小塩隆士のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恐らく同じ話を聞いても文系と理系という最も大雑把な括りですら捉え方が違うと思われ、その道の専門家が属する集団によって考え方のテンプレがあるという話はよく理解できる。経済学者が効率性と公平性の2軸で思考しているという事実は興味深い。ただそれを自覚できるかどうかはまた別の話。それには高度なメタ認知能力が必要だ。著者の専門が主流派経済学から離れていること、アカデミア以外の職歴があることをその理由として記しているが、もともと図抜けて頭が良い人なのだろう。
こうして頭の良い経済学者がせっかく財の効率的で公平な分配方法を提案しても、困った人を助ける政策が大嫌いな自民党が政権与党でいる間は実現しない。さ -
Posted by ブクログ
ネタバレ誰一人悪くならないで、少なくとも一人が良くなることをパレード改善的、という。
一人を良くするためには、誰かが悪くなる場合は、パレード効率的、という=パレード改善的になる余地がない。
補償原理=悪くなった人の分を補っても、より誰かが良くなること=カルドア基準。実際には実現しない。
GDPが増えても、国民全体が幸せか、とは別問題。
選択的夫婦別姓はパレード改善になる。しかし反対の人はそういう社会が嫌だと思っている。
社会保障は、社会連帯のみで考えるべきではない。給付と負担の損得勘定も正しい。在職老齢年金があるために働き控えをすることは、社会から見ると正しくないが、個人から見れば正しい。生活保護も -
Posted by ブクログ
非常に幅広く、浅く、時に深く。
教科書に載っているような基礎的な内容から、現代日本に於ける内容まで網羅されており、かつ高校生目線での説明もあって、かなりスッと内容が入ってきました。
私も高校生なのですが、書中に書かれているように、高校生以外で経済学を学びたい!という方でもかなり満足できる内容だと思います。
寧ろ、ある程度、普段政経情報を触っていないと難しいかもしれません。そういう意味では高校生ではなく大人向けと言っても過言ではないと思います。
初版は2002年と少々古いですが、現在のものは最新版で書き換えられており、データや文言(アベノミクスなど)も新しく、大変タイムリーな話題も多いです。 -
Posted by ブクログ
高校生のための…というタイトルでしたが、
第5.6章は大学生の私でも少し複雑な内容だと思いました。(私の理解力が低いだけだと思いますが…)大学生で経済学を専攻してる訳ではないのですが、授業に出てきた単語が出てくると少し嬉しくなるタイプの人間なので、途中で飽きてくるようなこともなく、また、
かなり細かく事柄を説明してあるので概ね
分かりやすいです。『おわりに』で昨今の経済学部専攻の大学生のレベルを問題視して
高校生に経済学に関心を持って貰いたい反面、高校生には経済学ではなく、学校の課目
(教養)をみっちり勉強して欲しいという矛盾にジレンマ陥っていると述べており、学問を究める人の苦悩を感じました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ<内容紹介より>
わが国の高校では、経済学がほとんど教えられていない。「政治・経済」という科目に経済学の基礎が説明されているが、この科目自体の影が薄い。一方、世の人々の経済に対する関心はけっして低くない。本書では高校生にもわかるように、ポイントをきちんと抑えながら、経済学の基本的な考え方を解説する。理論そのものよりも、現実の経済問題の解決に経済学の考え方がどのように生かせるかという、実践的な面を重視する。
……筆者はこの本を書くために、ゼミの学生に高校で使っていた「政治・経済」の教科書を見せてもらったり、本屋で受験参考書をめくったりしてみました。しかし、正直言って、そこに書いてある経済学の説明