー一覧

  • 御城の事件~〈東日本篇〉~

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    【収録作品】「大奥の幽霊」高橋由太/「安土の幻」山田彩人/「紙の舟が運ぶもの」松尾由美/「猿坂城の怪」門前典之/「富士に射す影」霞流一

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    2020年08月19日
  • 御城の事件~〈東日本篇〉~

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    先日読んだ『御城の事件<西日本編>』がなかなか面白かったのでこちらも読んでみた。

    この<東日本編>はどちらかと言えば時代物という枠を超えた感があるが、『御城の事件』という枠は守っているので良いか。

    高橋由太「大奥の幽霊」
    <もののけ>シリーズで有名な作家さんだが読むのは初めて。
    『大奥で赤子の幽霊が泣いておる。成仏させてくれぬか』
    将軍家綱の命により大奥を探ることになった主人公の忍びが行き着いた真相とは。
    てっきり明るいもののけ物だと思っていたら、意外な顛末だった。

    山田彩人「安土の幻」
    幻の安土城を描いたという襖絵を写しとるために絵師の芳永がやって来たのは、豊臣方の軍勢に水攻めを受けている最中の大志城。
    写し取った安土城の姿絵を水没しつつある城からどう持ち出すのかという作戦を立てるのが、盲目でツンな姫君というのがワクワクする。
    この姫君と芳永のやり取りの楽しさでテンポ良く読めるが、そこに輪をかけて興味を引いたのは安土城の姿を写し取った芳永の、安土城は城ではないという結論。
    では安土城とは何だったのか、そして信長の狙いは。
    この作品が一番印象に残った。

    松尾由美「紙の舟が運ぶもの」
    幽霊物やファンタジー物がお得意の作家さんだが、時代物は初めてらしい。
    藩主の妻からの依頼で城内の野鳥を調べている主人公が出会ったのは、子供の幽霊。
    そして朝になると堀に紙の舟がどこからともなく現れる事件が起きて…。
    幽霊と主人公の交流が、距離感が程よくてほのぼのする。謎解きの方も大ネタではないが、松尾さんらしくて面白かった。

    門前典之「猿坂城の怪」
    石垣修理中の城内で、堀に渡した仮橋に座って城を描いていた絵師が殺される事件が発生。
    当時は霧が立ち込めていて橋の手すりや床板の夜霧の粒に乱れはなかった。つまり橋の上には殺された絵師以外はいなかったことになるのだが…。
    変則的密室事件にもそそられるが、それ以外にも読んでいて色々違和感がある。その謎は終盤に一気に明らかになる。
    何とも様々な仕掛けが施された作品だが、最後の一文で更に違和感が。結局これは時代物ではなかった?

    霞流一「富士に射す影」
    城内の六地蔵の一つが持ち去られていたり、牢から逃亡した罪人が殺されて山の穴の中で餓死させられていたり、小姓頭が石垣に激突死していたり、男の生首とイタチの胴体が繋げられた死体が見つかったり、連続する奇怪な事件の意味は…。
    肝は何故こんなことをしたのか、ということだが、今も昔も宮仕えは大変だなという印象。


    全体的にはもう少し史実と絡めた話を読みたかったかなという感想。単純に御城と事件という組み合わせを読みたい方には良いと思う。

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    2020年06月24日
  • 忍者大戦 黒ノ巻

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    本格ミステリー作家の書く忍者小説アンソロジー。霞先生の作品が、いつもの言葉遊び炸裂で良い。他の作品達もそれぞれミステリーの書き手らしくストーリーにどんでん返しが仕込んであり、トンデモ忍術とあわせてエンタメしてて面白かった。

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    2020年01月03日
  • 死写室 映画探偵・紅門福助の事件簿

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    映画探偵といっても映画の蘊蓄で解決するのではなく、撮影現場などで起きたあり得ない殺人事件を解決する探偵。何となく面白い気もするけどバカミスすぎて記憶に残らない。

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    2018年06月08日
  • 独捜! 警視庁愉快犯対策ファイル

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    最近、警察小説モノが多いですね、霞先生の作品。『スパイダーZ』が大好きで、その方向性の後継作を期待していたのですが、思いの外こぢんまりと纏めていて、アッサリ風味の作品だったという印象。
    ユーモア本格ミステリと帯に書かれてはいますが、ユーモア風味もちょっと弱いような……お得意の畳みかけるような推理合戦の応酬もなく、とにかく全体的に薄味の印象なんですよな……。

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    2017年01月14日
  • 災転(サイコロ)

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    霞作品のホラー……ホラー…かな…?みたいな印象。ノリはいつもの霞作品なんだけど、ホラーというよりミステリっぽく読めそうな…あのラストの辺りの謎解きとか、バカミス的楽しみ方ができました。 

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    2016年08月04日
  • フォックスの死劇

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    ちょいとネタがてんこ盛りで雑多な感は否めませんが、バラバラ殺人かつ連続殺人、作者お得意の映画業界ネタ、そしてハードボイルドに決めつつ次々繰り出されるギャグ。あと美味しそうな食い物ネタ、と、どこをとっても霞作品だなぁ、という感じで堪能しました。この独特のノリは毎度読者を選ぶなぁと思いつつ、私は大好きな部類ですww
    マグロのブツのアレ、自分でも作ってみたくなりました。

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    2015年10月14日
  • おなじ墓のムジナ 枕倉北商店街殺人事件

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     主人公は商店街にある本屋の息子、失業中。その商店街でタヌキにまつわる小さな事件が続いたあと殺人事件が起きた。タヌキの謎と殺人事件はつながっているのか(いるに決まってるけど)? ユーモア・ミステリー。

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    2011年09月09日
  • おさかな棺

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    謎解きの強引さは短編のためか益々威力増大。
    作者自身、大の魚好き(食べる方)と言うだけあって、謎の精神科医・宇大公彦のお魚薀蓄付きのお食事場面がいかにも美味しそうでお腹が鳴り、唾液が溢れる。グルメ小説ですか?

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    2009年10月04日
  • おさかな棺

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    日本のバカミス第一人者、霞流一さん。一度読んでみたいと思いつつ、どこから入るべきか悩み、結局書店で一冊だけあったものを選びました。霞作品ではおなじみの探偵・紅門福助と、魚大好きな精神科医(?)宇大公彦の連作短編集。冒頭はどの作品も、なんとも奇妙な日常の謎から始まります。それを調べていくうちに殺人事件にあたるんですが・・・トリックがかなりバカ。特に最初の2編は散々謎めかしておいてオチはそれかい!と拳を握り締めました。何故魚に関する事件ばかり扱っていたのかが判明する最終章では、最後で怒りを通り越して唖然。でもこの罵声を浴びせたくなるような呆れる笑いが好きなのです。きっとこの作家さんの作品の中にはもっとバカミスなものがあると思います。もうちょっと他の作品も読んでみる予定です。

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    2009年10月04日