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【書籍説明】
読者の皆様は、平安から鎌倉時代を生きた僧「西行」、そして「文覚」を知っていますか。元はれっきとした武士であり、その性格同様に、
全く異なる事情で出家した二人の僧は、若い頃からの知人であり、お互いに憎しみ合うライバルであったとも伝えられています。
俗世を離れた身でありながら、ときの権力者平清盛を友に持ち、歴代の天皇や法皇に可愛がられた両者。
その活動は、単なる僧侶という枠を超えたものでした。そして、僧侶の枠を超えたのは、その活動ばかりでなく、その精神世界をも含みます。
出家の身でありながら、叶わぬ恋に身もだえし、あるいは野心の炎に身を焦がしていった二人。その自由な生き方は、現代でも人々の心を捕えて放しません。
さて、現代の日本では「オタク文化」が花開き、海外にまで浸透するなど年々勢力を増しつつある一方で、
それを「変わったこと、変人」として扱い、マンガ、アニメ、ゲームの影響による現代特有の病巣とまで捉える傾向があります。
「オタク」共通の傾向として、現実社会と精神社会が乖離していることが、病気である証拠だとされます。
その精神社会を現実とし、現実社会を否定するような発言が取り上げられ、「オタク」はまともに仕事が出来ない、社会性が無い、
結婚もできない、家族も構成できないなどといった偏見が、ときには露骨に、しばしば暗に、公共の電波等を使って世間に流布されます。
つらい現実を離れて妄想に走るのは病気でしょうか?仮に百歩譲ってこれが病気だとして、現実世界と精神世界が分離するのは、現代に特有の病でしょうか?
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
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