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『宿主』救済,それは青年の贖罪だった。
いつの頃からか、この世に現れた人間に寄生する妖花。その花に寄生された人間――『宿主』は頭から花を咲かせるようになる。しかしこれは花の本体ではなく、仮花と呼ばれるもの。おそろしいことに『宿主』は、本体の花を咲かせることこそ己の第一の使命と思うようになり、花の咲くときが来れば、自らそれに適した場所へ向かう。つまり花に操られて行動しているのだ。
花の命を繋ぐこと。それが花と、花に操られた『宿主』にとっての至上命令。
だから『宿主』を殺すことを生業にしているルッカが、憎まれるのは必定。しかし、それはルッカにとって酷く悲しいことだった。救えども、救えども、ルッカは恨みだけを背負っていく。どれだけ拒絶されようとも、ルッカはかつて人間だった頃の彼女たちのためを思い『宿主』を狩り続けていた。
そんなある日、ルッカは街で花を咲かすことと、もう1つの目的をもった『宿主』の少女・リディと出会う――。
人に寄生し成長する妖花の存在する世界。そこで織りなされる『宿主』の少女と妖花を狩る青年の物語。
アニメ『まどか☆マギカ』などで知られる新房昭之監督が選んだ第8回小学館ライトノベル大賞審査員特別賞受賞作。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ 2019年05月27日
一貫して花というモチーフを存分に使っているのは見事。飲むと葉脈が浮き出る身体強化の蜜虫、花に寄生された宿主などはイメージしやすく、世界観の設定は非常に面白い。文章も上手く、かなり丁寧に描かれた印象がある。ただ、主人公の動機が始まりから終わりまで通して他者依存が酷く、いまいち行動理念に説得力を感じなか...続きを読む
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