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青年海外協力隊員から新聞社カメラマン、そして43歳で記者に。湾岸戦争、イラク、アフガン、カンボジア、ルワンダなど、戦場と辺境を取材してきた“放浪記者”が綴る戦場サバイバル術。
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Posted by ブクログ
吉岡逸夫氏は2018年に癌で亡くなられているが、本書は亡くなる直前に書かれたものであろうか。氏の海外青年協力隊や記者時代の戦場や難民取材などの経験談を纏めた内容となっている。ざっと題材として扱っているのは、青年海外協力隊員として訪れたエチオピア革命時の(任期中に発生している)同国の取材、ベルリンの壁...続きを読む崩壊直前の東欧取材(帰国当日に壁崩壊)。そしてポル・ポト派と国連軍が睨み合うカンボジア。カンボジアは当時日本が初めて自衛隊の海外派遣を決定したPKO(PEACE KEEPING OPERATION)法案成立で、日本の報道も加熱していた時代だ。そして支配層の少数派ツチ族と被支配層多数派のフツ族が泥沼の殺し合いを繰り広げていた内戦下のルワンダ。その後もアメリカ同時多発テロを機に、アメリカが永きに亘る対イスラムの戦いの火蓋を再び切ったアフガニスタン紛争とイラク戦争の取材など、何度か芸能記者などへ転向しながらも、結局戦場に舞い戻っては、死と隣り合わせでシャッターを切り続けた人生。その中で感じた恐怖や描いた想いを記していく内容となっている。基本的に私が戦場ルポ的な内容が好きである事や、リアルな戦場の緊張感が伝わってくると自分をそこに置いて、非日常的な感覚に身をおいて日々味わえない緊張を感じられる体質、そしてそこから様々な学びが得られるなど、私の読書嗜好にあっているせいか、非常に読みやすく、かつ現地のリアルが伝わってくる描写も多く緊張する内容だ。 また本書は特に筆者である吉岡氏と、その周囲にいながら同氏に影響を与えた人物やその言葉、協力者の事が多く描かれている。若い時代に出会った戦場カメラマンから教えられた(一方的に浴びせられた言葉かもしれないが)事などは、読んでいる我々にも響くところは多いだろう。カメラマンとして撮るための技術にこだわるのではなく、何を撮るかで真価が決まる、といった内容は、自身の仕事に置き換えても、その重みを十分理解しなければならないと感じた。そして目的のためならあらゆる手を尽くすことの大切さ。真実を見るためには危険を冒してでも、リアルな現場とそこの住民の中に飛び込まなければ得られないものがある事。本人が意識してかしないでかは判らないが、結果的にその様な行動の中から生まれたチャンスを決して逃さない強い意志。高いプロ意識と目標達成への強い意欲がその行動からは強く伝わってくる。 後半は国内の新宮支局長(とは言っても本人のみの独り支局だったようだが)として、海外の動物愛護団体から批判されるイルカ漁の取材についても少し触れられている。そもそも報道というものが、伝える内容についての明確なコンセプトや目的を持つことは重要であるが、時にそれによって人々の考え方や行動を大きく変えてしまう責任の重い仕事である事を、改めて理解する。だからこそ若い時代に教えられた言葉がここでも脳裏をよぎる。真実をありのままに、余計な脚色やテクニックを使わずとも「何を見たか」が重要である事を再び思い出す。 我々は仕事の世界で、つい自分の知識や技術をフルに使って成し遂げようとする。だがその目的を振り返れば、果たしてその様な綺麗な資料が必要だったか、その様な機能が求められていたのか、疑問に思うことも多々ある。結果的に流行りのカラーや形状や機能に溢れ、場合によってはそれで売れ行きも変わる。だがそうした製品やサービスの多くはすぐに飽きられ、余分な機能に費やした時間やコストのせいで、売価があがり、相対的に価値や満足度を下げていく。消費者が真に求められるのは、安全な車であり、美味しくご飯が炊ける炊飯器であり、そして満足度が最大化されるサービスだ。そうでなければ長続きしない。筆者が記者という仕事を通じて学んできた、そうした感覚や事実を追体験できる良書であり、本人が亡くなった今もそうした想いや考え方を後世に伝える、良い書籍であった。
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