日本人のこころの言葉 鴨長明

日本人のこころの言葉 鴨長明

小説・文芸
1,320円 (税込)

6pt

3.0

「ゆく河の流れは絶えずして……」。この有名な名文で始まる『方丈記』が書かれて、今年で800年。作者・鴨長明はこの作品で、地震、竜巻、大火、飢饉などの天変地異の恐ろしさを述べるとともに、どのように無常の世を生きるかを自問し、さらに歌論『無名抄』や仏教説話集『発心集』で人間の心のありようを提示している。運命の転変を生きた長明の言葉からその生きざまと内なる思いを読み解く本書は、現代の啓発の書である。

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    Posted by ブクログ

    「『方丈記』の中には「心」という語が約三十回出てきて、その音が、心臓の鼓動を連想させ、不思議な表現効果をもたらしているようでもあります」

    そうなんだ、と溜め息が出た一文。

    父と同じ地位に立つことを夢見て、けれど結局は才ではなく人同士のもつ柵の前に退き、方丈の庵を結ぶ、そんな鴨長明に共感する所がある。

    「そもそも、一期の月影かたぶきて、余算の山の端に近し。たちまちに三途の闇に向かわんとす。何のわざをか、かこたんとする」

    二年後に亡くなるとは思っていなかったかもしれないが、自身の考えを述べながら、一方で、死を目前にした存在で何を言うかとも残す。

    鴨長明にとっての河とは何だったのか。
    筆者は川と川との合流地点を、インドではサンガと呼び宗教的な聖地となりやすい場であると説明している。

    下鴨神社にほど近い鴨川デルタに集う人々を思い出し、糺の森さえ更に広大だったとあって、当時はどんな光景が広がっていたのか、興味を抱いた。

    0
    2021年03月03日

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