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身体は人の感情や知性をつくりだしている。合気道家で医師の著者が解剖学にみる身体観の変化、身体知性でオープンダイアローグからべてるの家までを読み解く新たな「からだ」の話。内田樹氏との対談も収録。
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Posted by ブクログ
「人間の心は、身体に起因する」というのが良く分かる本。この事自体は、神経生理学者のアントニオ・ダマシオが言っていた事で、「身体なくして、人間の感情は生まれない」という考え方にも通底する。本書でもダマシオによる「ソマティック・マーカー仮説」を詳しく解説する。 ソマティック・マーカー仮説とは、人間の意...続きを読む思判断には、感覚刺激に対して身体的(ソマティック)に反応する回路が重要な役割を持っていて、感覚刺激に対する身体反応が、論理的思考の重要なサポート役をつとめる目印(マーカー)として働いているというもの。 分かりにくいが、ソマティック(身体を介した)マーカー(外部入力に対する反応の表出)が、人間の直感的な判断に不可欠だというもの。結婚、仕事選び、起業といった事柄については、どれだけ注意深く準備をしても、将来の結末を完全に予想することができない。カーネマンのプロスペクト理論ではないが、「合理的な判断」なんてものは人間は常時できるわけではないし、自らの人生にとって重要であるはずの〝結婚や就職“であっても、最後は言語化できない領域を孕む直感によるのだ。 ダマシオは、人間はこのような状況での判断を「身体で考えて決断している」と論じる。その仮説が、ソマティック・マーカー仮説。身体の発する様々な欲求や本能において、非合理的な判断をしていく。感情も判断も、身体起因で行われる。脳で合理的な判断を導くためには、こうした身体の統制が必要であり、それを本書は「身体知性」と名付けたという事だ。 ダマシオは、脳の損傷によって「推論と意思決定」「情動と感情」の二つが障害される部位を明らかにした。そして、「推論と意思決定」「情動と感情」の二つは、別々のものだが、深い関わり合いを持つものだという考えに至った。 ダマシオを中心に「身体知性」を読解していく感じなので、その印象を中心に述べたが、ダマシオ以外にも面白い切り口が多数あって、脳にも身体にも刺激的な本だった。
分析と統合 オープンダイアローグ、べてるの家 習得への情熱 内田樹との対談 言葉、身体、感情、情動、相互作用 よくまあ文章でここまでまとめたものだ。
もっと難しいかと思ったが、もちろん難しいところもあったが、私のような理系頭でないものにも、わかりやすく書かれていた。 "身体知性とは、分析が不可能な問題や、結末が不確かな未来について判断を下すときに機能する身体な役割のことです。" 9ページ サブタイトルが「医師が見つけた身...続きを読む体と感情な深いつながり」 ものすごく落ち込んだ今年前半、身体をもっと動かしさえすれば、運動すれば、気持ちは少し上を向くのに、と思いつつしばらく実行できなかったが、運動を始めたら、たちまち元気で前向きな気持ちになり始めた。そのことを知っていた自分は本当に得をしてるなと思った。 程度の低い、自分に引きつけた解釈になってるかもしれないが、あとがきに佐藤先生もそういうことを書かれているので良しとしよう。 巻末の内田先生との対談もすばらしく、1冊で2冊分読んだ気になる。賢い師と賢い弟子の対談って、すごいなぁと思った。 医師も人間なので、やはり選んだ方がいいなぁと思った。というか、その時の医師の状態というものがあるので運かもしれない。 その運とか勘みたいなものは武道の修行で磨かれる、ということだろうが、早々に挫折した私としては… 読み終えてまだザワザワとした気持ちがおさまってないので、うまく感想が書けない…
西洋医学と東洋医学の身体の捉え方をベースに、これから自らの身体とどのように向き合っていけばよいかを教えてくれる指南書。 身体とは個別のただ単なる集まりではなく、有機的に繋がっているということがよくわかった。感情の安定が身体における判断力の礎になっているというのが一番卑近な例としてわかりやすい。
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身体知性 医師が見つけた身体と感情の深いつながり
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佐藤友亮
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