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本書は2004年と2008年にそれぞれ出版された同著者による
「縄文人の能舞台」、「宇宙に開かれた光の劇場」(本の森社刊)に続く3作目である。
過去の2冊については、1冊目が「鈴木春信の見立て考古学論」であり、
2冊目は「鈴木春信とフェルメールの見立て比較研究」で、
そして本書が純粋の「フェルメール論」となる。
しかし、本書だけ切り離してもフェルメールの絵画論として成り立つ。
フェルメールの見立て世界は、天文学や物理学の立場から見た宇宙を、
クリスチャン・ホイヘンスの目をかりて実現したものに他ならないと著者は主張する。
フェルメールはこのホイヘンスの父であり、17世紀のオランダを代表する
外交官かつ当時有数の芸術家であったコンスタンティン・ホイヘンスと親密な関係にあった。
音楽と絵画と詩が隠喩として織り込まれたフェルメール作品は、
自然科学と芸術が結実したバロック宇宙に他ならない。
細密画や遠近法は、時空の消滅に変換され、
男女の視線の交換は、銀河を隔てた織女・牽牛となる。
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