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海外で高く評価され、作品が高額で取引される村上隆。彼が、他の日本人アーティストと大きく違ったのは、作品性の高さのみならず、欧米の芸術構造を徹底的に分析し、世界基準の戦略を立てたこと。作品をブランド化する方法、プレゼンテーションの秘訣、才能を限界まで引き出す方法……。稀代の芸術家が熱い情熱と冷静な分析をもって語る必読の芸術論。
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興味深い
村上さんの考えや、スタンスの根底に触れられる作品でした。どうして1億という価値を絵に宿せたのか、偶然ではない必然性を描いています。大変興味深かったです。
#深い #カッコいい #タメになる
Posted by ブクログ
「これがアートなの?なにがいいか全然わからない」。これが村上隆作品を初めて観た時のわたしの感想だ。お花、かわいい、ハイブランドとコラボ。難解ゆえに崇高で美しく、観る人を選ぶアートを俗世間に持ち込み、資本主義に全乗りしているように思えた村上隆は、なんだか自分には低俗に映った。 この人は、一体なにを考...続きを読むえているのだろう。理解できない人ほど気になってしまう性格のわたしは、菅付さんの推薦図書でもあった本書を手に取った。 結果、言葉の密度が高く、あまりに面白くて三回読んだ。 一回目 マガジン感覚でアート界の全貌を眺める 二回目 村上隆の考えと思想を解読 三回目 美術史の布石になったアーティストについて知る 現代アート一年生を自負するわたしにとって、アーティストを目指している美大生に向けられたであろう本書は、現代アートの世界線を知る上でとてもわかりやすかった。同時に村上隆がなぜあのような作品を作ったのかがよく理解できた。要は彼は、新しい解釈を美術史に持ち込んだという上で革新的であった。オタク文化、kawaii文化という独自形成された日本のカルチャーを世界に向けて翻訳したのだ。 圧倒的な知識量と努力量の彼こそ、美術のオタクであろう。「価値観の違う人にこそ話しかける。そうでないと未来は変わらない」という姿勢には、敬服するものがあった。 音楽も文学もアートも文脈で感動するのはよく理解できる。ただ、アウトプットの質、いわゆるアートとしての美しさというのは日本人にとっては特に大事なのではないか、と思った。
この人が天才でないのであれば、天才がしのぎを削る世界線とはこの世にあるのだろうか? 凡人すぎる私には全く分からない!
世界的に成功している唯一と言って良い日本人アーチストの著書 美術書でビジネス書、比較文化論 世界の政治文化史を徹底的に研究し、自己のアイデンティティを見つめて表現、百年経っても残っているかが基準 描きたい絵を独りよがりに描くのではない、経営、企画、プロモーション、育成まで 政治的に日本の置かれた位置...続きを読むの現実も提示してくれている 妬みに対しこうやって成功しました、みなさんやってくださいとノウハウを開示でもある、イチローさん的な、杉良太郎さんが偽善?と問うた人にあなたも売名しなさいと言ったこと、関口房朗さん金持学のオカネはモノサシと言ったのと同じ感覚か? ガッツです。
美大生に薦められて読みました。芸術に疎い自分には難しい内容でしたが、「村上隆が何故売れてるのか」は分かりました。
おもしろかったです。まさか村上隆に共感できるとは思いもしなかったので自分自身驚いてます…。村上さんはガリガリ亡者に見えて、かなりピュアでアツいハートの芸術家なんだなあと思いました。現代アートにはルールがあり、アーティストはプレイヤーという考え方がおもしろかったです。20年近く前の本だけど、今読んでも...続きを読む新鮮というのは村上さんも複雑な心境でしょうね…。
前半の翻訳の大切さ、中盤の海洋堂さんとの漫談のようなエピソード、後半の芸術家の育成・芸術家になるためのポイントなど内容が盛り沢山で、話の起伏があり、面白かった。
アートはゲーム。 既存の枠組み、脈々と受け継がれる芸術のバックグラウンドから少し逸脱し、その空間にいかに自分のポリシーを付加し、「そうきたか」と鑑賞者を唸らせることができるか。 「色が綺麗」のような曖昧な感性に訴えるものではなく、新しい「観念」や「概念」を創造し、知的な「しかけ」や「ゲーム」を楽しむ...続きを読むというのが欧米での芸術に対する考え方。 アーティストは技術より、創造に力を入れろ、と。 バンクシーについて深堀りしたとき、金額が青天井に膨れ上がる現代アート・ポップアート市場はおかしい(と、バンクシーも思っている)、もっと作者の信念の反映の巧拙や、そもそもの作品性を評価すべきと思っていたが、芸術に対する取り組み方がそもそもずれてたんだな。芸術が知的ゲームとしての位置づけということであれば、ある程度は現代アートの高額化もうなずける。一方で、「exit through the gift shop」にてMBWの作品が高額化していることを考えると、やっぱりよくわかんなくもなるけどな。。
日本の現状、芸術業界の現状に、強い怒りを持っていることが、 伝わってきて、何が必要なのかが、納得できて、元気になれた。 村上隆はいう。 芸術には、世界基準の戦略が必要である。 世界基準を知るには、美術史つまりルールの成り立ちを つかむことが必要であり、そのルールの文脈の中で位置付けること。 現在の...続きを読む芸術のルールを作っているのは、パリではなく、 アメリカ、ニューヨークである。 芸術に携わるものは、技術というよりも、発想、アイデア であり、新しい発想を作ることに力を注ぐべきである。 その発想が、文脈上に載っているかを検証する。 想像力を膨らませることに、価値がある。 つまり、芸術といえども、ビジネスの中にある。 芸術の顧客である富裕層を納得させる物語を作る必要がある。 業界の構造を知り、経済的な自立を図る。 個人の歴史の蓄積が、その人のブランドを作る。 個人の持つ才能よりも、サブタイトルである。 唯一の自分の核心を作り、自己満足を超える価値を発見する。 成長するのは、怒りであり、挫折を乗り越えることだ。 「魂の叫び」とは、違う。 アーティストの目的は、人の心の救済にある。 そのために、強烈な欲望がいるのだ。 芸術家になる根拠の濃度を高めることと、長期戦を覚悟すべきである。 そのためには、タフネスでなければならない。 熱量のある雰囲気がなければ、お客さんはつかない。 作品の価値は、物自体だけでは決まらない。 ビジネスセンスや、マネージメントセンスがいる。 知的な仕掛けやゲームやパズル性を楽しめるようにする。 芸術品を作るには、観念や概念であり、多大な努力でもない。 現代芸術の評価の基準は、概念の創造である。 金銭を賭けるに足る商品の物語があって、 つまり、投機対象になるような商品の物語。 購買欲、征服欲、勝利欲を揺さぶり盛り上げる。 芸術とは、時代の価値と気分が市場である。 芸術も娯楽も日本人だったら、世界で認められるには、 「翻訳」に投資して、人に晒す機会を増やすことである。 時代の気分を誘発する機会を増やす。 生き残るためには、どうするのか? 追いつめられた人間は、能力を駆使して自前の正義を作る。 そこには、生き残るという情熱が込められていることだ。 表現で、未来を照らしたければ、夢や希望の方向が見えていた方がいい。 「芸術家の提出した謎」 Something New、New Something! モヤモヤしていて、表現できないことを表現しようとしている。 何の目的でやるのか。人を超えたい。超人願望がある。 現代人の感性を揺さぶる一発を打ち込む。 根強い慣習や因習を振り切れる衝撃や発見や現実味。 歴史の残るのは革命を起こした作品だけ、 すでにあるものには、喝采は贈られない。 質の高い作品、魂の入った作品→アートの文脈を見つける。 日本の芸術家は、文脈の設定に対する理解不足にある。 日本の頼るべき資産は、技術。 欧米の頼るべき資産は、アイデア。 現状では評価できないものこそ革命的になるかもしれない。 だれでにもわかる説明の限界。 作品の価値とは実体のない虚構から生まれる。 夢の持ちにくい時代。 挑戦できるところは、すべて挑戦されたと思わせる時代。 アイデアは、出尽くしたと思わせる時代。 生きていることが実感できない時代。 マネジメントに集中していく人間が勝つ。 人間には、天才型、努力型がある。 ルールに則った、文脈のある シナリオに沿って作っていく。 ルールとの関係性における挑戦の痕跡。 実現不可能なことへの挑戦。 新しいゲームの提案。 芸術史の新解釈、解放。 確信的ルール破る。ルールの枠に収まらない。 他の世界にない世界観の提案。 新しい権威者を作り上げる。 世界で、唯一の自分を発見し、その核心を歴史と相対化させつつ、 発展させること。 仕事を好きになるより、好きなことを仕事をする。 自分の好きなことを究明する。自分の興味を究明する。 「興奮できるお祭り騒ぎ」を作り上げられるか? 興味を抱かせて、楽しませて、引き込んでいく。 文化の精神を説明する。 若いこと。貧乏であること。無名であること。 文化とは、色を塗る行為ではなく、輪郭を作り出す行為である。 久しぶりに、気分が高揚するいい書に会うことができた。
村上さんの考え方に共感。 単に素晴らしいモノ(アート)では売れない、そこには評価されるorする側も(判断できる)明解なルールと納得できる説明が必要。 それはそうだわぁ。とくに美術品は、作者の独特の感性から創造されている。 やっぱり創られた作品には、評価基準があるべきだ。見る側もその背景や知識を学ぶ必...続きを読む要があると感じた。あと、霞を食べては生きていけない、人間の欲や本能も分かりやすく書かれている。
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