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「データが情報化社会のオイルなら、中国は圧倒的な産油国だ」と自認し、対話アプリやキャッシュレス決済、町にあふれる監視カメラなどで情報を集約する。そこからのシステム・技術はアメリカを超えて、両国の軋轢となっている。中国AIの実際を中国特派員が内部から書いた。
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Posted by ブクログ
「内側から見た「AI大国」中国 アメリカとの技術覇権争いの最前線 福田直之 朝日新書 2021年」自分が駐在していた17年からの3年あまりに起きた中国の変化が書かれていて面白く読めた。Huaweiやジャック・マーの件、監視カメラだらけの監視社会や、アメリカとの半導体戦争も勉強になった。
2021年発行。中国におけるAI開発の事情や米国との争いなどが具体例と共に多数わかりやすく解説されており良い。半導体業界に関する概説も表で整理されていてわかりやすい。特に半導体は国際的な分業が進んでいるが米国や台湾、韓国中心で中国が弱みを抱えているとのこと。中国・台湾問題において台湾のTSMCが大き...続きを読むな鍵を握っている。80年代の日米貿易摩擦で日本の半導体産業がつぶされたことも記載あり。
80年代に米国に潰された日本。 次は中国が標的になっている。 中国は13億人の人口によるデータを使え欧米と比べて個人情報にもゆるい。
・ディストピアはユートピア? アニメ『サイコパス』のようなハイテク監視社会がもう既に実現しているという事実に圧倒された。 しかし一般民衆は監視社会化したことによる犯罪率の低下・治安の改善を喜んでいるようである。 『1984』で監視社会はディストピアとして描かれていたが、実際は『素晴らしい新世界』...続きを読むや『サイコパス』のようなユートピア的社会を到来させるかも? ・半導体競争 米中間の貿易戦争、いわゆる「新冷戦」の内実が知れるのも本書の見どころ。情報化社会の維持・発展に欠かせない高性能半導体は分業化が進んでおり、中国は設計能力があるものの生産能力はなく、そこをアメリカに抑えられて経済発展に遅滞が生じているようである。 アメリカの戦略の有効性がよくわかる。
過剰な対中脅威論・親中論に陥らないために、中国のAI分野を取り巻く現状把握のための情報を提供。AIにおける強み=ソフトの社会実装力、弱み=ハードの製造能力それぞれについて、業界トップへのインタビューを交えながら描く。 半導体について記述している第三章を読むことで、半導体業界のわかりやすい地図を頭に...続きを読む入れることができた(予想外の収穫)。加えて、AI実装のための社会規制の緩和VSアントに対する共産党の強硬姿勢という一見相矛盾する事象について、習近平指導部の思想というところにまで踏み込んで解説されているなど、テック界にとどまらず、広く中国の政治・経済体制について記述されており、入門書として適していると考えたため。
中国のAIの現状を知ることができる。 【概要】 ●中国のAIの弱点 ●中国の監視社会 ●中国の技術政策 ●中国のイノベーション全般を取り巻く政治的な環境の変化 ●中国のイノベーションの人材 【感想】 ●中国のような専制国家は個人情報保護ができなくても問題にならず、それがAIに必要な質の高いデータ...続きを読むの入手につながる。日本ではあり得ない。 ●一方で、日本は半導体やソフトウェアの技術が優れていることから、その強みを生かした政策をとることにより、AIの競争の中で優位性を確保しなければならない。どうすれば日本は不利な状況に陥らないですむかアイデアが必要だと思った。
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内側から見た「AI大国」中国 アメリカとの技術覇権争いの最前線
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