たむらあきこ千句

たむらあきこ千句

880円 (税込)

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十七音の文芸性を追求―自身の内側を見つめ続けた、たましいの一行詩。
12歳で短歌を詠みはじめた文芸少女が、32歳からエッセイ、詩、俳句と短詩型文芸の世界で活躍、やがて運命に導かれるように川柳を知り、一心不乱に句を世に生み出し、前人未踏の「あきこ川柳」の世界を構築してきた。潜在意識の中から浮かび上がる心象風景が「たましい」となって1000句に投影される。今最も川柳の世界で注目される川柳作家の重要な基点となる待望の第2句集。詩性川柳の結実がここにある。

何もなかったように鋭く死んでいる
たましいの凭るのは月の暈あたり
したたかに他人で致死量のことば
わたくしの中の傍観者に当たる
あっけない訃へ雨脚が寄ってくる
こころにも汚泥を塗ったことがある
人間の砂漠ににんげんを咲かす
遺書としてまさかが書いてあるぬめり
たかが突き指へ覚悟が挫折する
陽だまりの陽を吸うどんよりとひとり

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