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ネイルサロンで、暑い夏の坂の途中で、深夜の電話口から、人々は不意に怪異を語りだす。奇譚に埋め込まれ、漂っている記憶とは。“時間”・“場所”・“ひと”を重ね合わせる「透視図法」により、そこに眠る深層/心象/真相を掘り起こす。女流作家が綴る、異色のオカルト・ルポ。
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Posted by ブクログ
川奈先生のルポタージュはなんてこんなに面白いんだろう。夢中になって読んだ。 『鍵付きの時代箪笥』と『生霊返し』が印象的。 色んな不思議な体験をしてきた川奈先生が本当にすごいと思った。
しらベェの連載より民俗学的考察が強化されてて面白い。大学教授の娘として民俗学的旅をした記憶から現代社会に潜む妖怪や熊取連続自殺事件、寿産院事件と不気味な事件のルポ要素もある。狂気と紙一重の幽冥界が見えてくる。
いつだかうちのマンションのゴミ捨て場から拾ってきた本のうちのひとつ。ようやく読めました。 〜ここで半年経過〜 ちょっと待って、どんな話なんだっけな…。あれだ、元セクシー俳優の筆者が実際に行き合った、AVには関係あったりなかったりするアングラな世界観に潜む怪奇について書いた随筆的なやつだ。い...続きを読むかんせん拾いものだから、積んでる間中もっとがっつり怖いフィクションホラーかと思ってたがそんなことは特になかった。しかしこういうのもあまり触れたことないので面白かったよ。霊現象に遭遇したと思しき実体験やその又聞き(信じてるぜ)なので、現実の霊体験ってあったら確かにこんな感じかもな…という見聞を広げるのは興味深かったし、怖いといえば怖くもあったよ。全然霊現象なんて出会いたくなさすぎるものだよな…と襟を正すような話もあった。
期待したような迷家の話ではなかった。 さらにルポ系作品とは知らず手に取り、読み進めてから面食らった。 が、在野研究者と見紛う緻密な文献実地調査やインタビュー、実体験を交えた民俗・伝説・事件・オカルトエピソードの一つ一つを、豊富な語彙と高い文章力で取り纏めていて非常に読みごたえがあった。 見返しにある...続きを読むように「〈時間〉〈場所〉〈ひと〉を重ね合わせ」ているのかどうかはピンと来なかったが、真偽の定かでないまま囁かれるネットミームのような現代の怪談も、何十何百年と経つ中で遠野物語のように幻想的な怪異譚に姿を変えていくように感じられた。 それにしても性と死は親和性が高い。 両方とも剥き出しの生命を感じるからだろうか。
オカルトルポ。好きかも。 事実に基づいているから、楽しめた。☺ 岩手県の遠野物語の世界に、私も行ってみたい。
2020.08.24 幽霊だけの話にとどまらず序盤や話の途中で歴史や事件の背景などの説明が長いこともあり読み進めるのが苦痛な話もあった。(そのあたりは飛ばし飛ばし読み進めた) 『鍵付きの時代箪笥』 タンスの引き出しの隙間から髪の毛が隙間からズルッと出てきて、不在の間に着物女の人が髪の毛を押し込め...続きを読むようとしてて耳元で『…ったら許さない』と言って消えたのが気持ち悪い 『人形心中』 もう10年以上前に探偵ナイトスクープで本気でマネキンと結婚したいって女の人が出てたなぁ…と思い出した話。 不気味な肌の色のリアルドールの胸元の黒ずんだシミって、従兄弟の血液…?気持ち悪い…ただただ不気味な話だった。でも従兄弟はリアルドールと暮らせて一緒に焼いてもらって幸せだったんだろうな。幸せって人それぞれだな… 『蛭夫』 ドキドキしながら読んだ。本当の人が日中に勝手に出入りしてると思って途中までドキドキしながら読んだけど幽霊オチでちょっとがっかり。
ただの実録恐怖物語だけにとどまらず、民俗学的な考察が語られているのは面白かった。「いちまさん」と「人形心中」のような、人形がモチーフの怪談って怖い。
なにかとお世話になっておいてこんなことを言うのは心苦しいのだがインパクトの強い手段で手に入れた知名度があるからこその所謂タレント本であり過去の映像作品と比べてしまうと刺激度は高くない。 民俗学の大学教育を父に持つ確かな血筋に加えて小説についてもしっかりと学ばれたようでその文章は容姿さながら端正で読み...続きを読む易いのだが怪異をなにか高いところまで持って行こうという気持ちが空回りし構成に迷いが見られるのが残念。 柳田先生の遠野物語でさえ「あったそうだ」の事実の口伝のみであり逆にそれが素晴らしい、このジャンルに論理はいらない
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