Posted by ブクログ
2013年04月16日
痛くて甘いストーリーでした。
中学高校とブタ呼ばわりされていじめられていた叡一と偶然5年ぶりに再会した悠人。彼のせいで傷ついたばかりではなく、不登校になり両親も離婚してしまったことを未だに忘れられずにいた悠人は、叡一が自分を忘れてしまっていることが許せなくて、昔いじめられた仕返しをしようと目論むので...続きを読むすが。
かつてはぽっちゃりでかわいかった悠人も、今では成長してスッキリした美形になっているんです。自分でも変わったという自覚があるので、叡一が気付かないことに腹が立つのはある意味勝手ですよね。
ただ、傷つきやすい年頃にそういう目に遭ってしまった悠人の気持ちを考えると、かわいそうでした。好きな子をいじめちゃう心理なんて理解できないだろうし、ちょっと度が過ぎる気が…
まあ、実は天性のドSが潜んでいる叡一の性格がよく現れているとは思いました。
なので、そんなヤツに仕返しをしようとする悠人の頑張り?は受け入れられましたが、その手口が手ぬるいww自分とデートさせていっぱいお金を使わせ、気も使わせるという、何とも甘くてオイシイとこ取り!
昔とは手の平を返したように悠人にやさしくて言いなりな叡一を、めいっぱいもてあそんだ後、バッサリふってしまおう、というシナリオです。
叡一を奈落の底へ引き摺り下ろすことで上手くいったかのように見えた仕返しだったのですが、意外にもこの後大どんでん返しが待ち受けているんです…
二人の主従関係が何度も入れ替わって、目まぐるしい展開です。ホントのところはどうよ?となって、最後まで目が離せません。
叡一の愛情表現がとってもわかりにくくて難儀しました。なんとなく、わかってくるんですけどね。彼にとってみれば、一生懸命素直にアプローチしたら拒絶されたので、だったら鬼畜にヤンデレ攻してやる…という思考回路だったんでしょうか。
とても愛情表現がヘタクソな攻でした。
読んで字のごとくまんまと「個人経営的社畜」にされちゃった悠人は、とってもかわいかったですが、やっぱり少しイタかった…
特に少しでも愛があるなら、首輪の喋ることができなくなるくらいの恐怖ってのはNGなんじゃないの?と思ってしまいました。SMちっくな関係は、煽られて悪くなかったですが。
いじめられるのが似合ってしまう悠人もまた、好きと嫌いが裏返ってしまっているタイプです。
なかなか歯車がかみ合わない二人でしたが、かわいさ余って何とやらな気持ちは伝わってきました。
けっこう、ラブラブ。
好き嫌いは分かれそうな話かなと思います。